general goodwill (英単語一つで人生の本質が学べる! 34)
今回の英語
General goodwill 全体への奉仕
Reconsider 再考する、見つめ直す
Anti- アンチ
"General" はよく形容詞的用法で「一般的な」、「全体的な」という意味で使われる。他には形容詞的用法で「地位の高い大将」として用いられることもあり、覚えていて損はない。
"Goodwill"は「良い」という意味の"good"と、「意志」という意味の"wil"が合体しており、「好意、善意、奉仕」などと訳す。"will"は学校で「未来形」と教わると思うが、実はその未来には意志が含まれている。"I will practice the guitar."であれば「私はギターを練習するつもりです」と表面上訳しながらも、「絶対に練習するんだ!!」という強い意志のニュアンスがある。
一方意志の有無に関係のない「予定」を表す場合は、"be going to"が使われる。"I am going to practice the guitar."である。おそらくヤマハ音楽教室などで練習することが決まっているのであろう。
そして、この”general goodwill”とはイギリス人作家であったD.H.Lawence(ロレンス)の、『島を愛した男』(“The Man Who Loved Islands”)と呼ばれ短編小説に登場する言葉である。
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主人公の男は文明から逃れ島に移住し、そこで出会った人々と一緒に暮らす。第1の島から第3の島まであるのだが、なかでも第二の島で主人公は数名の住民と仲睦まじく暮らすことを試みる。
そこで主人公は他の人を想って、つまり general goodwill の心で、住民に優しく振る舞うのだが、いつの間にかその好意は偽善として受け取られることになる。主人公はコミュニティーの長として、個人的な感情を抱かぬよう皆に平等に接し、分け隔てなく好意を形にするのだが、なかにはその好意を偽善・エゴだと捉える者もいる。
そう、いうらこちらが純粋な善意を人に向けようとも、人間に付きまとう妬みや嫉妬は悪意となり、善意を悪なるものとして認知してしまう人がこの世にはいるのだ。
全ての人に理解してもらおうとしてもなかなか上手くはいかない。それはもはや不可能かもしれない。いつの時代、どの出来事にだって、アンチが存在し、清き者の理想を妨げる。
しかし、だからといってアンチが完全悪といえばそうでないように思われる。「無用の用」という言葉があるように、一見限りなく無駄に思えるものでも、どこかで役立っているのである。
果たしてどこで役立っているのか。第一に、アンチがいるということは行動者が人々に大きな影響を与えているという証である。アンチは行動者の存在を無視できないほどの影響力を持っているから否を唱えているのであって、逆説的に行動者の才能を認めていることになる。
第二に、アンチは行動者が行き過ぎたことをしないよう歯止めをかけてくれているともいえる。いくら正義のためでも、それが行き過ぎると悪になってしまうこともある。『デスノート』の夜神月が序盤は犯罪者だけを殺していたが、彼は後に正体を掴もうとする警察官や一般人を躊躇なく殺害している。そう、正義も墜落することがあるのだ。しかしアンチがいる分、行動者の抑止力になり、時に自分の行いを見つめ直す(reconsider)きっかけをくれる。考え方次第で上手くいくこともある。
ちなみに『島を愛した男』(“The Man Who Loved Islands”)は多くの研究者が批判を書いている物語でもあるので、気になった方はぜひ一読した後、その批判を読んでほしい。英語で読むのは勉強にもなるのでとてもおすすめである。
無用の用→一見無駄に思えるものが、実は大切な役割を果たしうる。
D.H. ロレンスの写真である。
おさらい
General goodwill 全体への奉仕
Reconsider 再考する、見つめ直す
Anti- アンチ
See you!!!