【LAWドキュメント72時間】たしかにそこにある形なきもの
「言葉と歩く日記」(岩波新書)多和田葉子(著)
どう捉えるか。
人それぞれだろうけれど。
たぶん。
ことば・コトバ・言葉・辞・詞には時間の流れがある。
「うっとり」
BGM「ロマンチックなクラシック」
時間を止める作用。
永続させる作用。
それらが同時に起こる。
そこに入った途端に。
違う空間に移動する。
日常における。
思いがけない。
思いも寄らない。
予想外の。
そんな瞬間が好きだ。
誰かと話す。
何かを書く。
文字を読む。
「言葉」は。
いつも。
そばに。
日常に。
ある。
そんな日常は。
話せば話すほど。
相手や対象によって。
余分なものが加えられて。
言葉が流れていく。
「エクソフォニー 母語の外へ出る旅」(岩波現代文庫)多和田葉子(著)
というようなことが起こる。
つまり、どんどん
「本質」
からは、ずれていく。
同じ、絵画を、彫刻を、観ているはずなのに・・・
実は、同じテーマを与えられた、まったく、別の絵画、彫刻を観ているようなもの。
いつまでたっても、言葉は滑っていく。
流してしまえるのなら、まだよい方で・・・
恐ろしいのは(^^;
どんどん、どんどん、加えられているにもかかわらず・・・
比例するように・・・
どんどん、どんどん、自分が閉じていくこと・・・
目の前にある絵の具で。
同じテーマの絵を描かせようとさせられるような・・・・
自分が何を描きたいのかまで、失われてしまう・・・
空恐ろしい。
日常に早変わりする場面も多い(^^;
だけど。
逆に。
彫れば掘るほど
描けば描くほど。
話せば話すほど。
書けば書くほど。
読めば読むほど。
くっきりと大切なものだけ残る。
余分なものが削ぎ落とされ。
明瞭になってくる。
さて、きょうは何を変えてやろうか、みたいな。
「地球にちりばめられて」(講談社文庫)多和田葉子(著)
帰るためには、ひとつの方向からでは不可能だ。
ひとつの物事の周りを、くるくると回ら(俯瞰し)なくてはならない。
見る⇒観る⇒視る道具も、研ぐ(試行⇒思考する)必要があるし、自分には無い技術を、人から学んだり、教わったりすることも大切。
自分の見えているものが、本当なのかどうなのか、疑ってみたりもする。
いちど、じぶんを、からっぽにしてみては、どうだろう。
「星に仄めかされて」(講談社文庫)多和田葉子(著)
誰かの道具を取り入れること。
それは、わたしの道具を、失うことではない。
むしろ、わたしの可能性を、無限大に、且つ、明瞭にしてくれる。
北風と太陽じゃ・・・
北風がいけないのでしょうか。
だいじなことを、冬の空の下で、考えてみる。
氷が、どんどん削られていくのは・・・
わたし自身が、どんどん、どんどん、開いていくような感覚なのと思う。
確かに、そこにある
「カタチナキモノ」
を捉えていく。
この捉えられそうで。
捉えられない。
もしかしたら・・・
はっきりと、捉える必要のない、曖昧なものに向き合う時。
わたしは
ペンを握る
その手のぬくもりも
伝えられるように
手書きの文字
それは
手づくりの文字だから
言葉が、わたしの手を引いた。
「言葉の展望台」三木那由他(著)
この甘やかな作業に虜になる。
そんな時間に・・・
わたしは、
「うっとり」
と、我を忘れるのだ。
ぽかぽかの
・
・
・
冬にしようよ(^^♪
「ワンルームから宇宙をのぞく」久保勇貴(著)
【うっとり】
辞書を引くと、
①快さに浸ってわれを忘れるさま。恍惚(こうこつ)とするさま。 「 -(と)音楽にききほれる」 「 -(と)した表情」
②茫然(ぼうぜん)とするさま。 「別れのつらさに-と,気抜けのごとく/浄瑠璃・寿の門松」
③気を失うさま。朦朧(もうろう)。 「 -として路傍に昏睡し/万国奇談 輔清」
“三省堂 大辞林”
とある。