「遺族」になってしまったら?その①
仕事上、ご家族を亡くした方の対応をすることがあります。いつもご遺族様は忙しそう。何から手をつけて良いのか、どれだけ役所をまわれば良いのか、悲しむ暇もなくバタバタとされています。
今回から3記事連続で、「遺族」になってしまった時にしていくことについてまとめます。※葬儀が終わった後からの内容です。
いきなり税理士さんや司法書士さんに聞くのはハードルが高い、、相談でお金がかかるかもしれない、、保険会社に聞いて勧誘されたらどうしよう、、、などと思う方のお役に立てればと思います。
誰かに聞く時も、少し知識や視点があるのとないのとでは変わってきます。
また、ご家族が万一の時の手続きを知りたい方や、金融機関にお勤めの方にもお役に立てる内容となっております。
はじめに
ご逝去に伴う手続きは、大きく分けて3つあります。
①公的給付シリーズ
②名義変更・解約シリーズ
③遺産相続シリーズ
今回の記事は、①公的給付シリーズです。
①公的給付シリーズの中には、⑴公的遺族年金、⑵公的一時金、⑶医療費の払い戻しの3種があります。
⑴公的遺族年金
国民年金または厚生年金の被保険者(であった)方が亡くなったときに、ご家族が受け取ることができます。
・照会先:年金事務所
・必要書類:請求書、本人確認書類、年金手帳、戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し(亡くなった方の住民票の除票)、請求者・子供の収入を確認できる書類、死亡診断書のコピー、振込先の通帳、印鑑
・期限:5年以内
「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の年金の加入状況などによって、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
家族構成、年齢、結婚していた期間、年金保険への加入期間、誰が受け取るか、、、などによって支給される年金が変わってきますので、この先はとてもざっくり書きます。ご自身のケースについては、年金事務所等にお聞きください。
〜会社員・公務員の場合〜
配偶者が受け取るケース
18歳未満の子供がいる・・・遺族基礎年金、遺族厚生年金、子の加算
18歳未満の子供がいない・・遺族厚生年金、(妻が受取人なら中高齢寡婦加算)
子供が受け取るケース
18歳未満の子の人数1名・・・・遺族基礎年金、遺族厚生年金
18歳未満の子の人数2名以上・・遺族基礎年金、遺族厚生年金、子の加算
父母・孫・祖父母が受け取るケース
遺族厚生年金
〜自営業・農林漁業者の場合〜
配偶者が受け取るケース
18歳未満の子供がいる・・・遺族基礎年金、子の加算
18歳未満の子供がいない・・死亡一時金(または寡婦年金)
子供が受け取るケース
18歳未満の子の人数1名・・・・遺族基礎年金
18歳未満の子の人数2名以上・・遺族基礎年金、子の加算
18歳未満の子0名・・・・・・・死亡一時金
父母・孫・祖父母が受け取るケース
死亡一時金
⑵公的一時金
健康保険から「埋葬料」またはこれに準ずる一時金が支給されます。
・照会先:健康保険組合or市区町村(労災の場合は労働基準監督署)
・必要書類:請求書、本人確認書類、死亡診断書のコピー、戸籍謄本、収入を確認できる書類、健康保険証、労災の場合葬祭料の少領収書等、、
※亡くなった方の加入していた健康保険によって異なってきます
・期限:2年間
〜会社員・公務員の場合〜
業務外・・・埋葬料5万円
業務中・・・葬祭料(給料から計算した基礎金額を使って算出)
通勤中・・・葬祭給付(給料から計算した基礎金額を使って算出)
〜自営業(国民健康保険加入者)の場合〜
葬祭費(3〜7万円)※自治体によって異なります
⑶医療費の払い戻し
お亡くなりになる前に入院などをしていて、治療費が高額だった場合「高額療養費」の請求ができます。
・照会先:健康保険組合or市区町村
・必要書類:医療機関の領収証、健康保険証、申請書類
・期限:2年間
高額療養費については過去に記事にしていますのでこちらをご参照ください!↓
その①まとめ
①公的給付シリーズのキーワードは「健康保険」でしたね。また、書類さえ揃えられるのであれば、めちゃくちゃ急がなくても大丈夫とわかりました。
でも、手続きが面倒な割に、金額はご遺族様にとって十分なのか?という点が私は気になります。
ここで生命保険の話を少しすると、生命保険金は指定されている「受取人」の固有の資産なので、ご逝去された方の資産と違ってすぐに簡単に手元に入ります。生命保険への加入も一つ検討する価値があるのではないでしょうか??
では、次の②名義変更・解約シリーズでお会いしましょう♪