【メモ(memo)】ベストのレベルが違うとき
組織やチーム内のメンバー同士が、意見や考え方の違いにより対立・衝突することは、一見するとネガティブに捉えられますよね。
みんながベストを尽くしている。
いやな人なんていない。
と思えば、相手を許すのも、ずっと楽にできる、という考え方があります。
最近では、意見の対立や衝突を、組織活性化に繋げる「コンフリクトマネジメント」と呼ばれる手法が注目を集めています。
確かに、自分もベストを尽くしているけれど、相手にとっては、それが、ベストにはならない場合は、どうすればいいのか。
ベストの基準は、人によって多少のズレがあるのは当然。
仕事ならば、まずは、お互いに話し合って、ベストの定義にズレがないか、お互いの定義は、何か、理解しあうこと。
お互がに、納得のいく結果を出すために、どんな努力がいるのか。
また、どう協力しあえばいいか、プランニングなどのコミュニケーションが必要です。
もしかしたら、「コミュニケーション」を、「相手を説得すること」だと思っているかもしれません。
その場合は、「聞く」よりも「話す」ことで、自分の今の立場を守りたいと考えているのかもしれません。
けれど、「対話」 は、
「上か/下か」、
「知っている/知らない」、
「正しい/間違っている」、
といった二極化を超えたときに、広がり始めます。
まず、私から「質問」し、そして「聞く」 ことで、自分を「開かれた状態」、「攻撃されやすい状態」に置くことが、人間関係ををロバスト(しなやかな強さ)にするように思います。
ここで、私達に必要な行動は、お互いに、どれだけ、創造的に聞いているかどうかです。
そして、どれだけ「創造的な問い」 (クリエイティブ・クエスチョン) を投げかけているかどうかにかかっています。
これは、仕事だけでなく、色んな人間関係などでも、応用できます。
前述の「コンフリクト(conflict)」は、
■衝突
■葛藤
■対立
を意味する言葉であり、お互いの考え方や主張が異なる場面で意見を譲らずに対立する状況で使われます。
1対1の対立だけではなく、チームや組織同士が衝突して、確執が生まれる状況も、コンフリクトに含まれます。
コンフリクトが発生する原因には、
相手が、どんなことを期待しているか、あなたは知っていますか?(感情の対立)
相手は、あなたが、どんなことを期待しているか、知っていますか?(認知の対立)
また、現状について、自分が感じている気持ちも、探ってみましょう。(条件の対立)
認識のズレがあることで、落ち込んでいる、とか一人ではなんともできない、という無力感だったり。
こうなると、一人で解決しようとするよりも、相手にも、力になってもらうほうが、本当はベター。
もちろん、自分の力もありますが、相手も無関係ではいられない以上、相手を巻き込んでいくことは、こちらのするべき努力のひとつです。
すると、見えてくるものは、相手のベストに合わせるよりも、その人との人間関係のベース作りにフォーカスを合わせたほうが、より気持ちが楽になってくるかもしれません。
ほかにも、いくつか見えてくることとしては、自分ひとりで悩むクセ、気持ちを言葉にして相談できないクセ、なかなか助けを求められないクセ、とか。
後ろには、相手にどう思われるか気になってしまって、そのために何かが犠牲になっているのかもしれません。
コンフリクトマネジメントを成功させるポイントを、
①相手の意見を否定しない
②問題の本質的な部分に焦点を当てる
③Win-Winな解決を目指す
たとえば、自分らしさを失ったり、ベストを尽くしているけれど、より良いベストのチャンスを逃している可能性もあります。
ひとりでやろうとすることは、素晴らしいこと。
でも、ひとりでやるより、一緒にやる人がいたら早いこともあります。
いずれにしても、明確な答え、完璧な答えは多分ないのです。
すぐに答えを出さなくても、大丈夫と思うことから、始めるのもいいですね。
ひとりで悩まない。
気持ちを言葉にして話してみる。
助けを求めてみる。
等、普段と違う、ちょっとした勇気を出す、良い練習の機会にしてもいい。
有効なコミュニケーションの鍵としての「問い」について、エドガー・シャインは、
「問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる」エドガー・H・シャイン(著)金井壽宏(監修)原賀真紀子(訳)
次の注意点を指摘しています。
「質問をする側」が、「質問される側」に対して、自分を、一時的に、「攻撃を受けやすい (vulnerable)」 状態にすることが必要になる、と。
「質問される側」は話しやすく、「質問をする側」は聞ける状態にするためです。
相手の期待に応えられていないかも、と心配するよりも、まず、お互い、お話をするところから始めてみてはどうでしょう。
とにかく何かやってみることから、道は、開けてきます。
【今日の音楽と短歌】
この先の人生がどうなるか?
時間だけが知っている。
それは、時がくればわかる。
過ぎゆく時間だけが癒やしてくれる(と解釈)ということを歌っている、この曲♪
人間に与えられた時間は、束の間の虹のごとく短くて、時間は限られているということを考えて、今、できることをやっていきたいね(^^)
今からでも、時間を意識して行動すれば、時間の価値は変わっていく筈。
そうするためにも、自分が納得できて、後悔しない時間の使い方をしたい。
どんな不満や愚痴を言ったところで、今の時間が戻ってくることはなく、自分の意志で時間の使い方を変えなければ、誰かが都合よく変えてはくれないから(^^)
静かに置かれた野仏。
それを見つけた時。
風景に溶け込み。
ここにある年月。
数えきれないほどの人の祈りを、その身に受け止めてきたのでしょうね。
そんな野仏に捧げられた一輪の小菊に感じる懐かしさ。
その祈りの日常性にも通じていて。
匿名であるからこそ、込められた思いは強く。
その祈りは、生きてきた時間のつらなりの中に溶け込んでいく様です。
特別ではない日々の平穏や日常の幸せを祈ることの大切さ。
改めて教えてくれますね(^^)
静粛な気持ちになりたい時。
祈りの気持ちを持った時。
この曲や、こんなうた達を、見つけて、感じてみて下さい(^^)
「野仏に捧げられたる小菊あり祈りとはただ匿名(アノニマス)にて」
(高木佳子『玄牝』より)
「訳もなく靴ひもを固く結ぶとき何を絞め殺したんだ僕は」
(三田三郎『鬼と踊る』より)
「お祈りは済ませましたかその後ももとの形に戻れるように」
(東直子『春原さんのリコーダー』より)
「まあそこに居つたらええよ、なんとなくほつと咲いてる木瓜とわたしと」
(小谷陽子『ヤママユ』より)
「ふゆ日和ほつかりと浮く白鳥の一羽と九十九羽の不在」
(渡辺松男 角川「短歌」2021年3月号より)
【参考図書】
「両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ」ウェンディ・スミス/マリアンヌ・ルイス(著)関口倫紀/落合文四郎/中村俊介(監訳)二木夢子(訳)
「解像度を上げる―曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法」馬田隆明(著)
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