社員A 個人ヘッジファンド編♯76: 「米国国債の逆イールドとは、そもそもなんなの?」 <ー 実は、銀行殺しです
今回は「米国国債の逆イールドとは、そもそもなんなの?」についてコメントをさせて頂きます。
最近、当報告でもちょくちょくいっている「逆イールドが解消するまでは、米国国債20年物は値段が反転しない」とは、いったい何?
と、思っている方も、もしかするといるかもしれませんので、この辺りで一度どんなものかを見て行きたいと思います。
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「米国国債の逆イールド」: 米国国債の異なる償還期限の利回りが、通常の順序である短い償還期限の利回りの方が高いという状態を指します。具体的には、2年債の利回りが10年債の利回りよりも高い状態を、米国国債の逆イールドと呼びます。
通常、債券の利回りは、償還期限が長くなるほど高くなります。これは、長期の債券は、短期の債券よりもリスクが高いため、投資家はより高い利回りを求めるからです。しかし、米国では2022年10月から、2年債の利回りが10年債の利回りよりも高い逆イールドの状態が続いています。
逆イールドは、景気後退の予兆とされることが多い指標です。その理由は、逆イールドが発生する背景には、景気後退への懸念が投資家心理に反映されていることがあるためです。
具体的には、以下のような理由で、逆イールドが発生することがあります。
景気後退のリスクが高まると、投資家は経済成長が鈍化する可能性を織り込んで、長期債の利回りを低下させる。
中央銀行が金融引き締めを実施すると、短期金利が上昇する。
インフレ率が急激に上昇すると、長期債の利回りが上昇するが、短期金利の上昇幅が大きければ、逆イールドが発生する可能性がある。
なお、逆イールドが発生したからといって、必ずしも景気後退に陥るとは限りません。しかし、逆イールドが発生した場合には、景気後退のリスクが高まっていると考えられるため、注意が必要です。
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この逆イールドが発生していると、銀行が利益をだすことがかなり難しくなります。
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銀行と逆イールドの関係は、主に以下の2点にまとめられます。
貸出利ザヤの縮小 (だけなら良いのですが、マイナスの可能性大)
銀行は、預金からお金を借りて、企業や個人に貸し出すことで利益を得ています。このとき、預金金利と貸出金利の差額が、銀行の収益である貸出利ザヤとなります。
逆イールドが発生すると、短期金利が上昇し、長期金利が低下します。この場合、銀行は短期金利で預金を集めて、長期金利で貸し出すことになります。そのため、貸出利ザヤが縮小することになります。
貸出基準の引き締め (利益がなくなるので、当然です)
銀行は、貸出利ザヤを維持するために、貸出基準を引き締めることがあります。貸出基準とは、銀行が貸し出す際に設定する条件のことです。
貸出基準を引き締めると、企業や個人が融資を受けにくくなります。そのため、企業の設備投資や個人の消費が抑制され、景気後退につながる可能性があります。
このように、逆イールドが発生すると、銀行の収益が悪化する可能性があるため、銀行は損をする可能性があります。
ただし、逆イールドが発生したからといって、必ずしも銀行が損をするわけではありません。逆イールドが発生する背景には、景気後退のリスクの高まりや、中央銀行の金融引き締めなど、様々な要因が考えられます。これらの要因が、銀行の収益にプラスに働く可能性もあります。
また、逆イールド中は株式も上がったりします。 その後に大暴落を控えている可能性が高いにもかかわらず。
ま、相場はゆっくり動く場合があるということですかね~
で、この逆イールド中は、先の見通しが暗くとも、株式相場も好調なことが多く、こないだまで、米国国債ETF iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)を手放した次第です。
つまるところ、持つのが早すぎたせいです。