#愛した人・愛する人が重なる曲
サプライズでその日のために猛練習したピアノを新郎が弾くとか、一曲歌うとかよく聞くが、自分がそれを受ける花嫁になるとは思いも寄らなかった。
約8年前、33歳の時だ。
「ここで新郎○○さんから新婦に歌のプレゼントがあります〜ギターは新郎友人の○△さんです」
司会者の高く美しいアナウンスを聞いた瞬間思った事、
えー!?ほんと?!嬉しいっっ、キャー!
ではない。
は?打ち合わせと違うじゃん!!友人がギター弾くだけでしょ?歌って何?聞いてないし!!
不安、そして怒りまではいかないが戸惑いの方が大きかった。だってさ、何度か仲間内でカラオケいったことあるけど、全くもって下手。歌ってるというより、音楽をバックに抑揚をつけてダラダラ喋っているに近い。しかも選曲が謎。ビジュアルバンド好き、それも超マイナーなバンド、曲だったりして私には全くわからない世界だった。
「何それ、聞いてないよ、何歌うの?」
小声で横にいる新郎に聞くも、彼は一瞬目を合わせた後、呼ばれた方にいってしまった。
ここで立ち上がり「やめてー」という勇気は私にはなかった。座ったまま高砂で見守るしかない。せめて場に合った選曲、歌を聞かせて。
よく覚えてないが、新郎が曲名など一言いった後、ギターが流れ、歌い出す。
……想像以上に下手だった。
「歌う」と聞いた時、もちろん不安が1番だったが、ただ席を移動して歌い出す前までは、それでも練習して少し歌えるようになったのかなーと僅かながら期待もしたのだが、その期待を見事に打ち破る歌のような語りのような、でも歌のようで、私はずーっと下を向いて失笑を続けてしまった……。
しかし、同時に少し思った。この出来で、この場で歌う事ができるこの人は、ある意味すごいと。私なら絶対できない、辞退する。
「ねぇーねぇー、結婚式の時、何か歌ってたじゃん、何歌ってたの?」
仕事が休みの朝、布団で二度寝を始めた夫に聞いてみた。
「何でそんなこと聞くの?」
「noteに書きたいから」
「ふーん」と苦笑いしつつ
「ガクトのラブレターだったかな」
と言う。
そーいえば、曲名紹介で「ガクト」と聞いて「良かった、よくわかんないインディーズバンドの曲じゃなくて」と思った記憶がある。でも私は曲自体は知らなくて、ただ二次会か何かの時に、夫の友人(男)に聞いたら「知ってるよ」と言われた。続けて「いやー、新郎が歌っている時に失笑を続けるバジルちゃんが何とも言えなかったよー」とも言われた。
その友人(夫の小学生時代の同級生)とは一時期私も親しくしていた。普通の外見だが、人当たりよく社交的で、何気にハイスペック男子だった。「こういう人と付き合い結婚すれば私の人生は巻き返せるかも」そう思った私は、ある年、友人同士でお花見にいった後、彼にだけ葉書をだした。「お花見楽しかったね。○○君の学生時代の話も聞けて嬉しかった。また来年も一緒に行きたい」とか何とか。
何かを察知し、びびった彼は私の友人(女)に相談したそう。「突然、葉書がきたけど、何か聞いてる?」とか何とか。「バジルちゃん、距離を詰め過ぎなんだよ!それにね、○○君は何だかんだいって付き合っている彼女が1番なんだから!やめときな」と友人に呆れられ、助言された。脈なしだと判断した私は次に目を向け、主人に目がいったのは、その次の次の次ぐらいかもしれない。って、話それました。
GACKT「LOVE LETTER」
優しい笑顔で僕に微笑む君が
今も変わらずに側にいる
目を閉じればほら いくつもの季節が
僕らをそっと包み込んでゆくよ
長い旅路の果てに何があるのか
誰も分からないけれど
不安な夜は もう二度と訪れないから
永遠を歩いてゆける これからもずっと二人で
この胸に強く抱きしめた
想いは変わらない たった一つだけの
「愛してる」
選曲理由を先日聞いたら「明るい曲これしかないから」と言われ「え!コブクロとかあるじゃん!」と言ったら「知らない。歌えそうで明るい曲は、これしかなかった」と解答あり。
検索して聞いてみると、前向きなバラードのよう。そういえば最後「あいしてーるー」って歌いながら、こっちに顔を向けてたかも、ね。
こちらに参加しました!素敵な企画をありがとうございます。