見出し画像

タウンガイド:図書の街ビブルベルク

本稿は、創作に基づく架空のタウンガイドである。本文中の一部用語はTRPG「アリアンロッド2E」のものを流用しており、そのままゲームの舞台として使用できる。いわゆる中世ファンタジーを扱うゲームであれば、他のゲームシステムであっても、用語を変更することで流用が可能である。この街での冒険を豊かな体験に使っていただければ幸いだ。

使用にあたっての注意

本稿は著作権を放棄していない。また、本稿を使用した有料作品の無断制作を禁ずる。

本稿を利用するにあたって連絡は必要ないが、もしリプレイやシナリオ本文を公開されるなら、作者まで教えていただければ励みになります。

街の概要

【図書の街 ビブルベルク】
エルーラン王国南東に位置する、本の保存に適した落葉広葉樹の都市。栗(チェスナット)やエルムの鮮やかな樹林に囲まれた過ごしやすい気候の中に、世界一と謳われる大図書館を有する。街区には薬草園や菓子店が立ち並び、研究や読書には最高の環境が用意されている。近年は図書館の探索・整備に向けた組織的な取り組みが結実し、冒険者の集う街へと変化してきている。

施設紹介

◆大図書館ビブルベルク


少なくとも数百年の歴史を有する巨大な城砦のごとき図書館。本を傷付けぬよう灯りは乏しく、暗所に強いバンシーや書物の保守管理に長けるエルダナーンが知識の集積を続けている。
地上部は探索が終わっており、行政区や図書開放区などを兼ねているが、地下には禁書の多数保管された未踏破のダンジョンが広がるとされる。
深層には人造生命や未知のモンスターが多くうろついており、探索には危険を伴う。癖のある研究者達の求めに応じて様々な材料調達や実験台(安全の保証はない)といった仕事をこなすのも良いだろう。


◆ブラウズ文化商業区


青果店やカフェ、書店等が立ち並ぶ穏やかなストリート。冒険者のための道具も一通り揃えることができる。
区のアイコンであり、知の象徴として親しまれるフクロウをモチーフに、羽飾りや羽ペンが作られ日用品として販売されている。食の面では菜食生活の者が多く肉類はそれほど流通しないが、森の鳥獣類や家畜として利用されている馬、魚類などを楽しむことができる。供給の面から、穀類よりも、豆類やナッツを中心とした食文化が成立している。
菓子店ではマロンのシロップ漬けが人気商品として、ラベンダーなどのハーブティーとともに供されている他、ハニーシロップも根強い人気を見せる。


◆ウィルフリッド薬草園


有用薬草類を中心に、各地の植物資料を収集栽培している植物の博物館。施療院が併設されており、負傷や病気の際はこの施設で世話になるものも多いだろう。街の付近には植物型モンスターも多く生息するため、薬草園からは定期的に調査や採集のクエストが発行されている。


◆行政区

大図書館の地上階に設置されており、都市機能の中心となる区画。政治や行政に関する窓口がある他、冒険者に対するクエストもここで発行されている。元冒険者のエルダナーンで、ビブルベルク地上部を自ら開拓したウェッジウッド卿による統治が行われている。

人物紹介


◆ニト・ウェッジウッド男爵
エルダナーン 45歳 男性 セージ
元冒険者、ビブルベルク領主。封印されていた大図書館を発見し、地上部の探索に成功。エルーラン王国の統治下に入ることを引き換えに、爵位と自治権を手にして図書の街ビブルベルクを成立させた。
飄々としているが頭の回る人物であり、この街に眠る知識が公正・平和裏に活用されることに心血を注いでいる。

◆ルーデ
バンシー 12歳 女性 イリュージョニスト
大図書館で司書として働く妖精のひとり。ビブルベルクで働く妖精は、書を手に入れることで感情を操ることに成功しており、人と妖精の対話的な交流も各地で見られる。ルーデの専門は児童書で、絵本作家としての顔も持っている。冒険者には、図書館探索の際に世話になる者も、逆に創作活動のヒントに何かしらの依頼を持ちかけられる者もいるだろう。

◆ボニカ・ローズメリア
ヒューリン 22歳 女性 ヒーラー
ウィルフリッド薬草園の主幹研究員、施療職員。植物学に造詣が深く、日常生活から冒険のことまで、様々な相談に乗ってくれる。その知識の広さと和やかな人柄は、男女問わず様々な人物から愛されている。

◆シモン・ナモン
フィルボル 20歳 男性 菓子店店員
人気洋菓子店「le signet」で修行中の店員。彼の淹れる紅茶やコーヒーは一級品で、仕事や冒険の合間に立ち寄る冒険者も多い。いつか自身の店を構えたいという夢を持っており、日夜自作メニューの開発に取り組んでいる。仲良くなった冒険者には、珍しい食材の調達を依頼することがあるかもしれない。

クエストボード


ここでは、ビブルベルクで受注できる典型的なクエストの例について紹介する。クエストの受注は行政区の冒険者窓口付近にある掲示板から適当な募集を探し、窓口で申請すると良いだろう。


◆書庫表層の探索
依頼者:図書館職員
内 容:ダンジョン化している書庫表層を探索し、指定する魔術書を取り出して持ち帰って欲しい。ダンジョン内にはモンスターが出現している場合があるので注意すること。

◆魔法生物の討伐
依頼者:図書館職員
内 容:書庫深層には未知のモンスターが徘徊しており、時折表層付近まで侵入することがある。このモンスター(古代の文献から、我々は暫定的にポリペプチドと呼称している)を討伐し、書庫表層の秩序を守ってほしい。

◆森林での採集
依頼者:文化区店員
内 容:モンスターの活動や情勢等のさまざまな事情で、ある物資の供給が不足している。周辺地域の採集スポット探索やモンスター討伐によって、付属物資を納品してほしい。

◆文献の研究
依頼者:図書館研究員
内 容:大図書館に収蔵された魔導書の研究から、あるダンジョンで注目すべき現象が観察されることが判明した。現地へ赴き、その現象について測定を行いデータを持ち帰ってほしい。

画像等出典

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?