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疲れない体を作るIAP呼吸法

「全集中」、「水の呼吸」…

「鬼滅の刃」がブームになり、「呼吸」について意識させられる機会が増えた。

20年程前、幼稚園を訪問して「立腰教育」を間近に感じた折、呼吸をする子供の体の動き、先生がゆったりとした調子で数を唱えながら、呼吸の仕方をリードする場面がビデオ映像のように鮮明に頭に焼き付いている。呼吸法に取り組む姿には凛とした美しさがある。

今ではマインドフルネスという言葉が一般的になり、生産性向上のために瞑想を取り入れる企業が増えるなど、数々の心と体を整える「呼吸法」が紹介されている。その一つに、IAP呼吸法がある。

「疲れない体」のポイントは呼吸にあるということです。胸呼吸が適切でないのであれば何がベストかーじつはそれこそ、これからお伝えする「疲れない体」作りの土台となるメソッド、「IAP呼吸法」です。この呼吸法に切り替えることで、体の中の圧力が高くなり、その圧力に支えられる形で体の中心(体幹と脊柱)は安定します。    
山田知生『スタンフォード式 疲れない体』(サンマーク出版)

IAPとは、Intra Abdominal Pressure の略。腹腔内圧(腹圧)のこと。

「いろは体操」という健康エクササイズにも、腹圧を高くしたまま呼吸するプログラムが取り入れられている。このプログラムでは、腹式呼吸と逆腹式呼吸という呼び方で違いを意識化させている。

腹式呼吸は、息を吐くと同時にお腹を凹ませる方法。

逆腹式呼吸は、息を吐くときも圧を逃がさずお腹を膨らませるやり方で、これがIAP呼吸法であり、「腹圧呼吸」と呼ばれている。お腹を膨らませることを意識的しないと腹圧をかけることは難しい。

お腹を含まらませて呼吸をすると、体の中心軸がしっかりしてくる。腹圧によって体幹と脊柱が支えられて安定し、正しく無理のない姿勢を保つことができる。

体に力を入れるときは息を止めるのではく、息を吐くときのほうがより力が出せる。腹圧をかけると体が安定するからだ。

また、体の中心を正しい状態に保つと、中枢神経の指令の通りが良くなり、体の各部と脳神経がつながりやすい状態になる。

腰痛など体に異変が起きるときは、バランスが崩れている。呼吸が浅く、腹圧が低くなり、体の中心が安定しないことで、体が疲れやすくなっている。

つまり、疲れにくい体を作るには、腹圧呼吸を使う。息を吐きながらお腹を膨らませる訓練を習慣に取り入れると良い。

何より実践、日々の小さな鍛錬で積み上げることで、「ああ、そういうことか!」と腑に落ちる感覚がつかめるだろう。

腹圧をかけて「腹落ち」するの巻。







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