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長男の育ち

#やさしさにふれて

 長男(小学1年)のクラスは、火曜日に図書の時間がある。図書室でいろいろな本を読んだ後、好きな本を一冊借りることができる。

 長男は料理やもの作りが好きで、いちごケーキが表紙のお菓子づくりの本や、かわいい小物づくりの本をよく借りてくる。一緒に見ながら「おいしそうだね」「今度つくりたいね」などと会話を楽しんでいた。

 ある時、珍しく新幹線の絵本を借りてきた。聞くと、新幹線が好きな弟のために借りてきたという。

 次男は早速絵本を開き「わーマックスときだー」「はやぶさだー」などいいながらお気に入りの新幹線を次々みつけ、長男もニコニコしながら一緒にみている。

 おやつもおもちゃも、まずは自分!!だった長男が、少しづつ人に分け与えることができるようになってきた。       

 先日、開校記念でもらったひよこのお菓子も、私がいう前に一つ次男にあげていた。

 嬉しいけれど、本当は我慢しているんじゃないかと少し心配になる。

 「弟のことを考えてくれて嬉しいけど、自分が読みたい本があったら借りてきていいんだよ」
 長男は「わかった」というが、言葉の真意は伝わっていない様子。まあ、長男も喜ぶ弟の姿を見て嬉しそうだし、いいか。

 感じが苦手で「八」がうまくかけなくて、カナカナも苦手で「ネ」が書けない。「9−3」「9−7」をまだ間違えてしまうけれど、そんなことより、長男の心の中に「やさしさ」が育っていること。それが何より嬉しい。

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