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Z世代と考える「これからの社会価値」BE+Social NEXT #4

NECのブランドエクイティ・イニシアチブは、“Listen & Exchange”(市場の声に真摯に耳を傾け、それを企業価値に転換する)をテーマに活動しています。
本マガジン「BE+Social NEXT」では、Listen活動の一環として、これからの社会を担う次世代の価値観や意見に耳を傾けながら、「これからの時代に求められる社会的価値とは何か?」を考えていきます。
今回はグローカル人材開発センターさんと共同で行った活動をご紹介します。


9/4(金)にHACK-AcademyさんとNECの合同でワークショップを行いました。
この企画は、ワークショップに参加した学生の皆さんが持つ過去の経験から価値観の棚卸を行ってもらい、その上で2030年の社会価値について考えることを目的にしています。

今回ご協力いただいたHACK-Academyはさんは、関西大学が主催する、すべての大学生に開かれたアントレプレナーシップ育成プログラムです。

今回のイベントには、HACK-Academyさんが主催する「地域留学」プログラムに参加した学生たちが協力してくれました。彼らは自らこのプログラムへの参加を決め、夏休み期間中に実際に地域を訪れて、地域の問題に取り組むという貴重な経験を積みました。

では、この「地域留学」を通じて彼らがどのような考えを育み、今後どのように社会に貢献していこうとしているのか。
今回のレポートでは、その様子をご紹介します。

ワークショップの全体像
学生には事前課題をお渡ししています。事前課題では「良い社会」を考えてもらう前に自分の価値観の棚卸をしてもらいました。
自身の過去の経験を振り返ってもらうことで、自身が考える「良い社会」のヒントにしてもらうことが狙いです。

棚卸に使用してもらったシート

事前課題を元にワークを行ってもらう前に、NECのコーポレートブランド戦略部で活躍している西山氏にスペシャルトークを行ってもらいました。
西山氏には、自身が思う良い社会に向けた価値観について、過去に参加していた海外のプロジェクト例に挙げて講演を紹介してもらいました。
このセッションでは、NECの社会価値に対する思想や思想に基づく事業を学生に体感してもらいます。

西山氏への質問に、日本と海外の価値観の探るような内容もあり、彼らなりに自身の価値観を分析するための下準備を頑張って取り組んでいる様子がうかがえました。

西山氏の話を聞いた後、学生には事前課題を元に自身の価値観も踏まえた上で、今後求められる社会価値について意見だしをしてもらいます。
大学も学年もバラバラであり、ほとんど初対面の方が集まっているとのことでしたが、地域留学を共に経験してきたからでしょうか、事前ワークシートを見せ合いながらも、皆さんすぐに仲良くなっていました。

自分にとって大事な価値観は何か、という問いに対して、皆さんそれぞれが過去の自分を振り返りながら、シートに貼っていきます。
地域留学を経験し、地域の課題を目の当たりにしたことから、「協力し合える社会」「助け合える社会」「一人ひとりが生きやすい社会」等、私たちが普段仕事に追われているとつい忘れてしまいそうな価値観を丁寧に出してくれていました。
中には、自身の大事な価値観として「愛」と答えていた学生もいました。
少し詳しく話を聞くと、「私はとても愛されたい。今後も愛を身近に感じたいから、多くの人を大切にしたい。愛してくれる人がいること自体が素晴らしいことなのではないか」と熱く語ってくれました。
最近は誰もが発信をすることができ、どちらかと言えば「注目されなくてはいけない」という心理が見えやすい世の中です。しかし、本当に人が集まるのは相手を大切にしている人なのかもしれない、と納得しました。一人の価値観ですが、これは社会全体にも言えそうな意見ですね。

その他のチームでも、「改めて普段私たちが何気なく生きていけているのは重要だよね、それって今後求められる社会にとって、すごく重要なことなんじゃない?」という会話が繰り広げられていました。
他のワークショップで出会った学生とはまた違い、助け会える人々や昔からの友人と一緒に過ごせている将来についての価値観が多く意見として挙がっていました。

「安心」や「つながり」はやっぱり大事。地域課題に触れることで、改めて実感したこと
最後の発表では、それぞれが考えた社会価値を元に、最終的にチームが重要だと思う社会価値を一言でまとめてもらいました。その上でその社会価値に基づいて一歩を踏み出すための今後のアクションをそれぞれ語ってもらいました。

―チームの価値観として挙がったもの―
・格差差別のない信頼できる社会
・人との繋がりを重視した不安がない社会
・国境なく歩み寄って繋がれる社会
・自分の好きなことができ、わくわくできる社会
・受け止める社会
・人と自分と環境に優しい社会
・一人一人が愛と平和を感じる社会
・精神的な安全や余裕があること、仕事等で好きなことができてやりがいがあること、人間関係が充実していて価値観の違いが認めあえること、の3つがどれも欠けていない社会

学生たちが挙げた価値観から見えるのは、彼らが未来に対して抱く「安心」「つながり」の願いです。彼らは、不平等や差別のない社会を求めつつ、他者とのつながりや相互理解を大切にしています。これは、個人の成功だけでなく、共に歩む社会を望む姿勢が見て取れます。
また、「好きなことにわくわくする」「精神的な余裕」を挙げている点から、単に物質的な豊かさではなく、心の充実や内面の自由も重要だと考えていることがうかがえます。
彼らは、地域留学を経て、未来において「個人の自由」「他者との調和」を両立させたいという深い思いを改めて抱いたのではないかと思います。
特に、格差差別のない信頼できる社会を出してくれたチームの学生の中に、今後のアクションとして、偏見やステレオタイプで話をしないことが良い社会の第一歩になるのではないかと考えるため、自身の交流関係以外の人脈も積極的に増やしていきたいという学生もいました。

今回のワークショップでは、地域の課題を目のあたりにしたからこそ聞ける意見ばかりだったと思います。
ビジネスが加速する現代では、ものが簡単に売れ、手に入ることに目を奪われがちです。特に都会での生活では、それが当たり前になり、「本当に自分が求めている社会は何か?」を考える機会がほとんどありません。
しかし、HACK-Academyさんのイベントに参加した学生たちは、自分とは異なる環境に身を置き、現地の人々と触れ合いそこでの課題について一生懸命考え抜いたからこそ、今の時代に本当に求められる社会とは何か、を改めて教えてくれました。

BE+Social NEXTの活動はまだまだ続きます。次回もお楽しみに!