05/16_20:15
ぜんぶ、ぜんぶ。
夜の街に溶け込む人たちのように
消してしまえたらどれだけ身軽になるのだろう。
どれだけ自殺を試みたって未遂で終わる。
小5、小6と既に4回未遂を続けていた。
捻挫、打撲、擦り傷、直前で思いとどまる。
未遂をしなくなり、中学生になって、身体が急激に悪くなった。
捻挫も打撲も悪化して
治らなくなって
好きだったスポーツも嫌いになって。
傷の治りは圧倒的に遅くなって、
擦り傷すらも、自分で切ったかのように残る。
両腕の刻んだ傷と同じように。
病気も悪化して、
だいぶ減ったが、それでも通院する日が多い。
思いとどまったのは去年だった。
怖くなったわけではなかった。
脳裏に、大切な人達が浮かんだから。
…いまここで堕ちたら、あの方々とは会えなく、過ごせなくなってしまうのだろうか。それは、嫌、だなあ。
そう思って、いつもと同じ、少し錆びたフェンスから降りた。
1年経った今でもたまに座る、4駅隣の一角にある建物の、血のような匂いのする低いフェンス。
良く考えればこんな場所で死ねるわけが無い。
だって3階の屋上。
フェンスも片足が不自由でも少し頑張れば登れてしまう。
ばかだなあ、と思う。
大切な人が居るのに未遂をし続けた過去のぼくは、もっとばかだと思った。
ばかで、浅はかで、どうしようもなく救いようがない。
そもそもぼくがやってしまっていたことは、未遂と言えるのだろうか。
どうだっていいけれど、考えてしまう。
単純にタフなのか、死ぬことを拒んでいるのか、拒まれているのか。
よくわからない。
ただ、いまは、
大切な人達が居てくれるのならば、
生きていても、いい。
そう思っている。
重荷になってしまうのだろうけれど、それくらい、ずっと一緒に居たい。
こんなぼくを、認めてくれて、救ってくれて、愛してくれて、ありがとう、って、抱き締めながら言いたい。
あーあ、いつか、言えるといいなあ、
ちゃんと目の前で。
生きて、いたいのかなあ、ぼくは。
わからないな。