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Z世代と考える「これからの社会価値」BE+Social NEXT #7

NECのブランドエクイティ・イニシアチブは、“Listen & Exchange”(市場の声に真摯に耳を傾け、それを企業価値に転換する)をテーマに活動しています。
本マガジン「BE+Social NEXT」では、Listen活動の一環として、これからの社会を担う次世代の価値観や意見に耳を傾けながら、「これからの時代に求められる社会的価値とは何か?」を考えていきます。
今回はRe-generationさんと共同で行った活動をご紹介します。


Re-Generation×NECワークショップ

■実施日(全3回実施)
関西:2024年9月19日(木)
九州:2024年10月6日(日)
東北:2024年10月12日(土)
■協力団体
一般社団法人Re-Generation

Re-Generationさんは「次世代の社会経験不足」と「企業の次世代の接点不足」を繋ぐために活動をしている一般社団法人です。次世代(=大学生や若手の社会人を含めた、今後の社会を担っていく世代)が企業に触れることのできる機会を設け、双方にとって有意義な情報を得られる状態ができるよう、日々奮闘されています。
今回は、これまでの活動の経験を踏まえ、ワークの企画・集客・運営にご協力いただきました。

当日の内容をRe-Generationさんの視点でレポートしていただいています。
こちらもぜひご覧ください!

Re-Generationさんとのワークショップは、各回ともグループの中で自分の過去や現在を振り返って価値観を探ってもらい、その価値観から社会価値を考えていく流れで進めていきました。

Re-Generationさんは、これまでも「次世代」というキーワードを軸に複数の企業とコラボレーションを行ってきましたが、約1ヶ月間に複数の拠点で多くのZ世代の意見を調査した今回のワークショップでは、他のコラボレーションとはまた違う新たな発見があったとお話されていました。そして、今回のワークショップを経て、Re-Generationさんならではの視点から提言をいただきました。


気付き:
「新たなZ世代の側面 (Z世代2.0)」と「2030年の社会」

  • 本調査を通して、一般的に言われている「Z世代」とは異なる側面を言語化することができた。「デジタルが当たり前になった」以外の社会環境変化によって、「Z世代の質」が変化していることが伺える。 

  • 従来的には、Z世代の特徴としてデジタルネイティブが挙げられ、それに付随して、例えば「タイパ」(タイムパフォーマンス)を求めると言われていた。しかし今回の調査では、「選択肢の最適化」「自分の代わりに選択肢を選んでくれる」というような声はあったものの限定的であり、逆に「物々交換をしたい」「ご近所さんのようなコミュニティがほしい」という、現実的な繋がりを求める声が多くあがった。 

  • また、「選択肢が多すぎて選べない」、「個性を求められる」、「挑戦しなければならない」、「休みの日は休みたい」といった、自由になりつつある社会において、その自由さに疲れていることも伺えた。 

  • 少子高齢化により若者の未来が暗くなる一方、新産業創出の文脈からイノベーションや起業を求められる。仮に就職したとしても、自分のキャリアをどうするべきか?その中で今の会社/部署は最適か?転職するべきか?ライフイベントは?という選択が求められる。 

  • Z世代は、先行きの見えないVUCA時代の中、人生レベルから日常生活レベルまでありとあらゆる選択肢が存在し、その中で自分で選択を求められ、これに疲れを感じ、コミュニティや物々交換など、人の原始的な行為を求めるようになっているのではないだろうか。

提言:
社会価値創造型企業たる、「ソフトなインフラ整備」をすべき

  • 疲れつつも、趣味嗜好が多様化する次世代が求めるのは、「自分は何が社会価値だと思うのか?」を考える機会である。就活や起業など関係なく、対面でただ純粋に自分を振り返り、それを共有しあうことを通して、「自分は何に価値を感じるのか?」「他人は何に価値を感じるのか?」がわかり、互いに価値を感じる部分に、「社会価値」は生まれる。企業側が次にするべきは、上記のような社会価値が生まれる場所づくりである。それは次世代に必要不可欠な「ソフトなインフラ」になる。

  • 保守的になりつつあるZ世代であるが、スタートアップや起業、キャリアを主体的に考えるということは必ずしも悪いものではない。本調査でも、「明るい政治」を求める声もあり、次世代は未来に対して希望をもち、ワクワクしたいと考えていることがわかる。そのような次世代に対して、「ソフトなインフラ」を提供しつつ、親世代/高齢者世代/中高生などに横展開していくことで、社会の根底を支える機能が作られるはずである。


上記の提言の中には「ソフトなインフラ」という言葉があります。この言葉は、Z世代が価値観を育む土台を表現する上で、新しい社会の方向性を的確に捉えた表現だと感じました。このような環境が整うことで、Z世代が社会に主体的に関わる機会が増え、より健全で持続可能な未来の構築につながるのではないでしょうか。

Re-Generationさんとのワークショップで特徴的だったのが、参加している層が学生だけでなく、社会人も含まれていることです。出身や世代も幅広いメンバーが集まったことから、全体を通して「自分」と「他者」を丁寧に見つめ直している参加者が多い印象を受けました。

今年の夏の3か月間で、私たちは130人以上の次世代を対象にワークショップを実施しました。この取り組みを通じて、若者の感性に触れることの意義を改めて実感するとともに、こうした活動が新たな社会の変化を生み出す源泉となり得る可能性を強く感じています。

これからもBE+SocialがRe-Generationさんの提言の中にある「ソフトなインフラ」として機能し、より良い社会を築くための第一歩として、若者が未来の社会に向けて意見を出し合える機会を作り続けていきたいと思います。