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サトマイのCBTジムと認知行動療法
サトマイとは謎解き統計学サトマイのことで、CBTとは認知行動療法のことです。
もう少し詳しく説明すると、認知行動療法は以下の説明の通り、精神疾患の治療を目的としたもののほか、自己啓発としても活用されており…
認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、ご自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりするのをお手伝いする心理療法です。
もともとはアメリカのAaron T Beckという人が、うつ病に対する精神療法として開発したものですが、うつ病以外にも、不安症や強迫症など多岐にわたる疾患に治療効果と再発予防効果があると言われています。
また、現在では、精神科の治療としてだけではなく、法律、教育、ビジネス、スポーツなど、あらゆる領域で認知行動療法の考え方が取り入れられているようです。
ようするにサトマイのCBTジムとは「サトマイさんが運営をする、認知行動療法の考え方を取り入れた有料の自己啓発プログラムで、認知の歪みを認識する術とその対処法を学ぶことで、より柔軟に物事を考えられるようになる、さらにわかりやすくいうと、よりポジティブな思考になれるよ」っといたもの、だと私は理解しています。ジムと謳っているのは、そのプログラムの内容が、知識を得ただけでは効果が期待できず、反復的に実践をしなければならないため、スポーツジムになぞらえて命名したのでしょう。それにより、具体的に以下のような数値改善が得られているようです。
【速報】
— サトマイ@統計のおねぇさん (@satou_rco) December 2, 2023
弊社で開発した、"思考力を鍛えるオンライジム"で実施した認知行動療法(CBT)トレーニングにて、驚異的な数値改善が見られました。(画像は結果の一部)
「否定的な自動思考」というのは、自分、他者、将来、過去に持っている、ネガティブな認知の歪みのことです。全部、統計的に有意に改善。 pic.twitter.com/LJkxfDMB0h
注意すべきは、あくまで治療が目的ではないことです。生活に支障があるほどの生きづらさで困っているなら心療内科に行きましょう。でも、心療内科にかかるほどではないけど、生きづらさを感じてる人っていますよね。または、整体に通うかのごとく自分の認知の歪みってのがどんなもんなのか興味がある人とか、CBTというものが高価な壺や石なんかと同じように、腰痛にも不眠にもダイエットにも効くって噂を聞いて気になっている人だとか、ワールドワイドな有名な企業が研修に取り入れてるらしい…という話が気になっている人だとか、そういった方々が主なターゲットになっているのかなと思いました。ようするに、結果的には目的も悩みも期待することもまちまちな集団ができあがっていた印象です。なお、私が参加した理由は、いろいろなことが嫌になって、気分もちょっと下向きになっていた時に、たまたま申し込みの記事が目に付いたから、よく分からんけど気分転換にでもなればと思ってノリで申し込んだ、という感じだったと思います。そんなこんなで、たしか2万円くらいを支払って、第1期のプログラムに参加しました。(1期の前に、0期もあったようです)
実際に受講した印象としては、まだまだ荒削りなプログラムで、回数を重ねるごとに改良していくのかなと思いました。具体的にどんなことをやるのかについては、言っていいことと、いけないことがありそうなので詳細は書きませんが、認知行動療法がどういうものなのかをネットで検索すれば、大体想像はつきます。まずは知識を得るための講義を受講して(様々なバイヤスや認知の歪みのパターンを学べるので楽しい)その後は実践です。反復的に個人ワークやグループワークを行います。そのためのモチベーションが維持できるように、メンターが付いたりといろいろと工夫をしてくれています。個人的な印象としては、鬱気味だとか、無気力であまり自己主張がないだとか、楽観的でのんびりしているような人よりも、怒りっぽいだとか、イライラしやすいだとか、他人の言動で感情が揺さぶられやすいだとか、感情の起伏が激しいだとか、感情を自分でコントロールできない自覚のある人などの方が、効果が得られやすいのかなと思いました。通院とは異なりライザップみたいな感じなので、自ら課題意識を持って前のめりになれる人の方が、効果も得られやすいと思います。
では私がどうだったかというと、申し訳ないけどモチベーションが維持できず、コミュ障ゆえにグループワークにもあまり積極的になれず、そもそも参加をした目的も曖昧だったのもあり、なんとなく最低限の課題をこなし、なんとなくジムの期間が過ぎ去ってしまいました。そもそも『初めまして』の繕った薄っぺらい自己紹介のやりとりが苦手なんですよね。自己紹介をすること自体はさほど苦でもなく案外適当にこなせるんですが、それを聞いていることとか、その空間にいること自体に辟易して滅入ってしまうのです。(それを認知行動療法で是正しろよ)
でも「認知行動療法がどういうものなのか?」「同じくサトマイのCBTジムに申し込んだ人がどういう人たちなのか?」「そのたちがどのように課題に取り組み、どのようなコミュニケーションを取っているのか?」なんかが知れたのは結構面白かったと思っています。
ただし、今度同じようなCBT的アプローチのグループワークやセラピストによる診察を受けたいかと聞かれたら、ご遠慮したいですね。なにやらそのような目的のアプリがあるようなので、次ぎに試すならそっちかなと思います。結構いろいろなアプリが存在しているようですが、いずれもレビューが良く、競争もかなり激化しているようです。効果が得られれば、長期的なサブスク会員が獲得できそうだし、蓄積された自信のデータを活用することで他社のアプリ移行されるリスクも少なそうだし、昨今のAI技術との相性もよさそうだし、ビジネスとしても興味深いです。
なによりも、AIがメンタルパートナーになってくれるなんて、ディストピアっぽくて最高に素敵です。