医心館の疑心感 ④
医心館のビジネスモデルの考察 その3(Win-Winのしくみ)
医心館とは、2014年の誕生以降、現在では全国に130施設以上が設立されている、急成長中の新しい老人ホームのような施設です。
関東南部にある新設されて間もない医心館で祖父がお世話になりました。ネットで検索しても施設内の様子を含めた具体的な情報が全く見つからなかったので、その時の経験を踏まえて、気がついたこと感じたことを共有したいと思います。興味のある方は、スキとかコメントをしてください。分かりにくい施設だと思うので、需要があればいろいろ記事にします。
なお、疑心感というのはゴロがいいだけで、そんな日本語は存在しません。不信感とまはでいかない猜疑心といったニュアンスでしょうか。事実ベースではあるけど、この記事はあくまで個人の感想ですのでファンタジーだと思って受け止めてください。
本記事は前回の記事の続きです。
前回の記事では、医心館の特徴である”医療機能のアウトソース”を理解するために、入館時に取り交わす契約内容を確認しました。
今回は、”医療機能のアウトソース”するビジネスモデルが、なぜこれほどまでの成功と成長を収めているのか、そこにある複数あるwin-winの関係について考察してみます。
患者・家族とのwin-win関係
医心館は、医療依存度が高い患者さんに対して、十分な人員体制と連携体制を備えた療養環境を提供しています
患者は必要な医療ケアを受けながら、病院よりも家庭的な環境で過ごすことができます
家族の介護負担が軽減され、安心して患者を任せることができます
医心館の対象となる患者は、医療保険や介護保険、指定難病の医療費助成制度などの活用により、提供してもらえるサービスに対して割安と思える費用負担ですみます
医心館は、医療保険や介護保険などの制度をフルに活用したサービスを提供し、その対価を得られます
地域医療機関とのwin-win関係
医心館は地域の医療機関と密接に連携しています
病院は医療依存度の高い患者の受け皿として医心館を活用でき、病床回転率の向上や経営効率化につながります
地域の医師は医心館をプラットフォームとして活用し、効率的に患者ケアを行えます
医心館は安定した患者紹介を受けられ、高い稼働率を維持できます
医療従事者とのwin-win関係
医心館は看護師や介護士に魅力的な職場環境を提供しています
医療従事者は専門性を活かせる環境で、好条件で働くことができます
対象と目的を特化した設備(介護用のお風呂や、トイレ、ベッド、部屋の構造などあらゆる面で最適された設計になっている)で、効率的に業務を行うことができます
入居者に、手厚い訪問診療契約や訪問薬剤管理指導契約を必須にすることで、医心館の看護師の負担を減らせます
医心館は質の高い人材を確保でき、サービスの質を維持・向上させられます
地域社会とのwin-win関係
医心館の展開は地域社会全体にもメリットをもたらします
介護問題に関する社会的にニーズに答えることができます
地域の医療・介護資源の効率的な活用につながります
地域の雇用創出にもつながります
他の介護事業者とのwin-win関係
医心館は他の介護事業者とも連携モデルを構築しています
互いの強みを活かした施設運営が可能になります
入居者の相互紹介により、適切なケアの提供と高い稼働率の維持が可能になります
株主・投資家とのwin-win関係
医心館のビジネスモデルは高い成長性と収益性を実現しています
株主・投資家は魅力的な投資機会を得られます
会社は安定した資金調達が可能となり、事業拡大を進められます
このように、医心館のビジネスモデルは多様なステークホルダーとwin-winの関係を構築し、社会課題の解決と事業の成長を両立させているように思います。
私は、これを本当によくできたビジネスモデルだと思っています。ただし、社会的ニーズという大義名分のもとに、社会保障費を食いつぶしているという一面もあると思っています。なにせ、医心館の成長速度が尋常じゃないですし、社長の柴原慶一は、長者番付にも名を連ねる程ですから。
また、医心館の話ではありませんが、以下のような経営の立ち行かなくなる老人ホームの悲惨なニュースを度々目にします。
おそらくは、上記で示したようなwin-winの関係のいずれかが崩壊した末のできことだと思います。それらを運営している組織に比較すると、医心館のビジネスセンスは目を見張るものがあります。では弱点はないのか?というと、そんなこともないと思っているので、次回は医心館のビジネスモデルの考察の最後として、ウィークポイントを考察してみたいと思います。
読んでいただきありがとうございました。医心館について興味のある方は、スキとかコメントとかリアクションしてください。需要があればいろいろ記事にします。