【エネルギーの「これまで」と「これから」】スマホを動かす電気ってどこからきているんだろう?
普段の日常に、かかせない電気。
みなさんの周りにあるもので、電気を使わないものはありますか?
多少なりともあるかとは思いますが。
仕事から家に帰ってくる間の道の電気や信号。
家でご飯を食べる際に使う家電。
それら含めて、私達の身の回りには、電気を使うものがたくさんあります。
現現代社会で、必要不可欠な電気ですが・・・
もしも、いきなり電気が一切使えなくなったら、みなさんはどうしますか?
スマホを動かす電気ってどこからきているんだろう?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/first_learn_denki_dokokara.html
電気がなければ、照明や冷蔵庫、エアコンなどの家電が使えなくなり、生活に多くの不便が生じます。
例えば、電気がなければ困ることは、次のとおりです。
・冷蔵庫が停止するため、食品が腐る。
・照明が使えないため、暗くなってから仕事や勉強ができない。
・エアコンや扇風機が使えないため、暑い日に熱中症になるおそれがある。
・暖房機器の燃料が灯油やガスだったとしても、使用時に電気を必要とするものがあり、使えなくなる。
・トイレが流せない。
・水が出なくなる。
・医療機器が稼働しない。
・エレベーターが動かない。
・スマホやノートパソコンが使えないため、外部からの情報収集ができない。
万が一に備える目的で、停電に備えるには、懐中電灯や携帯ラジオ、乾電池やモバイルバッテリー、食べ物や飲料水、カセットコンロ、薬や衛生管理品、防寒着や着替えなどを用意して、また、ポータブル電源を用意しておくとよいと思います。
■いきなり電気が使えなくなった場合を想定してみると・・・
元々、
「電気がなかった場合」
と、
「いきなり電気が突如消えた場合」
で、状況は変わります。
ここでは、
「電気が突然無くなってしまった場合」
において、私達の家庭生活は、どのように変わるのか考えてみたいと思います。
▶電気がいきなりなくなった場合
直ぐに思い浮かぶのは、照明等が全部使えなくなるという事でしょうか。
照明が使えなくなるということは、イメージ的に、
「停電」
が思い浮かびませんか?
「停電」
から連想すると、夜遅い時間に、いきなり電気が消えて、部屋が、真っ暗になってしまいますよね。
照明だけではなく、テレビも使えなくなってしまうため、外部からの情報が、遮断されます。
「スマホやPCがあるから大丈夫!」
と思う方もいますが、ここでは、
「電気がいきなり消えてしまう」
ことを仮定しているので、
「スマホ」
も
「PC」
も使うことができない前提です。
「充電されているものや、まだ、残っている乾電池等は、まだ使える。」
状況であれば、充電が残っているうちに、情報収集をすると思われますが、徐々に、充電がなくなるので、どのみちスマホやPC等は、使えなくなってしまいます。
そして、一番大事なのは、
「季節」
です。
もしも、真冬の中で、電気が使えなくなってしまった場合、暖気を取ることができなくなってしまう家庭が、多いのではないでしょうか。
石油ストーブなどがあれば問題はありませんが、エアコンやファンヒーター等を使っている家庭だと、寒くて、冬を越すことができなくなるかもしれません。
なんとか、暖気を獲得したとしても、困ることは、他にも、多々あります。
その困りごとの大きな問題のひとつが、
「食品管理」
です。
電気がなくなると言うことは、
「冷蔵庫」
が、冷えなくなってしまい、
「食品」
が、腐ってしまう問題に対処する必要があります。
冬であれば、なんとか腐るまで時間がありますが、それでも、限界はあります。
その他ですと、
「トイレ」
です。
最近の
「トイレ」
では、電気を利用して、水を流すタイプのものも多くあるため、そのタイプを使っている家庭では、
「トイレ」
を使えなくなってしまいます。
このように、電気がいきなりなくなってしまうと、どうしても生活するのに困りますね。
■関連記事
■参考記事
知っておきたい天然ガスの基礎知識。
~LNG、パイプライン、水素製造…… 天然ガスの利用可能性~
https://www.jogmec.go.jp/publish/plus_vol04.html
なぜ、日本は石炭火力発電の活用をつづけているのか?~2030年度のエネルギーミックスとCO2削減を達成するための取り組み
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_sekitankaryoku_2024.html
日本のエネルギー自給率は1割ってホント?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/first_learn_energy_self_sufficiency.html
■化石エネルギー
■自由研究
▶もし1日電気が使えなかったら?
▶炭電池をつくろう〜SDGsについても考えよう〜
■発電方法別のメリット・デメリットを比べてみよう
■実現できる? カーボンニュートラル
第1回 エネルギー問題はいつも複雑
第2回 二酸化炭素の排出量を減らす
第3回 二酸化炭素の回収と貯留
第4回 自然エネルギーの現状
第5回 カーボン循環の構想
第6回 原子力発電を受け入れるかどうか
■天然ガス発電のメリットとデメリット
天然ガス発電のメリットには、環境への負荷が小さいことや安定供給が可能なことが挙げられます。
一方、デメリットには、調達の柔軟性が低く、輸送や貯蔵にコストがかかることが挙げられます。
【メリット】
①燃焼時に排出される二酸化炭素や窒素酸化物が他の化石燃料よりも少ない。
②硫黄酸化物やばいじんが発生しない。
③安定供給が可能な。
④効率的な発電・輸送・貯蔵が可能。
【デメリット】
①調達の柔軟性が低い。
②貯蔵に手間がかかり、基本的に長期契約である。
③価格が不安定である。
④輸送・貯蔵・安全管理にコストがかかる。
⑤一定量のCO2を排出する。
⑥供給は輸入に頼っている。
⑦天然ガスを採掘した際にはメタンガスが漏れ出す可能性がある。
■みんなで考えよう、エネルギーのこれから
まずは、こんな動画を見て頂けますか?
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(30秒Ver.)
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~アニメ版~
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~知っていますか?~
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~あたりまえじゃないんです~
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~コスト編~
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~安定供給編~
みんなで考えよう、エネルギーのこれから(エネこれ)~環境性編~
■テクノ雑学
第189回 水の力で電気を貯める、揚水発電の仕組み
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/189
第185回 化石燃料活用には欠かせない、CCS技術
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/185
第183回 進化する石炭火力発電 〜環境にやさしいIGCC、IGFC〜
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/183
第173回 地下の熱を「汲み上げる」 地熱発電の仕組み
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/173
第167回 待機電力が発生する仕組みとは?
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/167
第164回 ガスタービンとは?燃料に石油要らず、発電効率も高い火力発電
https://www.tdk.com/ja/tech-mag/knowledge/164
■日本が抱えているエネルギー問題
2023―日本が抱えているエネルギー問題(前編)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2023_1.html
2023―日本が抱えているエネルギー問題(中編)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2023_2.html
2023―日本が抱えているエネルギー問題(後編)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyissue2023_3.html
■エネルギー白書
エネルギーに関するさまざまな動きの今がわかる!「エネルギー白書2024」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energyhakusho2024.html
■CCS技術
日本でも事業化へ動き出した「CCS」技術(前編)〜世界中で加速するCCS事業への取り組み
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_law_01.html
日本でも事業化へ動き出した「CCS」技術(後編)〜「CCS事業法」とは?
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_law_02.html
■エネルギー源としての核融合は本当に実現可能なのか?
「「夢のエネルギー」核融合の最終解答」アーサー・タレル(著)田沢恭子(訳)横山達也(監修)
▶核融合発電とは
核融合は、
「地上の太陽」
とも言われており、莫大でクリーンなエネルギーを生み出すことができます。
▶核融合の仕組み
質量の小さな原子の原子核同士が融合して、別の少し大きな原子核となることを、
「核融合反応」
と言います。
核融合反応が起こると、膨大なエネルギーが発生します。
この核融合反応を、人工的に起こして、そこで発生したエネルギーを、利用する研究が、進められています。
▶核融合エネルギーで発電するメリット
核融合エネルギーの利用方法として、主に検討されているのが発電です。
核融合発電には、4つのメリットがあります。
①燃料資源が豊富:海水から燃料を採取できる
②環境にやさしい:二酸化炭素が発生しない
③安全性が高い:暴走や爆発の心配がない
読ん発電効率が良い:燃料1gが石油8tに相当する
これらのメリットから核融合発電は、持続可能な社会に調和する究極のエネルギー供給方法と考えられています。
▶原子力発電との違い
同じく
「核」
を利用した発電方法として、原子力発電があります。
核融合発電が、
「核融合反応」
を発生させるのに対し、原子力発電では、
「核分裂反応」
を発生させる点が大きく異なります。
「核分裂発電」
では、使用済み燃料の再処理にともなって、高レベル放射性廃棄物が発生します。
一方、
「核融合発電」
では、高い放射能レベルを有する使用済み燃料が、そもそも発生しません。
▶核融合発電実用化にあたっての課題
さまざまなメリットがある核融合発電ですが、今のところ実用化には至っていません。
①巨額のコストが必要
核融合発電では、発電施設の建設に巨額なコストがかかります。
現在フランスに建設中の国際熱核融合実験炉(ITER)は、総建設費が、3兆円近くにも上り、日本は、その約1割を負担することとなっています。
ITERは、あくまで実験炉であり、その後原型炉(実際に発電ができるかテストするための炉)や商業炉を建設するには、また、別途費用が必要です。
日本は、毎年、200億円を、核融合の推進に支出していますが、その費用対効果も検証する必要があります。
②技術的なハードルの高さ
核融合発電においては、高度な技術的問題が、多数存在します。
1)かつてない強磁場・大型の伝導コイルが必要
2)超低温と1億℃を共存させなければいけない
3)プラズマを浮かしながら燃やし続けなければいけない
4)燃料を閉じ込めつつ排気は取り出す必要がある
5)ロケットノズル並みの熱処理が必要
主なものだけでも、これだけの課題があり、これらを同時にクリアすることは、最新の材料や技術を駆使しても、難易度が高いものとなっています。
■「もしも」の話が現実になってしまう未来
実際に、今すぐに、
「電気」
がなくなることはありません。
また、徐々に、電気がなくなっていくとしたら、その他のエネルギーで、現代に近づく環境を、整えることができるのが、現代科学です。
しかし、各家庭が、
「電気」
を使いすぎて、色んな場所へ、電気を供給できなくなってしまうことはあります。
それだけ、
「電気」
というのは大切なものであり、
「電気」
を利用しているみなさんの
「節電の協力」
が必要になります。
「電気」
は、無限ではありません。
また、
「発電」
に必要な
「資源(石炭・天然ガス 等)」
は、使えば使う程、少なくなっていきます。
「無限」
にあるわけではない
「資源」
を、
「世界中」
で、使い続けるということは、いつの日か、
「資源」
を、使いきってしまうことに繋がっていきます。
今の生活に慣れている私達が、いきなり電気のない世界になってしまったら、生きていくのにも、一苦労だと推定できませんか。
それほど、今の日本は、
「電気」
で動くものや、利用するもので、溢れかえっています。
普段から、特に何も気にせずに使っている
「電気」
は、私達にとって、生活を豊かにするものだと思うだけでも、今まで、見た世界とは、また、違って見えるかもしれません。
「電気」
は、
「無限ではない」
ので、できる限り、大事に使うようにしていきたいですね(^^)/
■参考図書
「電力危機 私たちはいつまで高い電気代を払い続けるのか?」(星海社 e-SHINSHO)宇佐美典也(著)
「エネルギーをめぐる旅 文明の歴史と私たちの未来」古舘恒介(著)
「新時代の電力システム そのグランドデザインを考える」関根泰次(編著)松田道男/鈴木浩/大来雄二(著)
「新しい世界の資源地図 エネルギー・気候変動・国家の衝突」ダニエル・ヤーギン(著)黒輪篤嗣(訳)
「世界資源エネルギー入門 主要国の基本戦略と未来地図」平田竹男(著)
「エネルギー400年史 薪から石炭、石油、原子力、再生可能エネルギーまで」リチャード・ローズ(著)秋山勝(訳)
「小さいエネルギーで暮らすコツ 太陽光・水力・薪&炭で、電気も熱も自分でつくる」農文協(編)
「グリッドで理解する電力システム」岡本浩(著)