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Z世代と考える「これからの社会価値」BE+Social NEXT #5

NECのブランドエクイティ・イニシアチブは、“Listen & Exchange”(市場の声に真摯に耳を傾け、それを企業価値に転換する)をテーマに活動しています。
本マガジン「BE+Social NEXT」では、Listen活動の一環として、これからの社会を担う次世代の価値観や意見に耳を傾けながら、「これからの時代に求められる社会的価値とは何か?」を考えていきます。

今回はKBCさんと行ったワークショップに関する活動記録をNECの視点でレポートしていきます。


起業家の卵たちが見通す、今後の社会価値
これまでKBCさんとは2回のワークショップを行いました。
ワークショップに関する内容はKBCのメンバーが活動レポートとしてnoteに記載していただいた通りです。

1回目のワークショップでは、3~5人のグループワークで、メンバーそれぞれが思う「理想の社会」を思いつく限り出し合いながら議論をしてもらい、会の最後に中間報告を実施。2回目のワークショップでは、1回目に出た意見をブラッシュアップしてもらい、最後に各自が考える「今後求められる社会価値」について一人ずつ発表してもらいました。

KBCメンバーから挙がった意見の中で、印象的なものとして「お金やコネクションなどの環境による制約がない社会」がありました。この考えを発表したメンバーは、周りに起業家の方などが多く、起業を目指す上で様々な知識や情報に触れる機会が多いそうです。しかし、メディアや異なる環境で出会う人々の話を聞くうちに、中には挑戦したくても経済的な制約やコネクション不足などで、機会を得られない人がいるという現実も同時に目の当たりにしたそうです。

1回目のワークショップで出てきたブレストの様子

一方で、この考えを疑問視する意見もありました。具体的には、「本当にやりたいことがあれば、自ら行動を起こしたり、情報を取りに行ったりするべきだ」というものです。成功は自らの行動の結果であり、行動しない人にまでチャンスを得られる場を提供する必要があるのだろうかという意見です。

そして、「もともと強いコネクションを持つ人と持たない人がいる」、「自ら行動したくても何から手をつければいいかわからない人がいる」、「情報過多の中で何を信頼すべきか判断に迷ってしまう人がいる」等の意見が出ました。
最終的にはこうした状況でも全ての人が平等にチャンスを得られる社会がより良いのではないかと結論付けていました。

いずれの考えにも共感しつつ、彼らが社会の構造に目を向けながら、情報格差は便利なツールによって埋まりつつあるものの、情報や生まれた環境がその後の人生に与える影響について、深く考えている様子が伺えました。

他にも特徴的な意見がいくつかありました。
例えば、「自分がしたいことをして、自分のために生きられる社会」を理想とするメンバーは、マズローの5段階欲求をもとに日本社会の特徴について説明してくれました。日本は先進国であるため、多くの人々の生理的欲求や安全欲求は比較的満たされている一方で、自己実現欲求や承認欲求が高まり続けているのではないかという考えです。

また、自分自身が起業家を目指しているということに焦点を当てて、「人と違った選択をする存在になっても、それを自信を持って人々に共有できる社会」などもありました。
「日本の若者の大多数は、良い高校や大学に進学した後に就職するという道を進むが、それ以外の道を選択してはいけない訳ではない。」という強いメッセージが込められている内容でした。

ワークショップを通じての気付き
今回のワークショップにおけるKBCメンバーの声から、大きく2つの気付きを得ることができました。

  • 若者が様々な挑戦をできるような環境を整え、挑戦や失敗にも寛容な社会が求められている

  • 情報が溢れ過ぎ、かえって必要な情報を選択することが難しくなるという、情報化社会の負の側面も出てきてしまっている

どんな情報も容易に得られる時代だからこそ、Z世代が感じている社会に対する戸惑いや課題が浮かび上がっていると考えられます。

数カ月にわたり、いくつかの団体とワークショップを実施しましたが、KBCのメンバーは他とはまた違った独自の雰囲気を持っています。そんな彼らから発せられる意見もまた、とても新鮮なものばかりで、多くの発見があり、大変充実した取り組みとなりました。
特にKBCメンバーの皆さんは、起業を目指していることもあり、今後どのように自己実現をしていくかを考えている真っ最中でもあると思います。
その中で「今の社会がよりこうなったらいいな」という想いと共に、求められる社会価値について語ってくれました。

次のワークショップは、KBCのメンバーの皆さんのビジネスアイデアを発表してもらう回になります。次回は、KBCのメンバーの方に再度バトンタッチし、参加レポートの記事を作成していただきます。
次回もお楽しみに。