交通事故で人身事故にした方が被害者はお得...とは限らないというお話
ちょりっと事故ってしまった時の記録。
事故当日
ある日の深夜、コンビニの駐車場に頭から入れて停めていて、出す時に左後方に下げて切り返して出そうとしたら、左斜め後方にいた車の右側部に、こっちの後部をぶつけてしまった。
相手は30代後半?くらいの女性。
図で表すとこんな感じ。
バックなのでスピードが出ていなかったためだろう。ぶつけたというよりは、ゆっくり押し込んでしまった、という感じだった。
こちらの損害は非常に軽微で、よーく見てもどこをぶつけたのかわからないくらい。
対して、相手の車は右フロントフェンダーがボッコリ凹んでいた。
損害の差は、比較的頑丈な後部と脆弱な側部との差が出てしまったというところだろう。
確かに私の後方確認は不十分だったと言わざるを得ず、全く相手が見えていなかった。
「ずっとここに停めてたのか?」と聞くと、その通りとの事。しかし車に乗り込む時、そんな所に車はいなかったと思うが...。それに、なんでそんな通路上に停めていたのか?
ただ、それを聞くと相手のせいにしているように聞こえてしまうため、それは言わないでおく。
すぐに警察を呼んで事故処理。当たりも強くなかったので物損事故とする事でその場はお開き。
相手が停まっていたという事であれば、過失割合は10:0になるんだろうなぁ...。
相手は「ぶつかる!と思ってクラクションを鳴らした」と言っているのだが、全く気付かなかった。その時は豪雨が降っていたのでそれで聞こえなかったのか、それとも聞こえていたのに自分の事だと思わなかったのか。。。
事故翌日
さて、実は私の方は自分の車ではなく、車を修理に出してる間の代車で当ててしまったため、代車を出している修理業者経由で保険会社に連絡する事になる。
深夜で、かつ急を要するレベルの事故でもなかったので、翌朝に修理業者に連絡すると、修理業者を経由する関係上、保険会社から先方への連絡が事故の2日後になるとの事だった。
そのため、その旨を先方に電話すると「困ります」と。
困ると言われても、修理業者の手続き上そうならざるを得ず、私の方ではどうしようもないため、その旨を伝えたのだが、それでも「困ります」の一点張り。
何なんだこいつ。。。
そもそも保険会社からの連絡が1日遅れるくらいで何を困る事があるのだろう?そのへんを問い詰めたかったが、この時はまだ申し訳ない気持ちがあったので、それはしないでおいた。とにかく遅れる旨だけ伝えて終了。
そして保険会社から連絡があり、事故の詳細な状況を説明。
事故から2日後
警察から連絡があり、なんと先方が人身事故に切り替えたいと言ってきたため実況見分したいとの事。
???
ぶつけた側が言うのも何だが、とても人身事故になるような当たり方じゃなかったんだけどなぁ...。
人間、全く予測していない衝撃に対しては意外にモロいので、追突事故の場合なんかは小さな衝撃でもむち打ちになったりするけど、今回の場合は相手が「ぶつかる!と思ってクラクションを鳴らした」と言ってるくらいだから、予測していない衝撃ではあり得ない。
(むしろ予測してなかったの俺の方...)
追突じゃなくて横からの当たりなので、衝突による急加速もなかったろうし、そもそも前述の通り、衝突と言うよりは「押し込んだ」感じの事故だ。
ただ、保険会社に聞くと、保険会社には最初から人身事故とする旨を言っていたらしい。うーむ。
とりあえず、人身事故扱いになったらどうなるか?をざっとWebで勉強しておく。
実況見分の日(たぶん事故から5日以内)
だいぶ前の話なので何日後か忘れてしまったが、その週の土曜だったのでまぁ5日以内というところだろう。
相手は帽子にマスクという出で立ちで登場。
そして、何か印刷した1枚ペラを「読んで下さい」とぶっきらぼうに警察官に手渡していた。
何事...?なんか俺に対する文句でも書いてあるんだろうか...?
それは警察に宛てたもののようで、私には渡されなかったが、チラっと見えた範囲では「知人に『人身事故として届けた方が良い』と勧められたため...」的な一文があった。
それはさておき実況見分。
見分は、当たった地点の話以外は、基本的に双方に別々の警察官が付いて個別に行う。
そして、私の担当の警察官と話しているうちに全貌が見えてきた。
コンビニの駐車場での事故なので、事故の全容はコンビニの防犯カメラにバッチリ写っていたのだが、警察がそのビデオを確認したところ、相手の車は停まっていたのではなく、私がバックしている時に衝突地点に滑り込むように前進してきていた。
つまり「ずっとそこに停まっていた」というのが実は嘘だったのだ。
ただ、ぶつかった時点では停止していたので「停まっていた」と相手は主張している模様。
つまりこういう感じ。
ちなみにこの場合、相手の車は私にとっては右後方から後方に進入してきた事になるのだが、私は左後方にバックするため左側に気を取られていたため、それに気付かなかった、という事のようだ。
ともあれ、ビデオ確認の結果、過失割合は10:0ではなくなってしまった。
そのため、人身事故扱いとなったこの事故では、加害者vs被害者ではなく、双方加害者として取り調べが行われる事になる。
電話でその事を警察に告げられた相手方は相当反発したらしく、担当の警察官に「あなたとはもう話したくありません」とまで言ったそうだ。
この警察官は元々、相手方の担当だったが、そう言われたため私の方の担当になったらしい。
という事で双方加害者として調べが進むのだが、私の方は事実確認と見分内容への同意と相手方への処罰希望(しない)をしてサインして拇印押してさっさと終わったのに対し...
相手方ゴネてる。むっちゃゴネてる。(警察官に対して)(^^;;
ゴネること実に1時間超。
この後、病院に行く予定だったのだが、このせいでキャンセルせざるを得なくなってしまった。担当警察官も午後の予定が潰れてしまうとの事。
しょうがないので、待ってる間こっちは担当の警察官に色々と話を聞いた。この警察官、前述の経緯で相手方への心証が悪いせいかむっちゃ喋ってくれたw
保険会社は、診断書なしでも人身事故として取り扱うと言っていた、との事。(つまり公的に人身事故としなくても、保険金は人身事故として通院費などが支払われる)
なのに、なぜ警察に診断書を出して公的にも人身事故への切り替えをするのか解せない。(面倒臭くなるだけなのに)
ここで私が思い出したのは、Webで勉強した時に見つけた以下のサイトの記事だった。
https://www.bengo4.com/c_2/gu_728/
物損事故から人身事故に切り替えることで被害者が罪に問われる可能性
警察官に「これってこのケースですかね?」と聞くと「まさにこのケースですね」との事。
ちなみに、一旦人身事故扱いにすると、その取り下げはかなり難しいらしい。つまり、自分も加害者として点数が付いちゃう可能性があるから「じゃやっぱり物損に」って事はできない模様。
なるほど。物損への変更がもうできないので、恐らく件の1枚ペラには、自分が加害者扱いされる事へ異議申し立て、人身扱いにした経緯、自分は停まっていたとの主張、処分の撤回要請などが、言い訳も含めてつらつらと書いてある、というところか。
整理するとこういう事だろうか。
事故直後は物損という話になったものの、周囲から「人身にした方が良い」と吹き込まれた。
すぐに病院に行き、診断書を取って保険会社に人身事故とする旨を連絡。
この時、事故状況を大袈裟に話したのかも知れない。正確に話せば診断書が取れるような事故と思えないので。
診断書を添えて警察に人身への切り替えを申請。
理由は、自分に過失は無いと思っていたためか、自分も処分の対象になる可能性がある事を知らなかったからか、あるいは保険会社で人身扱いにしたので警察に対してもそうしなければならないと思い込んでいたか。警察の調べの結果、実は止まっていたのではなく動いていた事がバレ、自分にも処分の可能性があることがわかって慌てた。
警察にゴネまくり、警察からの心証最悪。
物損のままにするか、せめて保険会社が人身扱いにした時点でやめときゃ良かったのに。(金銭的には後者がベストか)
警察に人身として出しちゃったため、物損の時には確認しなかった防犯カメラの映像を確認され、自分にも過失がある事がバレちゃった。物損のままなら10:0だったのに、人身にしたので10:0じゃなくなってしまった。
頭悪いよね、この人。
まぁ実際問題としてぶつけたのは私の方だし、それで迷惑かけたのは事実なので、あまり悪しざまに言いたくは無いけど、こういう事があると誠心誠意対応しようとかいう気は無くなるよね。形だけはそうするけどさ。ま、対応するの保険会社だけど...。
ただ、この相手、この後も相当面倒くさい相手だった。
実況見分から2日後
こちらの保険会社には、当初「停まっている車にぶつけた」と言ってあったのだが、そうでない事がわかったので、実況見分の結果を保険会社に連絡してやった。「向こうは停まっていなかったらしい」と。
保険会社からの連絡が遅れる旨を伝えた際の先方の態度の悪さ、どう考えても人身じゃないのに人身扱いにしてきた事、そして停まっていたというのは嘘だったと実況見分で判明した事で、もう誠心誠意対応する気が全く無くなってしまったのでね。
金を払うのは保険会社なので、こんな事をしても私には何の得にもならないのだが、保険会社は違う。10:0でなくなれば支出が減るわけだから、案の定食いついてきた。警察に問い合わせ、調書を入手して検討するとの事。
そしたら相手方から抗議の直電がwww
もうだいぶ前の話なのであまり詳しくは憶えてないけど「10:0じゃないって言ったんですって!?」とか「人身事故にされたから腹いせか!?」とか、そんな感じの事をヤンキー口調でまぁ怒鳴る怒鳴るw
あー「人身事故に『した』」って言っちゃいましたね?www
まぁわかってたけどw しまったなぁ、録音しとけば良かった。
私は「まさか、そんなつもりは無いですよ(実は大ありだけどw)。あなたが停まっていたと言ったので保険会社にはそう話していたんですが、調書を見たら違っていたので、調書の通りの事を保険会社にお話しただけですよ。間違いは正さないといけませんから。あなたの車が動いた矢印がついている調書、あなたもそれ見てサインしましたよね?(1時間以上ゴネてはいたけどw)」
それでも向こうは何か色々と文句を言ってたけど、詳しい内容は忘れたw で、最後に「もう保険会社同士の話になっているので、こうやって直接連絡するのは基本NGだと思いますよ。後は保険会社とお話するようお願いします」と言って切った。
そしたら、先方はどうも警察の方にも抗議したらしく、今度は担当警察署から電話がかかってきた。詳しくは憶えてないけど
「『警察が10:0じゃないって言った』とおっしゃったんですか?」
みたいな話だったと思う。
「いや、そんな事は言ってませんよ。ただ、調書を見たら最初に先方が言っていた事と違っていたので、保険会社にその旨を連絡しただけです」
そう話して警察との話は終わり。念のためこの事と、先方から直電がかかってきた事も保険会社に連絡。これで保険会社から「直接連絡はしないで下さい」と伝わる事だろう。
そしたら案の定、以降は静かになった。
その週の週末
人身事故扱いになると事故点数が付いてしまい、次回免許更新でゴールドにならなくなる可能性があったので、交通事故証明書というやつを取り寄せてみたが、点数が付くかどうかわかるシロモノではなかった。まぁいいか。。。
事故から約7ヶ月後
その後本当に静かになったので忘れていた頃、約7ヶ月後に保険会社から解決の連絡があった。7ヶ月も粘ったのか、あのBBA!www(ちなみに交通事故証明書を見たら43歳だった)
70万くらいだったかな。。。随分と吹っかけたようだ。まぁ最低でもドアとフェンダー交換だろうから、それなりにかかったとは思うが。
で、結局、過失割合は9:1になっていた。
人身扱いにしようなんて考えなきゃ10:0だったのにね。
事故から約4年後
免許更新がゴールドで来た。結局、人身事故扱いになっていなかったって事か(人身事故だと最低でも2点付いてゴールドでなくなるはず)。まぁ担当の警官も「点数付くかはわからない」って言ってたしなぁ。
BBAがやった事は、こっちにとってはただ面倒くさいだけだった。向こうはたぶん保険の等級が下がっただろうけどw
交通事故証明書に先方の住所氏名が書いてあるので、行って「ざまーみろ、バーカバーカ」と言ってやりたい。やらないけどw
おしまい。
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