【書きたいテーマを探してみよう(読書編)】推薦図書
「ことばあそびうた」(日本傑作絵本シリーズ)谷川俊太郎(著)瀬川康男(イラスト)
「ことばあそびうた・また」(日本傑作絵本シリーズ)谷川俊太郎(著)瀬川康男(イラスト)
■発見(気づき)
『ことばあそびうた』『ことばあそびうたまた』は、
詩人の故・谷川俊太郎さんが生み出したリズミカルな歌の数々が、瀬川康男さんのユーモラスで味のある絵と響きあい、独特な世界が広がる1冊です。
一緒に声に出して読んでみたり。
絵と一緒にじっくり味わったり。
いろいろな楽しみ方ができるのが魅力ですね(^^)
早口言葉。
かぞえ歌。
替え歌。
だじゃれ
・
・
・
今も昔も、子どもたちは、いや大人たちでさえ、
「ことば」
を使って遊ぶのが大好き(^^♪
自分自身、子どものころにくりかえし口ずさんでいた早口言葉やかぞえ歌は、今でも覚えているほどです。
■問題提起
『やんま』
やんまにがした/ぐんまのとんま/さんまをやいて/あんまとたべた
まんまとにげた/ぐんまのやんま/たんまもいわず/あさまのかなた
絵本『ことばあそびうた』にある、この「ひらがな」詩、『やんま』は、七音の繰り返しが特徴の
「七七調」
となっていて、漢字ではなく、ひらがな表記のために、ある意味で、ひらがなの音の響き、この七音の繰り返しリズムだけを、純粋に楽しめたりします(^^♪
この
「七七調」
には、ことわざの
「色の白いは/七難隠す」
「瓜の蔓に/茄子は成らぬ」
や、交通標語の
「飲んだら乗るな/乗るなら飲むな」
「いのち落とすな/スピード落とせ」
などがあって面白いですよね(^^)
また、絵本『ことばあそびうた』にある「ひらがな」詩、『き』も、とても楽しい
「七七調」
ですね(^^♪
『き』
なんのきこのき/このきはひのき/りんきにせんき/きでやむあにき
なんのきそのき/そのきはみずき/たんきはそんき/あしたはてんき
なんのきあのき/あのきはたぬき/ばけそこなって/あおいきといき
そして、絵本『ことばあそびうた』にある
「さる」
さるさらう /さるさらさらう /さるざるさらう /さるささらさらう /さるさらささらう /さらざるささらさらささらって /さるさらりさる /さるさらば
詩の
「ひらがな」
に、漢字をあてはめて考えてみると面白くて、五味太郎さんの
「さる・るるる」
さる・くる /さる・みる /さる・ける /さる・とる /さる・うる
さる・やる さる・える /さる・のる /さる・せる /さる・おる
/さる・ぬる /さる・はる /さる・つる /さる・ねる
であれば、
「さる」
の動作に、漢字をあてはめて考えてみると、更に、ひらがなの面白さが堪能できるかも(^^♪
そして、こんな合唱曲にもなったりしているので、お時間有れば聴いてみてください♪
かっぱ(谷川俊太郎 詩/新実徳英 作曲)- 男声合唱とピアノのための《ことばあそびうたⅡ》- 関西学院グリークラブ
うとてとこ(谷川俊太郎 詩/新実徳英 作曲)- 男声合唱とピアノのための《ことばあそびうたⅡ》- 関西学院グリークラブ
たそがれ(谷川俊太郎 詩/新実徳英 作曲)- 男声合唱とピアノのための《ことばあそびうたⅡ》- 関西学院グリークラブ
さる(谷川俊太郎 詩/新実徳英 作曲)- 男声合唱とピアノのための《ことばあそびうたⅡ》- 関西学院グリークラブ
■教訓
私たち、大人は、普段、ひらがなの文章や詩を目で追いながら、ところどころ漢字を当てながら読むことが可能です。
だから、文章や詩の意味も、わかる(分かる/解る/判る)ことが可能です。
■参考資料
■結論
言葉遊びとは、言葉のリズムや音の響きを楽しんだり、言葉を使って連想させたりする遊びです。
学術用語では、
「言語遊戯」
とも呼ばれます。
言葉遊びには、次のようなものがあります。
・しりとり
・なぞなぞゲーム
・伝言ゲーム
・ことばつなぎ
・ぽかぽか言葉
・ちくちく言葉
・語呂合わせ
・ぎなた読み
・ことわざパロディー
・たほいや
・つみあげうた
・倒語
・どちらにしようかな
・なぞかけ
・もじり句
・アナグラム
・アンビグラム
・ダズンズ
・バクロニム
・ハナモゲラ
・パングラム
・回文
・たいこめ
・空耳
・見立て
・山号寺号
・折句
・あいうえお作文
・縦読み
・早口言葉
・ルー語
・対義語
・英語の言葉遊び(ピッグ・ラテンやチャック・ノリス・ファクト)
言葉遊びを行うことで、語彙力や表現力を養うことができます。
また、幼児期から言葉遊びを行うことで、コミュニケーション能力や思考力を身に着けることにも役立つそうです。
言葉遊びの類義語には、次のようなものがあります。
・洒落
・駄洒落
・地口
・冗談
・掛詞
・諧謔
・入れ詞
・無理問答
また、言葉遊びをテーマにした絵本やボードゲームもあります。
・石津ちひろ&高畠純の ことばあそび絵本
・ボブジテン
・カタカナーシ
・熟語トランプ
・ワードバスケット
・じゃれ本
・五色百人一首
・はぁって言うゲーム
・あべべこべべ
■コメント
ルーマニア出身の思想家、エミール・シオランは、
「私たちはある国に住むのではない。
ある国語に住むのだ。
祖国とは国語だ。
それ以外の何ものでもない(英語訳One does not inhabit a country; one inhabits a language. That is our country, our fatherland — and no other.)」
と言っていましたね。
シオランがいう
「ある国」
とは、私たちにとっては、日本の
「国土(country)」
であり、また、
「ある国語」
とは、
「日本語(Japanese language)」
のことです。
これらは、先祖代々、現在に至るまで、そのことば(日本語という国語)によって、紡がれてきた言語的・文化的な揺り籠(枠組み)が
「祖国(our fatherland)」
だということになると考えられています。
もちろん、日本の
「国語」
といえば、
「漢字かな交じり(漢字+ひらがな+カタカナ)」
文である
「日本語」
をさすのですが、出版ジャーナリストである原山建郎さんは、まあるく・やわらかい日本語である
「ひらがな」
のリズムで、日本字は息をしており、
「胎児の時代に胎内で聴いた話しことば、「ひらがな」のオノマトペで伝わる母語(人生で初めて出会ったことば=mother tongue)としての〈やまとことば〉こそが、本当の意味での原初の「国語(national language)」であり、その場所(母胎)とは、シオランがいう「祖国(fatherland)」ではなく、「母国(生まれたところ=mother country)という表現のほうが似つかわしい」
という話をしておられました。
■参考記事
■参考文献
坂野信彦「七五調の謎をとく」慶大卒・元中京大学教授
別宮貞徳「日本語のリズム」英文学者・元上智大教授
河出書房「定型の魔力」
鴨下信一「日本語の呼吸」
松下緑「七五調で味わう人生の漢詩」
松下緑「漢詩七五訳に遊ぶ 「サヨナラ」ダケガ人生カ」
谷口幸璽「「節談」はよみがえる やはり説教は七五調」
高柳蕗子「七五調で詠む日本語 はじめちょろちょろ なかぱっぱ」
中村博「大阪弁七七調 徒然草」