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「ベレー帽とカメラと引用 03号」の内容案内【詳細版】


*初版は売り切れました(2021年1月21日~、新装版販売中)


「ベレー帽とカメラと引用 03」の詳しい内容案内です。

サブタイトルは「少しだけシャイなふりをした変な角度の03号」、B5判で本文100ページです。

11/22の文学フリマ東京(入場無料)で販売します(→その後、ネットでも販売予定)。

内容は昨年10、11月の慶応大学での話がベースになっています。まる一年かけて大幅に加筆した「増補改訂版」です。

主な内容は以下の通り。参考におよその文字数を入れてみました(太字は本文から引いた文章)。

 ↓

 ・ その3 「考察と視点」

02号からの続きですが、特に連続性はない総合案内所のようなものです。「巻頭言」か、あるいは雑談的な前置き。(3500字)


・短評集A~E

 歌詞について、曲ごとの短い批評的な文を書こうと考えて、さらに「僕ら」「僕たち」に関する考察の続きを足したもの。タイトルは「短評」ですが、短くない文もあります。かといって「批評集」「論考集」とするのも書きにくいので。

 

・A:「ピクニックには早すぎる」に始まる二、三の傾向

タイトルと仮タイトルの関係についての考察です。「そうはいっても飛ぶのはやさしい」は無理にしても、事前にサリンジャーの有名な短編は読んでおいていただきたいです。「言ってみればこの傾向はFG時代に生まれ、育ち、あっという間に華々しく散ってしまった。」   (2500字)

 

・B:「恋とマシンガン」への複数の視点

2019年11月に話した内容を膨らませたもの。性的な象徴性と、音韻論と、その他あれこれの具体例や考察を足しています。じっくり話すとおそらく一時間か二時間くらいかかりますが、読めば10~15分くらいで理解できます。「そういう観点から見てばかりいると、D音とB音だけでポピュラー音楽史が書けるのではないかと思うほどです。」   (10000字)

 

・C:「カメラ!カメラ!カメラ!」の哀切さ

この曲の歌詞は悲しいはずだ、という考えを少しずつ、落ち着いて書いているうちに興奮してきて、すっかりエモい感じの文章になってしまい、そのまま終えたような文章。盛り上げようと考えて「文字の***を*****」という技を思いついたものの、最終的にはやや控えめに調整してしまったのが残念です。「おそらく稲垣吾郎だって小沢健二だって、そんな経験はないだろう。 」   (2000字)

 

・D:「少しだけシャイなふりをした変な角度のウインク」とは何か

歌詞について批評を書く際のきっかけや、自分自身の内面の観察といった「批評そのもの」に関する考察と、表題の疑問を並行して書いたような感じです。「積極的にアピールしてはいないものの、ばれる可能性を十分に含んでいる行為に及んでも、クラスメイトたちは気づかない。」

noteのナボコフ研究に関する文章「ナボコフとの出会い」を読んでおいていただけると入りやすいです。  (4000字)



・E:「カメラ・トーク」以前と以後の「僕ら」「僕たち」

02号で書いた、そもそもこの本を作るに至ったきっかけである「僕ら」「僕たち」が誰を指しているか?という問題の続き。他の文章が少しくどく感じられたので、ごくあっさりと例を挙げて、なるべく大人しい文にしようと心掛けました。「少なくとも「僕+仲間」や「僕+君」ではなく、「僕+僕+僕」とでもいった、合わせ鏡に現れる複数の自己像とでもいった「僕ら」である。」    (3500字)

 

・「フリッパーズ・ギターの時代と言葉」(中村 四郎)

2019年10月に大学で話した講義の増補改訂版です。実際に話したのは80分ですが、これを「時代」について30分、「言葉」について30分、「歌詞」について60分くらいノンストップで喋ったらどうなるか、という想定で書き直したらこうなりました。本当は資料を配って、音を聴かせつつ話して、短評集A~Eの内容も加えて話したい。

そうすると十時間くらいはかかるよなと思っていたのですが、この03号を読みながら十時間ヴァージョンを想像していただければおよその全体像はつかめます。   (16000字)

 

・いっそのことコーネリアスとBBに挟まれて天に召されたい(桐山もげる)

桐山もげる氏は01号の「普通の人の音楽遍歴」で大いに語っていただいた方です。

ちなみに、これまでのN4書房のnoteの記事の中では累計二番目によく読まれています。

03号ではタイトル通り、コーネリアスの作品とビーチ・ボーイズとの関連性について書いていただきました。  (8500字)

 

・多くの人と共有したいFG関連の雑誌記事ベスト5(御野洲皆斎)

FGの雑誌記事は面白いものが多く、本来は「五十選」くらいの規模で熱く語りたいのですが、とりあえずベスト5のみ(04号以降にまわします)。記事を書かれたライター諸氏について言及したい、顕彰したい、お礼を言いたい気持ちも強くあったのですが、時間と文字数ほかの関係で触れにくかった点が悔やまれます。

書いてみると予想外に良く書けたので、もっと続けたいと思っています。目次が自分の名前ばかりになってしまうのでPNとして「御野洲皆斎」を使っています。    (6200字)

 

・「ドゥワッチャライク」を概観する【前篇】(三品量子)

 これも雑誌記事の紹介的な企画で、やはりPNです。「ドゥワッチャライク」にはかなり出来不出来の波があり、良い波が来た時の良さと、不出来な回の酷さはいずれも一見の価値がある……、かどうかはナニですが、後篇もお楽しみに。   (4400字)

 

・インタビュー「普通の人の音楽遍歴 :第三回」(ゲスト:エコロ)

三回目となったこのシリーズ。エコロさんはツイッターやブログで長くファン活動を続けられている方で、FGとの出会いやその前後のお話は、80年代前半生まれ世代の方にお勧めします。  (10000字)

 

なお、おまけにポストカードと豆新聞がついています。(*ポストカードは初版のみ

・ポストカード(初版のみ)はMaki Ayumiさんによるイラストです。

トランプの絵柄のような構図に男が二人、ギターの絵が描いてありますが……。いったい誰なのか、私にはよく分かりません。皆さんはぜひご購入の上、お考え下さい。

 

・豆新聞「愛と真実のB.C.Q.新聞」はA4二つ折サイズです。内容は本誌に入りきらなかったささやかな情報+04号以降の企画予定や、書き手の募集をしています。微妙に本誌の話題のあちこちと繋がっており、しかも余った数行でお勧めの本を挙げており、無駄なスペースが全くありません。 (4600字)

 

何と、有難いご推薦のお言葉まで頂戴いたしました。


ちなみに定価は800円(新装版は900円)です。


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文フリに持って行く部数を決めるため、アンケートのご協力をお願いします。後からネットを通じて購入したいという方の人数が曖昧なため、このアンケートに従っておよその冊数の配分を決めます。

仮にネット購入希望者が多かった場合は、文フリに持って行く冊数を減らします。逆の可能性もあります。

後日、15日あたりからは取り置き予約(正午から夕方まで)を受け付ける予定です。

 

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