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支援のあたりをつける

これまで、わりと特別支援に関する本は読んできたつもりである。全く読書しない人より、少しは特別支援に関する知識はあるだろう。(あると思いたい)今回、「発達が気になる子の教え方 THE BEST」を読み、今まで学んできたことが決して間違いではなく、学んだことが繋がり、体系化されたような気がした。

まずは、これまでにどんなことを学んできたのか書き出してみたいと思う。

・ユニバーサルデザイン
・応用行動分析
・認知行動療法(リワークで学んでいる)

授業はユニバーサルデザインを意識し、生徒指導では応用行動分析を意識していた。生徒指導に関して述べると、学級で問題行動が起きるとどうしても冷静に記録を取ったり、ゆったり構えて対応したりすることが難しい時がある。また、どうしても対処療法のようになってしまっていた現状があった。それはそれで仕方ない部分もあるのだが、指導へのあたりをつけることができないことにもどかしさを感じていた。

では、具体的にどのような取り組みをすればよいのだろう。

行動を記録する視点を渡辺(2024)は以下のように示している。

1 生起の有無(行動が起きたか、起きなかったか)
2 回数(行動が何回起きたか)
3 比率(一定時間の中で行動が何回起きたか)
4 持続時間(何分、行動が継続したか)
5 潜時(行動を始めるきっかけを示してから、実際に行動を開始するまでの時間)
6 状況(行動の直前、直後の状況、具体的にはいつ、誰と一緒のとき、どこで、その行動が起きたか、行動が起きた後にどうなったかなど)

「発達が気になる子の教え方  THE BEST」(2024)渡辺道治,東洋館出版社

これまでの私は、事前・事中・事後の3視点で記録を取ることが多かった。応用行動分析の視点で考えるとそれでよいのかもしれないが、上記の6視点だとより行動を客観的に捉えることができる。何より数字が入っているため説得力も増す。

もう少し具体的な指導としてまとめたのが次のものである。

①感覚・認知・行動どこに困難を抱えているのかあたりをつける
②行動ごとの対応策を考える
 ・逃避行動→環境調整を行う
 ・要求行動→行動スキルを教えて褒める
 ・注意喚起行動→低刺激、強刺激対応を使い分ける
 ・自己刺激行動→合法的に刺激を入力させてあげる
※応用行動分析の視点で記録をとる

「発達が気になる子の教え方  THE BEST」(2024)渡辺道治,東洋館出版社
をもとに筆者がまとめた

私が学んできたことは、どこかぶつ切りになってしまっていたため、指導のあたりをつけることができなかったのだろう。とくに、感覚・認知・行動のいずれかにあたりをつけることはしていなかった。行動ごとの具体的な対応策を考えることは現実的ではなく、ある程度の枠組みを自分の中に引き出しとして蓄積し、その枠をもとに支援策を考えるのが無難だろう。自分の引き出しに入るためには腹落ちした理解が必要不可欠である。もう少し応用行動分析は理解を深めたいと思う。

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