22)自己投資(3)
②「やり方」以前に「在り方」であること
これはもう、口を酸っぱくして言いたい。「やり方」ばかりに拘ることの【無意味】さを。
「やり方さえ学べば私はできる。だって学校の成績だって決して悪くなかったし、正しい知識と方法さえ分かれば成功できる筈だ」と自惚れていた、かつての自分自身に言ってやりたい。
例えば大手企業の営業なら、「在り方」なんて会社の「ブランド」があるから関係ないようにと思われるかもしれないが、それでも同じ研修を受けながらも、営業スタッフによって営業成績に差がつくのは、その人の「在り方」の差ではないかと感じる。
ただそれでも、正しい「やり方」に拘りたくなるには、次の思いが根底にあるからだと感じる。
(1)損をしたくない
これに対して自分がかける労力、時間、お金を損したくない…というのが偽らざる思いだろう。特に自己投資にはまあまあのお金がかかるのが通例だから、無駄な投資をしたくない気持ちもわからずもない。
しかし、その「そのやり方」を編み出した方は、そもそもあなたが、それをやろうかどうか迷っているセミナー費用の、「何十~百倍もの時間とお金、労力」を投資して、それを編み出していることに気づくべきである。
例えば「楽読」の創始者であるナナちゃん(平井ナナエ)は、25歳のシングルマザー時から「宇宙の法則」を自分自身で検証するために「年間一千万円」もの投資をし、しかもそれを今日まで毎年続けているとのこと。今でこそ「楽読」は受講生約5万人、70スクールを誇る全国一の速読教室に発展したが、「そんな保障が一切ないとき」からやり続けている。これを聞いてあなたはどう感じるか?無駄使いをしろとは言わないが、単に「天才と凡人とは違うよ」という、いつもの自分自身を「正当化」する一言で片づけてはいないだろうか?
(2)本当にそれが「正しいもの」かが分からない
例えば学校で「用意された正解」を導き出す方法を勉強し続けてきたせいもあるだろうが、「やり方」を学べば成果がでる筈だという思い込みはないだろうか?
しかし、大人の学びの目的は多種多様であるから、その方法は時代背景や社会構造、人々の共通意識によっても変わってくるし、編み出した方の思いにもよるし、また「自分が得たいもの」が、今後とも必要とされるかどうかによっても変わってくる。でも、それを見極めている時間自体が、そもそもの機会損失ではないだろうか?
また、その根底にはケチとは別に、自分がそれを「やり続ける自信」がないから、そのかかるであろう労力、時間、費用を「無意識に回避」してうまくいく方法を探しているとも感じる。
でも現実は学んだことを活かし、試行錯誤していく中での「気づきと成長」を通じて分かっていくしかない。
私も四十過ぎから沢山学んできて、それ相応の知識や方法を学んではきた。しかし、それを人に伝えたり、ましてや購入してもらうには、そもそも自分自身の「在り方」ができていることが根本だと改めて学んだ。
同じ「やり方」でも、前向きに取り組むか?イヤイヤ取り組むか?自分の利益ばかりに意識が向いてないか?お客様の思いと幸せに寄り添えているか?それ以外にも自分を縛る固定概念はないか?…一朝一夕にはいかないが「在り方」を意識して高め、整える実践も、実は「やり方」を学ぶ以前の基礎を作る「立派な自己投資」なのだということを見直してほしい。
(続く)
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