「いいネタ」なのに失敗するスタートアップ起業家の特徴
これまで幾つかの企業で、スタートアップ立ち上げのお手伝いしてきました。
その中で事業を上手く軌道に乗せる人、いいネタでスタートしたのに失敗する人をたくさん見てきました。
この2者を分析すると、失敗する起業家には1つの特徴があります。
今日は、それについてお話ししたいと思います。
1.いいネタ持ってるスタートアップ起業家に起こること
スタートアップ起業家は、いろんな人にビジネスプランを話します。
それは資金調達、物的リソースの協力、人的リソースの協力、知識知恵の協力を得るための活動ですが、そのプランが魅力的であればあるほど色んな人達が近寄ってきます。
例えば
「もっとこうすればもっと大きなマネタイズができるよ」
「投資するので当社のグループに入って欲しい」
「今度、力をもった人を紹介するよ」
など、とても魅力的なオファーをしてくれます。
スタートアップ起業家はモチベーションが最高に高まっているので、こういったポジティブなオファーを盲目的に受け入れてしまいがちですが、理念をしっかりもった起業家でないと失敗に繋がるケースが非常に多い。
普通で考えれば、資金調達、人的リソースや物理的リソース、知識知恵が簡単に手に入るのですから、失敗するわけないと考えてしまいますが、ここに大きな落とし穴があります。
2.失敗する原因は、馬鹿らしくなるほどシンプルです。
失敗する企業家は、決定的に欠けているものがあります。
それは、目指す姿と連鎖した戦略戦術を持っていないということです。
これについて、『エッセンシャル思考』の中でとても分かり易く説いてくれていますので、以下を抜粋してご紹介します。
つまり、目指す姿と様々な人達のオファーが一致しているかを精査し、一致していなかったらどんなに魅力的なオファーであっても、きっぱり断る勇気を持つことです。
これ。。。とってもシンプルで当たり前でしょ?
しかし、いざ目の前に大きな資金が提示されたり、大手企業の環境とお金をオファーされたら、目指す姿を違っても気持ちがブレていきます。
これがスタートアップに失敗する企業家の特徴です。
3.スタートアップの起業家が最初にやるべきこと
失敗しないスタートアップの起業家になるにはどうしたらよいのか。
最初にやるべきは、収益シュミレーションのような皮算用は一番最後にすべきです。
最初から皮算用しても「誰に」「何を」「どのように喜んで貰い」「どのように売るのか」が明確になっていないのに試算したところで、そんなシュミレーションは何の役にも立ちません。
まずやるべきことは、以下の5つ質問について自問自答し、スタートアップのネタにどんな価値があるのかしっかり見極める事です。
1.目指す姿は何か?
・今もっているネタで、社会にどんな変化が起こしたいか?
2.我々の顧客は誰なのか?
・今もっているネタを、喜んでくれる顧客はどんな人達か?
⇒ 目に見える形で「こういう人」と言えるイメージ
3.顧客が求める価値は何か?
・今もっているネタの、どこに顧客は喜んでくれるか?
4.我々の成果とは何か?
・今持っているネタは、目指す姿の実現に繋がっているか?
5.我々の計画は何か?
・目指す姿を実現するための戦略戦術の具体的な活動計画は何か?
マネジメントを学ばれた方ならピンとこられたかもしれません。
これはピーター・F・ドラッカーの5つの質問を引用したものですが、様々な雑音や収益シュミレーションに振り回される前に、まずここをしっかり持つことが大切です。
これが明確になった後、今持っているネタを使って小さくスタートアップして、たくさん失敗し、不要なものと有用なものをトレードオフしながらマネジメントすることが成功への秘訣です。
皆さんはいかがお考えでしょうか?
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