【漫筆】ショートショートの練習(その1)「文にあたる」
りょんりょんさん撮影
【ショートショートの練習(その1)】
「文にあたる」
「この汚部屋はすてきだ!
徒歩2年の役近物件。
まるで漏りの中に澄んでいるかのような境遇です。
そんな境遇だから会敵!な街。
もしかしたら、怗(おだやか)な暮らしが、あなたの手の中に。」
それでいいかもしれないけれど。
間違いだらけで、恐ろしく有益な事故物件情報。
【ショートショートのお手本】
「くさり―ホラー短篇集」(角川文庫)筒井康隆(著)
「到着」
とつぜん地球が、なんの前ぶれもなく「ペチャッ」という音をたてて潰れた。
太陽も「ペチャッ」という音をたてて潰れた。
月も土星も、他の恒星群の星々も、「ペチャッ」という音をたてて潰れた。
宇宙のあらゆる星が、いっせいに「ペチャッ」という音をたてて潰れた。
今まで、一団となって落ちていたのだ。
以上は、筒井康隆著の「くさり ホラー短編集」角川文庫に収録されている『到着』という、たった5行だけの超短編です。
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【参考文献】
対象語彙:01「素敵」
【参考記事】
【参考図書】
「にぎやかな未来」(角川文庫)筒井康隆(著)
「堕地獄仏法/公共伏魔殿」(竹書房文庫)筒井康隆(著)日下三蔵(編)木原未沙紀(イラスト)
「文にあたる」牟田都子(著)
「図説 日本語の歴史」(ふくろうの本)今野真二(著)