”交渉”と”議論”は違います。「使い分けコミュニケーション術」_ロジラテ思考
「自分は話し下手」と言われる方がたくさんいらっしゃいます。
私も入社した頃は、知らない人と話すことが苦手で、心を開いて話しをしてくれる人もなく、人と話しをすることが嫌いになっていきました
ところが40歳を過ぎたとき、あることに気づきいたことでコミュニケーションがスキになっていきました。
しばらくしたら、周りの人から
「飯田さんは、お話が好きですねぇ。。。」
「えっ?!」 っです 苦笑
1.何に気がついたのか?
きっと読者の皆さんも、子供の頃から「人の話をよく聞け」 と教育されてきたと思います。
当たり前ですよね。
相手の話を聞かなければ会話が成り立ちませんから。。。
しかし自分を振り返ると、あまり人の話を聞いていないのではないかと思ったのです。
例えば私が人と話しをしているとき、頭の中ではこんなことを考えていました。
どうやら自分にとって都合の良いところだけ聞いて、それ以外は有利になるにはどうしらかよいか? を考えていて、あまり相手の話を聞いていないということに気がついたのです。
嫌なやつですよねぇーーー これじゃ友達できません! 苦笑
まぁ。。。ビジネスにおいては、交渉事ですから仕方のないことではありますが。。。
でも、すべてのコミュニケーションをこの方法でやってしまうと、心通い合う人間関係はできなくなってしまいます。
2.コミュニケーションは「交渉脳」と「議論脳」で、聞き方を変える
コミュニケーションは2種類あります。
一つ目は、交渉です。
この場合のコミュニケーションは、
交渉によってWinWin、またはこちら側に有利な条件をいかに勝ち取るか?
これが目的です。ビジネスマンなら日常的に行っていることです。
二つ目は、議論です。
この場合のコミュニケーションは、
相手に
「何が起きて」
「なぜそうなったのか」
「何をして、その結果どうなったか」
「これからどうするのか?」
をお互いに理解しあうことが目的です。
三つ目は、交渉、議論を使い分けたコミュニケーションです。
ビジネスマンは、日頃から交渉脳で話し合うことばかりやっているので、理解しあう議論にも交渉脳でコミュニケーションしてしまう傾向があります。
しかし相手の悩みや問題に耳を傾け、一緒に解決していく場合は交渉脳は役に立ちません。なぜなら、勝ち負けを求めていないのですから。。。
※注意 交渉脳で奥さんと話すと、最悪な状況を呼び込むことになるので、ご注意を!
コミュニケーションの達人は、状況に応じて交渉脳、議論脳を使い分けたコミュニケーションができる人達ですが
でもこれ、めっちゃ難しい!
3.議論脳は「聴き切る」が大切
天皇陛下が福島に慰問された一場面です。
陛下は、被災者の顔を見ながら、こんな声を掛けらました。
この姿を見て、わたしは陛下はなんの先入観もなく、ただ相手の姿を見て慮り(おもんばかり)、素直な気持ちでお声を掛けられたのだと思いました。
被災された方も、心の底から染み出る言葉を発していました。
このやり取りを見て心が通い合う会話とは、先入観を持たずに素直に聴き切り、それから自分の言葉を導き出すことだと感じました。
つまりお互い理解するためには、相手が話しているときは聴くことだけに集中し、答えを考えず「話を聴き切る」ことが大切です。
これを交渉脳でやってしまうと、相手の問いに素早く答え、こちらの思う着地点に誘導しようと考えてしまいますが、議論脳でコミュニケーションする場合は、答えを急ぐ必要はありません。
相手の話を聴き切ってから熟考し、答えを返すほうが理解を深めることができます。答えは時間を置いてからでも良いと思います。
※ビジネスマンは、これに慣れていません!修行が必要です!
手始めに、ご家族、、、特に奥さんとのコミュニケーションに議論脳で話を聴き切ってみてはどうでしょうか?
きっとお互いの理解を深められると思いますよ!
議論脳を鍛えるには絶好の機会だと思うのですが、いかがでしょうか?