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【1秒の世界】内面に注意を向けるだけで心身が整う

Takahiro Sakaiさん撮影

現代社会では、

「絶え間なく流れる情報の洪水」

の中で、生きることを、余儀なくされています。

だからこそ、いかに

「情報を整理」

し、

「心身の健康を保つ」

かは、多くの人々にとって、切実な課題となっています。


この課題に、適切に対処するための有効な手段として、注目を集めているのが、

「マインドフルネス瞑想」

や、日本文化の

「道」

である茶道・華道・書道・剣道・弓道等の

「稽古」

です。


「稽古」

は、

「AI」

が持っていない

「身体」

「感性」

を活かして、

「高度な知性を発展させる方法」

であり、今、むしろ

「最先端」

な行為です。


また、神経科学や心理生理学から、

「意識的に注意を向ける方向を変える」

ことが、自律神経系の機能に影響を与え、ひいては、全身の生理的状態を調整することが、確認されています。

リラックスするために、スマホで動画やドラマを観る人が多いと思いますが、

「外側の情報」

に注意を向け続けることになるので、実際には、頭がスッキリしないのは、このような理由です。


さて、この

「意識的に注意を向ける方向を変える」

観点から、意識を、自然に向けてみると、

「自然界」

には、

「放置」

していると、

「無秩序」

になるという、法則があります。


「打ち水」

という行為は、この

「自然の傾向」

に対して、

「意識的」

「秩序を取り戻す試み」

とも、解釈できます。


物理的に、環境を清浄にし、視覚的にも、すっきりとさせることで、私たちの内面も、同時に、整理されていくそうです。

これは、外界と内面が、密接に、情報レベルで、結びついているという、東洋的な世界観とも、一致していますよね。


この

「打ち水の効果」

は、五感を通じて、体験できることを、ご存じでしょうか。


具体的には、打ち水をする際の

・水しぶきの音

・湿った土の香り

・涼やかな空気の感触

等、五感を通じて得られる感覚が、

・視覚:水が地面に染みこむ様子を見る

・嗅覚:湿った土の香りを嗅ぐ

・聴覚:水しぶきの音を聴く

・触覚:水滴や涼しい空気を肌で感じる

私たちの脳内で、

「快適さ」

「清浄さ」

という情報に変換されます。


この情報処理過程を通じて、

「心身のバランス」

が整えられていくのです。


現代の神経科学の知見からも、

「カンデル神経科学 第2版」宮下保司(監修)Eric R. Kandel/John D.Koester/Sarah H. Mack/Steven A. Siegelbaum(編)岡野栄之神谷之康/合田裕紀子/加藤総夫/藤田一郎/伊佐 正/定藤規弘/大隅典子/井ノ口馨/笠井清登(訳)

「計算論的神経科学 脳の運動制御・感覚処理機構の理論的理解へ」田中宏和(著)

「改訂版 もっとよくわかる!脳神経科学〜やっぱり脳はとってもスゴイのだ!」(実験医学別冊 もっとよくわかる!シリーズ)工藤佳久(著)

「カラー版 ベアー コノーズ パラディーソ 神経科学 脳の探求 改訂版」マーク・F・ベアー/バリー・W・コノーズ/マイケル・A・パラディーソ(著)藤井聡(監訳)

「連合野ハンドブック 完全版 神経科学×神経心理学で理解する大脳機能局在」河村満(編)

「脳神経科学がわかる、好きになる」櫻井武(著)

環境からの刺激が脳内の神経回路を活性化し、ストレス軽減やリラックス効果をもたらすことがわかっています。

打ち水のような伝統的習慣は、このような

「科学的メカニズム」

を、経験的に、活用してきたと、いえるでしょうね。


さらに、打ち水という行為自体が持つ、儀式的な側面も重要なんだとか。

「決まった作法」

「道具を用いて行うこの行為」

は、日常から、一歩離れた、特別な時間と空間を、創出してくれます。

この

「非日常」

が、

「心身をリセット」

してくれて、新たな気持ちで、日常に戻る準備を整えてくれます。

このように、日本文化に組み込まれたさまざまな

「習慣」

「所作」

は、自然環境と調和をはかって、無意識のうちに、

「心身のバランスを整える知恵」

を内包しています。


これらの知見は、現代科学の視点からも、心身の健康を維持するための有効な手段として、再評価され、応用されつつあります。

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