【精鋭俳句叢書 lune(月シリーズ)(その1)】「太陽とパン」&「月とコーヒー」
「私の人生の教訓は2つ。
人に教えを乞わなければ何も得られない。
大半のことはうまくいかない」
「私は若い頃、賢い人々を尊敬していた。
そして年齢を重ねた今、心優しき人々を尊敬する」
「サードドア―精神的資産のふやし方」アレックス バナヤン(著)大田黒奉之(訳)
もう少し肩の力を抜いて(^^)
今年も、1歩ずつ行こうと思う。
公共をかたちづくるために、風の吹く場所に踏み出して。
まず、身を削るのは、
「おまえ」
ではないし、
「やつら」
でもなくて、
それは、
「わたし」
であるのだろうから、
「個人の感想」
と言われても、ピンからキリまでがあって、その差を適切に見届けられるように自分に働きかけ、前述の様に、人に教えを乞いながらでも、そう思い切ることからしか、豊かな「わたし」は生まれないのかなと、そう感じます。
私がいることで、その場のパフォーマンスが下がってしまわないように、注意しないと^^;
「街場の成熟論」内田樹(著)
「太陽とパン」&「月とコーヒー」
生きていくためには、必要ではないかもしれない。
でも、日々繰り返される日常に、彩りを添えてくれる存在は、とても大切でしょ(^^)
わたしにとっての◯◯◯は、まさにそれ。
日常を繰り返していくためには、○○○はならないものたちが、たくさんあるから、ね。
「月とコーヒー」吉田篤弘(著)
きっとこれまでと同じように。
心優しいことばが、扉(本)の向こうで、待っている(^^)
【精鋭俳句叢書 lune(月シリーズ)(その1)】
白濱一羊句集『喝采』
「完璧といふ曲線の寒卵」
◆自選十五句
涅槃図の破ればかりを見てをりぬ
もう声の届かぬ遠さ卒業子
手枕に春眠といふ重さかな
香典で終る家計簿啄木忌
賑やかに手話教室の桜狩
奇術師のごとく花出す蘇枋かな
みな少しづつは曲がつて葱坊主
客寄せは風任せにて風鈴屋
水動かさず動き出す山椒魚
汗の子の火薬めきたる匂ひかな
打ち寄せしものをまた引き盆の波
露のせてゐて芋の葉の濡れてゐず
千枚田冬の怒涛と鬩ぎ合ふ
この雪の下に句碑ある信濃かな
親も子も溶けてひとつに雪兎
掛井広通句集『孤島』
「ネクタイは彗星の尾よ夏はじめ」
◆自選十句
春帽子置けば羽音がするだらう
シャボン玉どの一室に我ゐるや
アイスコーヒー二十時の男寂ぶ
観覧車夜空の泉汲んできし
亀生るる眼は小さき海なりし
死はいつも我ではなくて雲の峰
太陽の飛沫ぷちぷちプチトマト
露の朝吾も一滴として目覚む
秋の日や動く歩道の横歩く
太陽ははるかな孤島鳥渡る
金子敦句集『冬夕焼』
「吸飲みに残りし水や冬夕焼」
◇自選十五句から
江ノ電が来るよ木の芽を揺らしつつ
鳥雲に入るや微糖の缶珈琲
囀りの一樹祈りの木となりぬ
少年の吾に呼ばるる草いきれ
夏休みマーブルチョコの赤青黄
貝殻を洗つてゆきし大夕立
永遠に消えない虹を分かちあふ
大いなる花野の果ての無人駅
いま母を詠まむ風花消えぬ間に
しみじみと昭和の匂ふ炬燵かな
日原傳句集『此君』
「梨食うて心すずしくなりにけり」
●自選十五句
まんさくは頬刺す風の中の花
てのひらの集まつてくる踊かな
鹿散つて僧の行列見てをりぬ
外套は神話の如く吊られけり
葉桜のころの奉納相撲かな
難しく幹にとまりて囀れり
長城の切れ端を目に秋耕す
蟋蟀の跳べば親しき黄河かな
空飛んで来たる顔せず浮寝鳥
いきほひの出て真直ぐに蛇泳ぐ
出入口なき虫籠を編む男
ある人は膝を抱へて涼みけり
伝言を巫女は菊師にささやきぬ
青柿のほとりの水の迅さかな
朧夜の冬虫夏草沈む酒
金原知典句集『白色』
「花の向き迷ひなかりし梅白し」
◆自選15句より
白椿いつか日向に落ちてゐし
銀閣へゆかずに曲り春惜む
垂れゆくを止むるちから花菖蒲
羽のあと胴が横切り鬼やんま
雪片を見入ればおそく雪早し
根方まで一本の鶏頭であり
鎌倉に線路はなじみ花芒
羽たたみいま空にあり石たたき
割るるとき追ひつく重み寒卵
花の向き迷ひなかりし梅白し
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?