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【手控え】何者かになりたいと焦ることなく自分を生きる

能力は、個人の内部に、何かの能力がモノのように存在しているわけではない。

①内的要因:自分の積み上げてきた経験や記憶

②外的要因:自分をとりまく環境

個人の内的要因と、その時の外的要因との関係性の中で、ある現象として能力が生み出されるだけであり、人は、成果を正しく認識できない。

また、人は、「公正世界仮説」という脳のクセ(バイアス)により、悲しいほどシンプルに世界を理解する。

言い換えると、不完全な推理によって、すべての事象を、実にシンプルな因果関係に落とし込む傾向がある。

その様な傾向が大半を占める社会であるなら、その世間は、フィクションで回っていることになる。

その様な環境下において、人生にとって本当に重要なのは何か?

それは、便宜的に、且つ、個人に帰属させた能力や成果というフィクションから、自分自身の価値を、丁寧に切り離して、守っていくことになる。

その価値に気付くために、普遍の世界での正しい問いは、以下ではないかと推定される。

①自分の基地は、何処にあるのか?

②自分の事をよく知りもしない誰かに、何者かとして認知されることに、何の意味があるのか?

そんな日々の中において、誰かの意見が溢れている現在は、自分と誰かの境界線がとても曖昧な世界と言わざるを得ない。

そんな曖昧な世界で、何者かになることを推奨するような雰囲気。

それらを前提に作られたコンテンツも多く存在し、推奨される曖昧な世界での出来事の数々。

そんな曖昧な世界で個を取り戻すために、安心して、自分とじっくり向き合うことが、私達には必要だ。

そう、何者かになるための視点じゃなくて、自分を生きるための時間が、私達には必要だ。

【参考図書】
「私たちはどう学んでいるのか:創発から見る認知の変化」(ちくまプリマー新書)鈴木宏昭(著)

「人類とイノベーション:世界は「自由」と「失敗」で進化する」マット・リドレー(著)大田直子(訳)

【BGM】
Tani Yuuki「自分自信」


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