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【クラシック音楽の楽しみ方のいろいろ】コンサートヘ行く

クラシックって、昔の音楽だって思っていませんか?

例えば、美術においては、画家が描いた絵画を、直接見ることができますよね。

でもね、クラシック音楽の場合は、作曲家が書いた楽譜自体からは、音が出ません。

常に、誰かが、

“今”

演奏しなくてはいけないんですよね(^^;

確かに、録音された昔の演奏を楽しむことも可能ですが、そこまで含めて作品とするなら、クラシック音楽は、常に、コンテンポラリーといえます(^^♪

反対に演奏されなくなっていく音楽は、過去の作品と見なされてしまうことになってしまいます(^^;

それとは逆に、クラシックの中でも、とりわけ演奏される機会の多いベートーヴェンは、常に、最前線にいるといえますね。

例えば、ベートーヴェンの代表曲いろいろ。

■オペラ&声楽曲

オペラは、1600年前後にイタリアで生まれ、後に各国へ広まりました。

ベートーヴェンのオペラは、歌と歌の間を芝居で繋ぐジングシュピールという形式をとっています。

宗教音楽としては、ミサ曲を、2つ書いているのですが、「第九」と双子の関係にある「荘厳ミサ曲」が重要な作品です。

●オペラ『フィデリオ』作品72(1814年)

●荘厳ミサ曲ニ長調 作品123(1823年)

●連作歌曲「遥かな恋人に寄せて」作品98(1816年)

■協奏曲

現在の協奏曲は、正確には、

「独奏協奏曲」

と呼ばれ、ソリスト(独奏者)とオーケストラが対話しながら演奏していく演奏形態です。

19世紀半ばからは、超絶技巧を押し出した派手な曲目が主流となっていきました。

その中で、「カデンツァ」と呼ばれる独奏者のみによる演奏も聴きどころですね。

●ピアノ協奏曲第4番ト長調 作品58(1806年)

●バイオリン協奏曲ニ長調 作品61(1806年)

●ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73(1809年)

■交響曲

もとは、オペラにおける歌のない部分を、

「シンフォニア」

と呼んだことに由来し、それが独立して拡大していきました。

イタリアからドイツに輸入され、全4楽章形式に標準化されていきます。

ベートーヴェンにより、作曲家が心血を注ぐジャンルへと深化したそうです。

なお、

「交響曲」

と邦訳したのは、森鴎外です。

●交響曲第3番変ホ長調「英雄」 作品55(1804年)

●交響曲第5番ハ短調「運命」 作品67(1807年)

●交響曲第9番ニ短調「合唱付き」 作品125(1824年)

■弦楽四重奏曲

2つのバイオリン、ビオラ、チェロによる合奏形態です。

18世紀後半に登場し、ハイドンが、基本形を確立しました。

ベートーヴェンも生涯にわたって作曲しているのですが、特に、亡くなる前の数年に、集中的に書いた傑作群は、ベートーヴェンの到達点として、別格の扱いを受けているんですよ。

●弦楽四重奏曲第7番ヘ長調「ラズモフスキー」 作品59-1(1806年)

●弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 作品131(1826年)

■バイオリンソナタ

現在では、バイオリンソナタと呼ばれることが一般的ですが、本来のタイトルは、

「バイオリンが必須のピアノのためのソナタ」、

もしくは、

「バイオリンとピアノのためのソナタ」、

つまり、2つの楽器の関係は対等という意味です。

ベートーヴェンの曲は、その関係を協調した作品が多いのが特徴的でしょうか。

●バイオリンソナタ第5番ヘ長調「春」 作品24(1801年)

●バイオリンソナタ第9番イ長調「クロイツェル」 作品47(1803年)

■ピアノソナタ

本来、ソナタとは、単に、

「器楽曲」

という意味です。

18世紀後半のドイツで、急―緩―急の3楽章構成が確立され、交響曲のような4楽章のソナタも多く書かれました。

第1楽章で使われた構造は、後に、ソナタ形式と呼ばれ、クラシックを作曲する際の中心原理になっていきました。

●ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」 作品13(1799年)

●ピアノソナタ第23番ヘ短調「熱情」 作品57(1805年)

●ピアノソナタ第31番変イ長調 作品110(1821年)

さて、あれこれとご紹介してきた「楽しみ方のいろいろ」。

実は、何れも、あることを前提にした話だったのですが、お気付きでありましたでしょうか。

どれかを選んで始めてみるとわかる筈だのですが、それは、CD(レコード)等、つまり、ナマ演奏によらない方法を前提にして、ご案内していたのです。

それというのも、音楽を楽しむといった場合、最も、一般的なのは、CD(レコード)やラジオ等、ナマ演奏以外の手段であることが非常に多いからです。

考えてみれば、色々な楽器に因む曲、音楽史を辿るような各時代の曲、埋もれた人も含む、さまざまな作曲家の曲、珍曲・秘曲等、それらが、自由に聴けるほど、果して、ナマ演奏のコンサートが、内容的に、充実しているのか?

というと、答えは、ノーです(^^;

確かに、音楽ホールは増え、演奏会の数も、ひと頃よりは、圧倒的に多くはなったけれど、よく見れば、とり上げられる曲目は、一部も一部。

有名曲こそ重複して聴けるものの、隠れた曲、 地味な曲等は、なかなか、とり上げてもらえません(^^;

仮りに、とり上げても、人気の点から、必ずしも、人は集まらず、興行的には、失敗することが、多いからなんです。

しかし、音楽が、CD(レコード)等でしか聴かれないとしたら、これは、また、大いに困ったことだと思いませんか。

なぜなら、本来的に、作品は、ナマ演奏で聴かれるために書かれたものだからです。

複製物として、聴かれるために、書かれたのではないのです。

そうした事実は、歴史を振り返れば明らかであり、20世紀以後、マスメディアとして、CD(レコード)やラジオがもたらした便利さや、普及の功績は、認めるとしても、音楽、そのものとの接し方については、、直接に向かいあって聴くナマ演奏の方が良いことは、誰に尋ねても、否定する人は、いないだろうと思われます。

それに、また、CD(レコード)には、ナマ演奏とは違う、独特の加工というのもあります。

知らずに聴いていると、それが、本物であるかのように錯覚し、実物に出会ったときに、とんだ誤解をしてしまうことも、ないとはいえないのです。

というわけで、デメリットもあるけれど、音楽に興味をもったら、時々は、コンサートへも、行ってみる。

そして、CD(レコード)や放送では味わえない、独特の魅力を満喫してみようと勧めるのが、最後の「コンサートへ行く」楽しみ方です(^^♪

ここでは、そういう楽しみも、一つあることを、知っておいて頂ければ幸いです(^^♪

trafalgar・フィル?「ニューイヤーコンサート2024」
https://note.com/bax36410/n/n4d88f0e17c3a

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