音楽と私
少し変わった音楽の趣味を持つ子どもだった。
そうはいっても、流行りの音楽を全く受け入れないわけではなかった。けれどファンクやソウル、フュージョンといった種類の音楽に強く心惹かれていた。(そういった“ジャンル”が好きだと自覚できたのは、もっと後になってのことである。自分の好きな傾向の音楽を端的に表す言葉が存在するのだと、気がつくのに時間がかかったのだ。)
初めて見たライブはジェフ・ベックの来日公演だった。
おおよそ小学生が自然に出会う音楽とは程遠いものを好きだったが、それは私の周りにごく自然と存在するもので、私にとってなにも特別ではなかった。ザ・バンドが響く車内、ギターの鳴る自宅。ピアノを弾く私。
Sheryl Crowに憧れて、Curtis Mayfieldに弾みながら通学した。Steely Danで渋滞を楽しみ、The Metersで深夜の国道を走った。
それが日常だったことはとても幸運なことだと、いまだにそのよろこびを折に触れて噛み締める。私にとってその音楽たちは、脊索のように、見えない柱としてそこに存在している。
或いはそういう環境に在ったことが私を私たらしめていると言えるだろうし、そう考えるのが自然なんだろうという自覚もある。
けれど私の中には『近道をしただけだ』という予感のようなものが転がっている。それはもしそんな子供時代を経なかったとしても、いずれどこかで今愛している音楽に出会っていたのだと確信してしまうほど強烈な予感。
まあそんなのはたぶん気のせいなんだけれど、出会ってもらわないと並行世界の私が可哀想だから、是非そうであってほしいな。
ただ、無意識のうちに与えられてしまったが故の弱みとして、「どうやって探せば(ディグれば)良いのかが分からない」という問題にぶち当たっている。私は「1970年代を生きて、いろんな音楽が鳴る中から「これだ!」と好きを掴んで引っこ抜く」という経験をすることができない。ぶち当たった好きを2000年代から辿って、1970年代にたどり着くことしかできないのだ。
それを解決する糸口になればと、今回noteを始めようと思い至った。ひとことで言ってしまえば「もっと好きなことに詳しくなりたい」。つらつらと書いておいて、ただそれだけなのです。
文章にして整理することが好きなので「私と○○」という感じで好きな音楽についてちまちまと書いていければと思います。そうすればある程度は、自ずと(今よりは)詳しくもなれるんじゃないかな。
以下は簡潔な自己紹介。
年齢は20代。ファンクとかフュージョンとか、ポップとか、そういったのが好きです。ジャズっぽいのも好きだけれど、本当に「ジャズ」と言えるもの(そういう認識すら間違っているのかもしれないけれど)には全然詳しくありません。ジャズっぽい、という表現もちょっとずれているのかも。
1960〜70年代あたりの洋楽が好きで、でも今現役で活動しているアーティストも日本・海外問わず好きなのがたくさんあります。
流行りの音楽には疎い方で、ちょっと苦手意識があります。別に喋れるわけではないけれど、英語を勉強するのが好きです。