中日ドラゴンズ2023年のドラフトを考える~選手紹介編~
みなさんこんにちは。
立浪政権2年目のシーズンが終わりました。
契約3年目となる勝負のシーズンに向けて重要なイベントであるドラフト会議について考えをまとめてみたので是非読んでみてください。今回のnoteは以下の3本立て構成となっています。
・ドラフト候補選手紹介
・ドラゴンズの現状分析
・ドラゴンズの指名戦略を考える
それでは1本目、選手紹介です。
今年は史上稀に見るほどの豊作年とも言われており、逸材が各地に揃っています。特に大学生の投手、高校生のスラッガーは好選手が目白押し。それでは選手を見ていきましょう。
投手
高校生
今年の高校生世代を語る上で欠かせないのが前田 悠伍投手(大阪桐蔭・左左)でしょう。1年生からこの世代をけん引し続けてきた
サウスポーで、1年秋からエース格として活躍しており1年秋神宮大会優勝、2年春センバツ優勝、2年夏甲子園ベスト8、2年秋神宮大会優勝、3年春センバツベスト4と全国大会での実績はずば抜けています。
惜しくも最後の夏は決勝で破れることとなりましたが、U18に選出されると大学ジャパンとの壮行試合では先発として2回3奪三振無失点という結果を残しました。本大会ではエースとして3試合に先発し決勝での完投を含む16.2回 防御率0.54の活躍で日本代表を同大会初の優勝に導きました。
投手としてはツーシーム、スライダー、チェンジアップなどを精密なコントロールで投げ分け三振の山を築く本格派で、特に決め球のチェンジアップはストレートとのコンビネーションが抜群です。
投げる球のみならず、高校生離れした投球術や下級生から主力として出場し最終学年では主将として名門大阪桐蔭を引っ張ってきたメンタルの強さといった簡単に習得出来ない技術を持ち合わせており、そこも含めて世代No.1と言えます。
左が前田投手とするなら右でNo.1を争うのは木村 優人投手(霞ヶ浦・右右)、坂井 陽翔投手(滝川第二・右右)の2名。
2人とも高身長の本格派右腕でクセのないフォームからキレのある変化球とスピードボールを操ります。木村投手はU18にも選出されました。
前田投手の後につけるのはおそらく東松 快征投手(享栄・左左)。全国経験はないものの、世代トップクラスの馬力を誇ります。
ムラがあるもののいい時には高校生でも屈指のボールの強さを誇る仁田 陽翔投手(仙台育英・左左)、大きく割れるカーブを武器に夏の甲子園四強入りに貢献した黒木 陽琉投手(神村学園・左右)、日本一となった慶應をあと一歩のところまで追いつめた杉山 遙希投手(横浜・左左)などがいます。
他にU18の投手だと東恩納 蒼投手(沖縄尚学・右左)は伸びのあるストレートに必殺のスライダーを操りスコアボードに0を刻み続けます。武田 陸玖投手(山形中央・左左)は投手としても世代トップクラスの左腕で打者としてもU18監督の馬淵監督から高い評価を受けています。
他には3年生で大きく成長し夏の決勝で大阪桐蔭を被安打3で完封した福田 幸之介投手(履正社・左左)、レベルの高い愛知でも屈指の好投手である天野 京介投手(愛産大工業・右右)、投手転向から1年で急激な成長を見せている早坂 響投手(幕張総合。右右)らもいます。
フィジカル面でずば抜けている日當 直喜投手(東海大菅生・右右)、篠崎 国忠投手(修徳・右右)といった面々も注目ではないでしょうか。
大学生
大学生の投手は歴代最高と言っても過言ではないほどの顔ぶれであり、中でも中心となってくるのが東都大学野球連盟を引っ張ってきた投手達です。
今ドラフト市場全体で見ても目玉と呼べる存在になるのが細野 晴希投手(東洋大・左左)と常廣 羽也斗投手(青山学院大・右右)の2選手でしょう。
細野投手は今年一番人気になってもおかしくないほどのポテンシャルを秘めた投手です。
まず目につくのはその出力。先発すれば140キロ中盤から150キロ台、1イニングに専念した高校日本代表との壮行試合では150キロ中盤から後半を連発し、アマチュア球界の左腕最速となる158キロを記録しました。これだけのスピードボールは今のNPBを見渡してもほんの一握りであり、スピードだけでなく空振りを奪える質の良さも魅力です。
また、変化球も多彩で複数種類のスライダー、カットボール、スプリット、ツーシームなどを操り三振を量産します。
そしてこの投手を語る上で欠かせないのが卓越した牽制の技術です。足の上げ方・間合いなどを使い分けることで、鍛えられた大学球界最高峰の東都リーグの選手相手に牽制でもアウトの山を築き上げます。
下級生から積み上げてきた実績も十分であり、今年の大学日本代表に選ばれると夏に行われた日米大学野球選手権大会では最優秀投手賞を受賞しました。
抜け球や乱調など荒い部分もありはしますが、磨き上げればメジャー行きも視野に入る超逸材投手です。
その細野投手と双璧を成す存在が常廣投手ではないでしょうか。
常廣投手で注目されるのはなんと言ってもその美しい投球フォームから投じる伸びのあるストレート、アウトローに決めるそれはもはや芸術の域。先発でも常時140後半、ギアを上げれば中継ぎに専念した際は常時150キロ台にもなるスピードと球威で打者を圧倒します。
そしてストレートに並ぶ常廣投手の代名詞と言えばフォークボール。スピードも落差もあり手元で急激に落ちる、まさにパワプロのようなフォークで多くの打者をきりきり舞いさせてきました。
他にはカーブ、スライダー、チェンジアップなどを操ります。
実績で言えば他の投手より先発投手としては経験が少なく、今春のリーグ戦が初登板でしたが成長スピードはずば抜けており着実にエースとして成長を続け青学大のリーグ優勝に貢献、大学野球の日本一を決める全日本大学野球選手権大会(以降選手権)の決勝では全国からタレントが集う明治大打線相手に10奪三振の完封勝利を決め優勝、大会を通じて2試合に先発し15回 防御率0.00で最優秀投手賞を受賞、名実共に日本一の投手となりました。
その後の日米大学野球でも主戦投手として先発に中継ぎにフル回転、最後は胴上げ投手となりました。
そしてこの2人に勝るとも劣らない能力を持っているのが西舘 勇陽投手(中央大・右右)、武内 夏暉投手(國學院大・左左)の2投手でしょう。
西舘投手は常時クイックモーションで投げるのが特徴で、最速155キロのストレートにカットボール、スライダー、フォーク、カーブとどれもハイレベルな変化球を揃えており打者を圧倒します。4年生になってそれまでのストレート主体の投球から変化球を多用するようになりピッチングに幅が出来た点もポイントです。
武内投手は2年秋の神宮大会では九州産業大相手に8回2アウトまでパーフェクトという投球を披露したこともあるテンポよく打たせて取る投球が持ち味でした。しかし4年になってから大きく成長し元から高かった制球力にスピードが備わってチェンジアップ、ツーシーム、スライダーなどで三振も奪える世代屈指の左腕に成長しました。伸び幅は今年の候補でもトップクラスと言えるでしょう。
他に即戦力の候補として名が挙がるのが下村 海翔(青山学院大)投手(青山学院大・右右)、岩井 俊介投手(名城大・右右)の2投手。
両名ともゲームメークに長けておりストレートに力があります。そして下村投手はカットボール、岩井投手はスプリットというウィニングショットを持ち合わせておりこれらを武器に打者を打ち取ります。
また下村投手は全身バネのような身体能力を活かしたフィールディングも持ち味のひとつです。
岩井は数値で見ても圧倒的であり最速156キロを誇るストレートは日本代表合宿では2780回転という数値を叩き出しました。
2人ともリーグ内に限らず全国大会でも結果を残しており、日本代表に選出され下村投手は日米大学野球のMVPに輝きました。
完成度の高い投手の需要はプロからも高く、指名された場合は1年目からの活躍に期待がかかります。
他の東都リーグでいえば草加 勝投手(亜細亜大・右右)、西舘 昂汰投手(専修大・右右)も候補に上がる存在でストレートの威力や制球力、スタミナといった能力は非常に高く毎試合8,9回まで登板し終盤でも力のあるボールを投げ込みます。
2人とも180センチ超え、特に西舘投手は190センチ近い長身のためボールに角度がつくのも魅力の一つです。変化球の精度を高めたらプロでも先発投手として活躍が見込めるでしょう。
他の日本代表では上田 大河投手、古謝 樹投手らがいます。
上田投手は下級生の頃から主戦投手としてリーグ戦、4度全国の舞台に立ち3,4年で二回日本代表に選出された経験豊富な投手。精度の高い変化球に加え、足の上げ方などを細かに変えてタイミングを調節し巧みに打者を打ち取ります。
古謝投手は馬力ならば細野投手に劣らないものを持っており遠投や投球練習からそのすごさが分かるでしょう。
中継ぎとして面白い存在になりそうなのが木村 仁投手(九州共立大・右右)、松本 凌人投手(名城大・右左右)、谷脇 弘起投手(立命館大・右左)、真野 凛風投手(同志社大・右右)の4人。
いずれも180センチを超える長身から繰り出す変化球が特徴の投手です。
木村投手は複数の落ちるボール、松本投手はサイドハンドからキレのあるカットボールとシンカー、谷脇投手は大きく割れる縦のスライダー、真野投手は横滑りするスライダーを操り日本代表合宿の紅白戦において短いイニングで爪痕を残しました。
木村投手は本代表入りも果たしており、松本投手は全国大会での経験も豊富です。
他には滝田 一希投手(星槎道都大・左左)、冨士 隼斗投手(平成国際大・右右)の2人も代表合宿を二度経験して爪痕を残しています。
4年秋は故障もあり満足のいくシーズンを送れませんでしたが、投げるボールは一級品です。
東都リーグの精鋭には見劣りするかもしれませんが、東京六大学にも好投手がいます。
高い奪三振能力を誇る尾﨑 完太投手(法政大・左左)、機械のようなコントロールでゲームを作る能力は世代屈指の村田 賢一投手(明治大・右右)、実績は少ないもののスケールの大きな石原 勇輝投手(明治大・左左)、高い総合力を持ったタフネス右腕蒔田 稔投手(明治大・右右)らがその筆頭。
下級生のころから安定した投球でチームを支えてきた池田 陽佑投手(立教大・右右)、加藤 孝太郎投手(早稲田大・右右)もいます。
社会人・独立
ずば抜けたNo.1と呼べる存在はいないですが、筆頭に上がってくるのがこの3人。
1人目が松本 健吾投手(トヨタ自動車・右右)です。
ムラはあるものの球の強さは抜けており、1年目から中継ぎ先発にフル回転、解禁となる今年は中継ぎで都市対抗優勝に貢献しました。昨年の日本選手権ではパナソニックを相手に1安打完封勝利を飾るなど投手としてのポテンシャルは世代屈指でしょう。
2人目が古田島 成龍投手(日本通運・右右)です。
伸びのあるストレートにシンカー、チェンジアップ、スライダーなどで投球を組み立てます。
試合中に見せる様々なリアクションなどは見てて飽きないので、投球も含めて見るものを惹きつけさせます。
また、投げていない時にはベンチで声を出して味方を鼓舞する姿も見られ、一目見るだけでとても印象に残る投手です。
3人目は竹田 祐投手(三菱重工West・右右)です。
1年目から二大大会を筆頭にエースの働きをしています。
今年の都市対抗では結果を残せませんでしたが、粘り強くゲームを作れるのが持ち味です。
この3投手は大学時代に指名漏れを経験しており、その雪辱を晴らせるかという点も注目ポイントです。
明治大準硬式野球部から社会人でエースになった異色の経歴を持つ高島 泰都投手(王子・右右)、NPBでトレンドになりつつあるサイドハンド右腕の粂 直輝投手(東芝・右右)、プロアマ交流戦に選ばれ、U24ではMVPを獲得した権田 琉成投手(TDK・右右)、スピンの効いた直球で打者をねじ伏せる川船 龍星投手(日本通運・右右)、球の強さは左腕でも抜けている平元 銀次郎投手(日本通運・左左)といった選手も指名があるかもしれません。
スピードという観点で見ると古屋敷 匠眞(セガサミー・)と清水 力斗(日本通運・右右)の2人は社会人でもトップクラスの150キロを超えるスピードボールを投じます。
解禁済みの選手で要チェックなのはトヨタの都市対抗優勝に貢献した4選手。
森田 駿哉(Honda鈴鹿・左左)と嘉陽 宗一郎《かよう しゅういちろう》(トヨタ自動車・右右)の2投手は今年の都市対抗野球大会(以降都市対抗)にて活躍しトヨタ自動車を(森田投手は補強選手として)優勝に導きました。
森田投手は2試合に先発しENEOSとJR東日本という強豪2チーム相手にQSを達成しました。
トヨタのエース嘉陽投手はアマチュア球界No.1と言っても過言ではない存在でありここ最近の活躍は圧巻で、昨年の日本選手権ではMVP、今年の都市対抗では橋戸賞を獲得しています。
本人は社会人に残る意志が強いようですが、仮にプロに指名された場合はその活躍に注目が集まります。
他に関根 智輝投手(ENEOS・右右)、中﨑 響介投手(明治安田生命・右右)はリリーフとしての指名があるかもしれません。
独立リーグでは椎葉 剛投手(徳島インディゴソックス・右右)と大谷 輝龍投手(富山GRNサンダーバーズ・右右)は好投手が揃う今ドラフトでもトップクラスのスピードを誇り、共に最速159キロをマークしています。
野手
高校生
捕手
堀 柊那(報徳学園・右右)、鈴木 叶(常葉大菊川・右右)の2人はU18一次候補にも選ばれた世代屈指の強肩捕手です。
打撃の面でいえば寺地 隆成選手(明徳義塾・右左)が抜けているでしょう。
大学日本代表との壮行試合でも高いコンタクト能力を発揮しヒットを放ち、
U18では主に1番として世界一に貢献しました。キャッチャーだけでなくファーストやサードを守れるのも強みと言えます。
内野手(一塁、三塁)
残念ながら今年のドラフトにおいて野手では最大の目玉とも呼ぶべき超高校級スラッガー佐々木 麟太郎選手(花巻東・右左)はプロ志望届を提出せずアメリカに留学という決断になりました。
彼のプロ入りの楽しみは4年後にとっておくとして、佐々木選手以外にも今年は強打者が揃っています。
佐々木選手がいない場合に高校No.1スラッガーとして名前が挙がるのは真鍋 慧選手(広陵・右左)ではないでしょうか。
金本知憲氏(元広島・阪神)、佐野恵太選手(現DeNA)らを指導してきた中井哲之監督に歴代No.1と言わしめる素質の持ち主です。なんといっても特徴は圧巻のスイングスピードから繰り出される飛距離。神宮大会では2本のホームランを放ち2年連続の準優勝に貢献し春のセンバツ、夏の甲子園でもホームランはなかったものの規格外の当たりを放ち存在感を示しました。
U18日本代表候補選手強化合宿でも木製対応は抜群だったそうで、打撃でドラフト1位指名を狙えるでしょう。
ポジションは主に一塁を守りますが、巨体の割にスピードがあり肩も強いので外野を守っても面白いかもしれません。
左打者のトップが真鍋選手なら右では森田 大翔選手(履正社・右右)。
2年時は怪我で思うような活躍が出来なかったものの、新チームからレギュラーに定着すると夏は4番打者として3本のホームランを放ち大阪大会制覇に貢献、甲子園でも2本のホームランを放ち、U18では4番打者も務めました。
今年の高校生は一塁を守る選手が多い中でサードもこなせそうなポイントも良いでしょう。
彼らに続く打者となると左打者では佐倉 侠史朗選手(九州国際大付・右左)、小笠原 蒼選手(京都翔英・右左)、右打者では仲田 侑仁選手(沖縄尚学・右右)、明瀬 諒介選手(鹿児島城西・右右)らの名前が挙がるでしょう。いずれも大柄な体格でホームランを打てる、強打が持ち味の選手が揃っています。
内野手(二塁、遊撃)
今年の高校生No.1ショートとされるのが横山 聖哉選手(上田西・右左)。投手として最速149キロを記録する歴代でも屈指の強肩に捉えた時のパワーは圧巻です。
右打者では百﨑 蒼生選手(東海大熊本星翔・右右)でしょう。名門東海大相模から編入し最後の夏に1番打者としてチームを甲子園出場に導きました。
他の候補には山田 脩也選手(仙台育英・右右)、中澤 恒貴選手(八戸学院光星・右右)といった全国屈指の強打のショートが名を連ねます。
外野
去年の浅野選手のような目玉級の選手はいませんが、高野 颯太選手は大柄な体格から鋭い打球を飛ばし、「山陰の浅野」とも呼ばれています。
投手で紹介した武田選手は合宿では抜群の木製対応を見せたようで、むしろ野手としての評価が高いように感じます。二刀流をさせても面白いでしょう。
大学生
大学生野手について、投手に負けず劣らず各ポジションでチームの中心になれそうな選手がいます。
捕手
大学No.1捕手は進藤 勇也選手(上武大・右右)。
守備力はここ数年でもトップクラスとされ、早い握り替えから低く伸びる矢のような精度の高いスローイングに加えて日本代表クラスの投手相手にも安定したキャッチングやブロッキングといった技術を見せます。基本的な捕手能力のみならず投手への細かな声掛けや間合いの取り方、リードに関しても日本代表でバッテリーを組んだ投手から高い評価を受けています。守りならまずこの選手で間違いないでしょう。打撃も4年時は怪我明けで思うような結果を残せなったものの下級生のころからクリーンナップを任されており、捉えた時は凄まじい飛距離のホームランを放ちます。強豪上武大で3年時から主将を務めるキャプテンシーもあり、2008年以来の大卒捕手ドラ1に期待がかかります。
進藤選手以外ではフットワークとパンチ力が持ち味の友田 佑卓選手、高校時代も含めて多くの好投手をリードしてきており高校時代も含めて大学日本代表にも入るなど経験豊富な有馬 諒選手、全国大会でも結果を残している強肩強打の萩原義輝選手などいずれも日本代表候補に上がる好捕手揃いです。
内野手(一、三塁)
注目は下級生の頃から東京六大学を牽引してきた2人の強打者、上田 希由翔選手(明治大・右左)と廣瀨 隆太選手(慶應義塾大・右右)です。
上田選手は優れたバットコントロールでヒットを、廣瀨選手はパワーでファンの度肝を抜くホームランを量産してきました。2人とも大柄な体格ですが足も速く、特に上田選手は外野の間を割ると瞬く間に次の塁を陥れます。
名門東京六大学で主将を務めるキャプテンシーや下級生のころから大きな離脱もなく身体が丈夫なのも強みといってよいでしょう。
また廣瀨選手は対応力も兼ね備えており、上田選手も捉えた時の飛距離はすさまじく、リーグ戦や世界大会でセカンドや外野を守るユーティリティ性も持ち合わせています。
3年生で日本代表入り、4番に名を連ねることもある2人の強打者は記録で見ても飛び抜けた存在であり、上田選手は通算71打点で歴代7位タイ、廣瀨選手は通算19本塁打で歴代4位(どちらも10/19時点)と、東京六大学の歴史に残る打者であることをその数字が示しており、2人ともプロでチームの中心打者になれる可能性を秘めています。
他にコーナーのスラッガーで注目したいのが村田 怜音選手(皇學館大・右右)、佐藤 啓介選手(静岡大・右左)。
いずれも東海地区の大学生で全国では目立った実績はありませんが、リーグ戦では驚愕のアーチを量産しており名前を覚えておいて損はないでしょう。
内野手(二塁、遊撃)
今年の大学生でもNo.1ショートの呼び声が高いのは辻本 倫太郎選手(仙台大・右右)です。
最大の武器は俊敏なフットワークを活かした守備力でしょう。今年の選手権でも好プレーを連発し、大学日本代表のノックでもその動きの軽さは際立っていました。
打撃面を見てみると日本代表クラスの速球にも振りまけないパンチ力があり、全国大会ではここぞの場面で値千金の一打を放つなど勝負強さも兼ね備えています。
3,4年時に日本代表に選出された際にはセカンドやサードも守っており、ショートに限らない幅広い活躍も期待できます。
内野守備では指示、声掛けなども欠かさず、野球の技術だけでなく天性の明るさもあり、まさに内野の核となれるスペシャルな選手と言ってよいでしょう。
プロでショートに残れるかは分かりませんが、松浦 佑星選手(日本体育大・右左)はスピード、熊田 任洋選手(早稲田大・右左)はパンチ力とユーティリティ性、石上 泰輝選手(東洋大・右左)はその両方を併せ持つ好選手です。
外野手
今年の大学生でNo.1となるのは宮崎 一樹選手(山梨学院大・右右)でしょう。特徴はどれを取っても日本代表トップクラスの身体能力。日本代表合宿で行われた二度の50m走でトップを計測したスピード、フリーバッティングで軽々と外野に飛ばすパワー、定位置から三塁も本塁もノーバウンド送球が狙える肩の強さなど、練習を見るとそのすごさがより分かる選手です。
リーグ戦では3年生の秋に打率.600 6本塁打という圧巻の数字を残しています。中央球界の投手に対して目立った実績がないという点が懸念材料ではありますが、抜群の素材に間違いありません。
他に名前が挙がるのが中島 大輔選手(青山学院大・右左)。
東都大学リーグでコンスタントに成績を残す走攻守三拍子揃った外野手で大学選手権と日米野球の両方でキャプテンとしてチームを優勝に導きました。
他に東都大学リーグでリードオフマンを担う西村 進之介選手(専修大・右左)、橋本 吏功選手(東洋大・右右)の2選手は安定したセンターの守備とパンチ力が持ち味です。
他に地方では関甲新リーグのシーズン盗塁記録を塗り替えたスピードスター福島 圭音選手(白鷗大・右左)や、投手として最速153キロの強肩にスピードとパワーを併せ持つ二刀流田中 大聖(太成学院大・右左)などがいます。
社会人・独立
捕手
ここ数年指名のない社会人の捕手、理由はポジションの特性上企業チームが指名OKを出しづらいなど考えられますが指名の可能性があるとしたら城野 達哉選手(西濃運輸・右左)、久保田 拓真選手(パナソニック・右右)、南木 寿也選手(JR北海道・右右)あたりでしょうか。
城野選手、南木選手は昨年のU23W杯で世界一も経験した好捕手、久保田選手は大柄な体格の強打の捕手です。
内野手(一、三塁)
指名がありそうなのは山城 響選手(JFE東日本・右左) 。大学時代は主にセカンドを守っていましたが、所属チームではサードや外野もこなします。今年の都市対抗では日本製鉄かずさマジックの1試合2発の離れ業をやってのけました。
内野手(二塁、遊撃)
二遊間で紹介したいのは4選手。大卒社会人では泉口 友汰選手(NTT西日本・右左)、武田 登生選手(日本新薬・右左)、共に社会人1年目から近畿地区の社会人でショートのレギュラーを担う選手で泉口選手は昨年のプロアマ交流戦にも選ばれました。
武田選手は今年の都市対抗でパナソニックの補強選手として出場するとセカンドのポジションでも高い守備能力を発揮しました。
高卒社会人ではこの2人、相羽 寛太選手(ヤマハ・右右)、津田 啓史選手(三菱重工East・右右)です。
相羽選手は無駄のない動きに抜群のボディバランスを兼ね備えた守備が特徴す。打撃に関しては逆方向にも長打を打てるのが持ち味でU23W杯では4番も務めました。
津田選手はフットワークを活かした軽快な守備とパンチ力のある打撃がウリの選手です。2人とも高卒社会人であり若いため将来的な伸びしろも秘めています。
社会人の打者で最も注目度が高く、高卒社会人では福留孝介(元中日・阪神)以来の大物との声もあるのが度会 隆輝選手(ENEOS・右左)。
横浜高校時代から定評のあった高いバットコントロール技術にパワーがついてきて社会人屈指の強打者となった選手です。
成績を見ると四球が少なめではありますが、それも超積極打法ゆえのものでありボールの見極めがしっかりできる印象です。
チームでは両翼を守っていますが高校時代はセカンド、サードの経験がありそちらを守らせてみるのも面白いかもしれません。
社会人2年目となる昨年の都市対抗では打率.429(21-9) 4本 11打点の活躍でENEOSを優勝に導き、橋戸賞、打撃賞、若獅子賞の三冠を受賞しました。
今年の都市対抗では目立った数字を残せませんでしたが、今年のドラフトにおいて注目の打者であることに疑いの余地はありません。
打力もさることながらヒーローインタビューや試合中に見せる笑顔から伺える天真爛漫なキャラクターも彼の長所の一つであり、チームをガラッと変える可能性を秘めた選手です。
他の候補というと両翼なら昨年の二大大会でホームランを放った若林 将平選手(日本新薬・右右)、センターなら昨年の都市対抗で若獅子賞を受賞した山内 慧選手(JR東日本・右右)あたりでしょうか。
解禁済みではありますが社会人チームがOKし、本人がプロ志望した場合に強打のショート添田 真海選手(日本通運・右左)、左のスラッガー三井 健右選手(大阪ガス・右左)も指名があるかもしれません。
独立では伊藤 琉偉選手(新潟アルビレックス・右右)がショートとして、井上 絢登選手(徳島インディゴソックス・右左)が左のスラッガー候補として注目されています。
今年のドラフト候補は豊作と言われており、他にも色んな選手がいるので興味を持った方は様々な媒体で候補を探してみるのも面白いでしょう。では補強ポイント分析編に続きます。
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