個別最適な学びを進める上で取り組みたいこと

授業内での人間関係の理想を、宗實(2023)はゆるやかな人間関係としています。


教室の中では、協働をベースにしながら子どもたちがゆるやかにつながるというイメージが理想なのかもしれません。ゆるやかにつながりながら、個人の目標や学級の目標を達成できるようにしたいものです。

この主張は、以前記事で書いた創発学級に近いような気がします。

誰とでもつながることのできる学級の人間関係、そこがベースにないと個別最適な学びは難しいのではないでしょうか。

自分で学習を進めていて、困ったときは仲の良いあの子にだけしか頼ることができないのはいけません。

その子も困っていたら、そこで問題解決はストップしてしまいます。

また、その子の見方・考え方からしか学ぶことができず、学びが限定的なものになってしまいます。

次年度は、子どもたちの人間関係づくりからスタートし、個別最適な学びが成立するようにしたいと思います。


その上で、筆者が主張するように「個別学習」にも力を入れたいと考えています。


効果的に協働学習を行おうと思えば、個別学習の時間が必要になります。個別でとことん調べているからこそ人に訊きたくなります。「みんなで話し合たい」「聴き合いたい」という気持ちになります。


また、個別最適な学びを進める上で、宗實(2023)は「個」を理解することの大切さを示しています。


何よりもまず、「個」の学び方を正確に丁寧に捉えることが前提となります。そのためには子どもの学びの跡を見るだけではなく、教師が子どもの様子や思考の跡を見取ろうとする必要があります。そのためには記録し続けることも必要となります。

私たちは、子どもの事実から学び、それを子どもに還元していくことを考えなければいけません。

大学院の講義で築地氏の授業記録や映像に衝撃を受けたことを思い出しました。

築地氏の実践の背後には確かな見取りによる子ども理解がありました。

築地氏は授業中の見取りに加え、普段の子どもたちの様子も見取り単元設計に役立てていました。

授業中の見取りに加えて子どもの人間性等の見取りを行い、その見取りを授業に反映させており、それは見事いうほかありませんでした。

これまでの自分を振り返ると、全体をぼやっと捉えているような感じであり、個に意識が向いていませんでした。

しかし、子どもの変容を捉えるには、子どもの事実に向き合い続けるしかありません。

次年度は意識して取り組みたいことの1つであります。


宗實(2023)では、子どもを見取る視点として次のことが書かれています。


①広い目:子供の姿を時間軸で関連付けて継続的に見取ること
②長い目:子供の姿を空間軸で関連付けて多面的に見取ること
③基本の目:その授業で目指す子供の姿を基に見取ること



この3つの中で、私が意識できていいないのが「①広い目」です。

子どもの変容を考えるなら、単元レベル・学期レベル・年間レベル・小学校段階レベルといった広い視野が必要です。

変容を把握するには普段の関わりも大切ですが、次年度は特に「子どもが表現したもの」に着目して把握に努めたいと考えています。


参考文献

宗實直樹(2023)「社会科『個別最適な学び』授業デザイン理論編」明治図書

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