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怠けものと判断する前に

自分が怠け者だと思っている方は、どれくらいいるでしょう。

では、怠け者の定義とは一体何でしょう?

何をしない(またはする)と、怠けものに入るのでしょう。

この定義というか「怠けもの」になる基準が、人によって全然違うのです。

完全に主観的なもの。

劇作家であるベン・ジョンソンが「怠けていると退屈してくる。それは結局、他人が忙しく仕事をしているために、仲間がいなくなるからである。」と語っており、忙しい、退屈、時間が早く感じる、遅く感じるなど、いまの時間に対する感じ方は状態によって違ってくることも参考になります。

時間の流れをどのように感じているのか、そこを自分の充実度の目安にして、望ましい時間の感じ方ができるよう、行動も変化させてみてください。

人から怠けものだと思われたくなくて、無理に肩に力をいれて、無駄にがむしゃらになるのもなんだか違う気がします。

それから、あなたの周りに対しての怠けものの基準とは?

人に対して、「この人はただ怠けている」と思うことは、どれくらいの頻度であるでしょうか?

やることをやっていないとか、ちゃんとしていないと怠けものであるとか意志が弱いから、と簡単に片付けてしまことが多いのですが、それは違います。

そうやって片付けてしまうと、根本的な解決につながりません。

ここで気をつけたい点は、例えば、決めつけは視野を狭くし、仕事の実態を隠してしまう点。

そんな話が、仕事には山ほどあります。

だからみんな、そのいわゆる「なまけもの状態」を繰り返すのです。

わかりやすい例でいくと、うつになるのは意志が弱いから、なんていう説が、今は全く受け入れられていないことは、よく知られていますよね。

それと似ています。

意志とかとか、そんなことじゃないのです。

私は、よく突き詰めて考えてみれば、「怠けもの」はいないはず、と考えています。

「何の心配もない世界でストレスもひずみもない生活を想像するのは心楽しいことかもしれないが、これは怠け者の夢にすぎない。」ルネ・デュボス(微生物学者)

成長し目標に向かう過程を、苦しいものと考えるか、期待と可能性があると考えるかどう感じるかによって、やる気も違ってくるし、苦しいことや心配事は、自分を成長させてくれる源になっていると考えてみれば、過程と成長を楽しめるようになってきます。

「現状のままで化石のように固まっていいのなら、怠け心に調子を合わせていれば事足りる。」ヘンリー・フォード(フォード・モーター創業者)

そのスピードは個人の考え方次第だけど、すべての物事や環境が進歩していく中、何もしなければ現状維持すら難しいので、少しずつでもいいから前に進んでいきたいですよね。

常に前向きに進むことを考えていかなくては、じっとしていては後退してしまうから。

この様に、視点を変えて見てみると、やるべきことをやっていないとかやろうと思っていることがなかなかできないのは別に理由があるはずです。

こちらをしっかり掘り起こしていくと、単純な怠けだとか意志が弱いということにはなりません。

たとえば、本当に本当にやる必要があると自覚していない。

本当はやりたいと思っていない、とか。

「やらなくては」と「やりたくない」という相反する感情が一緒に存在していると、強い感情のほうが必ず勝ちます。

それからよくあるのが、自分が良い結果を手に入れる価値がある、と意識していない。

これも、自分に対する愛情のお話なので、ときにクセものです。

だいたい、これをやらなくては死ぬ!というようなものならきっとやっているはず。

また、この結果が手に入らないと私は本当に困る!と思えば、いやでもやるようになっていて、怠けるとか意志とか、関係なくなっています。

注意したいのは、何かをやっていない自分に対して、私は怠けてる・意志が弱いから、の表面的なことで片付けないこと。

もっと、その奥をじっくりのぞいてみていただきたいのです。

何かを怠けているとしたら、怠けるメリットが必ずあるはず。

ここをチェックしないといつまでもそのまま、または一時的には意志の力でなんとかなっても、もとに戻ります。

ところで、自分に怠けものというラベルを貼ると何が起こるでしょう。

大体の場合ここに悪循環があって、極端なお話、「私は怠けもので、努力していないから、まだまだ成功してはいけない、幸せになってはいけない」なんていう気持ちになったりしないでしょうか。

これが自分を制限する足かせとなり、さらに何もしなくなる、という悪循環。

だって、成功してはいけないなら、何も行動しないのが近道ですし。

怠けものだからということで、何もしないいい訳にもしているのかもしれません。

また何もしていない自分に対して罪悪感なども出てきそうだし、自信喪失にもつながりそうです。

自分が怠けものだ、あの人は怠けものだ、と判断する前に、もう一歩踏み込んでみると、違うものも見えてきます。

あなたの「怠けている」裏には、何があるのでしょう?

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