ドライバー職の業界が転落している理由


諸説あるが、私自身がドライバー職かつ職場の内情を知る観点で話を進めていく。

商売の原理は「お客様から商品の代金をいただき利益を得て対価を従業員に払う」ところかと思います。
しかし競合他社が規制緩和により乱立したおかげで仕事を失いたくないから、売り上げを落としたくないからと下限運賃での請負や運賃据え置きで必要な値上げができずに結果長時間労働や低賃金に。

また輸送施設(営業車)の延命や代替サイクルの延長につながり、しまいには必要な点検整備や定期的な健康診断、安全講習会など怠ってしまう。結果法令違反を犯さざるを得ない状況になっています。必要な売り上げが稼働に対して上げられていない。

原資が足りないので従業員への待遇改善が進められないため、現代はIT企業などデスクワーク系の今までになかった職種や待遇のいい企業も増えていることからそちらへ流れている。

営業車の価格も物価上昇や安全設備搭載等の理由で高騰しており代替サイクル延長することによる故障の増加。以上のことから力のある従業員は転職してしまう負のスパイラルに陥っています。

ならどうすればいいのか。

運転資金となる「原資が必要なので運賃を値上げする」ほかありません。

運賃をいただく荷主やお客様に丁寧な説明を行い、理解を得る必要がある。

それが企業としてできないならば企業として将来的に存続が難しいため廃業や統合など考える必要がある。

力のある企業は進んで値上げをしています。

私は路線バスの運転士をやっているのでバス業界について話します。バス業界も例外なくメディアでも取り上げられている2024年問題かつ人手不足ではあるが実はかねてから業界的には人手不足であった。

今に始まったことではない。

公共交通機関の運賃は「低廉」でないとならない古い条文が存在しておりそれが今でも続いている。今でこそ運賃値上げを進めているが、それもほぼ26年ぶりと口を揃えて言っているのです。

四半世紀で物価も上がっているのに運賃は変わっていないため結果バス業界も人やモノに投資する原資がなく低賃金、長時間労働につながり離職につながる負のスパイラルに陥っています。

時給単価が低いため長時間勤務してやっとそれなりの金額になる状況。また少子高齢化やクルマ社会、昨今の感染症による移動需要の減少により売り上げの減少で会社自体の体力も限界に達している。

バス車両の価格も年々高騰しており概ね大型トラックの2倍の価格、加えてダイヤのシステム運用の費用やバス停に係る諸費用も掛かるため中小企業は運行ダイヤや車両など運行のクオリティ自体低下しており客離れが発生。

路線の改廃も諸手続き、車両やバス停・システムのあらゆる部分での変更に時間とコストが掛かるためやりたくても進めにくい。結果不採算路線もなんとなく走らせて日々を過ごしている現状。

ドライバー職の業界の言えることとして「目標がない」こと。要は売り上げを上げるために「どれだけのものが必要か」ということが逆算できなければ中長期計画がなされていないから。

あくまで企業ですからお客様の利便や従業員の生活を守り、企業としても継続のための体力をつけていかなくてはならない。現状の事業で十分な収入が得られないなら別な事業も展開していかなくてはならない。

会社も従業員に末永く勤務してもらえるような働き方や待遇を提示しなくてはならない。


(確実に売り上げを上げられ利益も出せるダイヤ作成方法)※地域の需要による

・平日は通勤通学に対応すべく5〜23時台まであるべき。但しメインの運行時間は6〜21時台に留める。

始発の次便は30分以上開けても構わない。→例、駅行き始発5:30発の次は6:25発のような感じでよい。夜は駅発21:55発の次は22:55発、深夜バス23:55発のような感じでよい。

これを午前番5〜13時位、午後番14〜22時位・深夜ダイヤ17〜25時位で組み、他は通しダイヤとして6〜18時位で「作ろう」とすれば必要な人員がどれだけ必要なのか、一日の各路線のダイヤの構成がどうなるかがわかってくる。

・通勤通学は毎日乗るのでその時間帯は必要。(売り上げの要)
・平日早朝は漠然と本数が多ければいいものでもない。バスが2台以上になるダンゴ運行は周辺の交通混雑につながり遅延につながる。

・通院や買い物に関して、毎日は行かないので日中は少なくてもよい。路線によっては13~14時台をなくしてもよい。但し2時間以上運行間隔を開けない。

・土日祝ダイヤのメインは7〜19時台でよい

始発駅向けは平日と同じか遅くする。例えば5:55始発なら次発は6:55位でよい。夜の駅発も19:55の次は20:55、遅くとも21:55最終でよい

土日祝の夜間は平日の夜間程、利用者がいないため大幅に減らしても問題ない。土日祝ダイヤで拘束時間の調整をする感じにすれば月間通しての勤務交番が告示の範囲内に収まりやすくなる。

(運転士確保に向けた、やる気になればできる取り組み方法)

・昔ならではの各社の賃金計算にとらわれず変形労働時間制を導入して日により4〜5時間勤務で終了の日をつくり告示に適合、他業種にない「新たな働き方」を業界から提案・提示・実施を行い、魅力のある業界に進んで変えていく。

→ある日は6〜18時と長いが、別な日は5〜9時と短くする。二週間に一回でもよいので入れることは告示適合や従業員のモチベーション向上につながる。

・最低年間120日の休日数を設定で他業種に近い条件の提示で運転士の確保に努める。
→但し十分な人員が確保できるまでは減便ないし月二回程度の公出をお願いして休日出勤手当を支給。公出に関してはあらかじめ公休日にダイヤを当て込んでどうしても出られない場合は公休とするよう働き方改革の観点から配慮し、押し付け出勤させない。(ハラスメントになりかねないため)

・運行に際しての法令に関係ない過剰な作業などの見直し、安全確保で事故を減らす

・過剰なマイク放送はわき見運転と同様かつ乗り心地低下につながる。運転に集中を。

・服装もワイシャツにスラックスは着用するとして、他制帽やネクタイの廃止で経費削減。

・車両の洗車や清掃、給油は別に雇用してやってもらい、運転士の負担軽減。

・車いす利用客はあらかじめ営業所に連絡の上、当該ダイヤに車いす作業要員を同乗させ乗降扱いをする。

・車両については運転席直近の最前列の座席の廃止で左折時の目視確認の視認性向上や運転への集中力向上、感染症対策。

・外国製バスのような運転席の完全な囲い、仕切り板の設置で運転に集中できる環境づくり、バスジャック対策。透明アクリル板の廃止、客席から運転席が見えないように隔離する。

・折り畳み座席を廃止して通常はスタンディングで使用しベビーカーや車いす客が来たらそちらへ案内する。

・乗合であるためいかなる場合も乗降方法に例外の運用の禁止。

など

要するに運転士が「嫌がる」ことを会社が「させない」ことが運転士確保に繋がる。

今の時代にあったバスというものを構築しなくてはならない。

将来、自動運転バスが本格運用になった場合は運転士不足以上に設備やシステム費用が思った以上にコストがかかるのではないかと。

その頃には自家用車の自動運転が始まっているはずなので免許自体が不要で、子供や高齢者も運転者不要で利用できることを仮定して鑑みると、利用が今まで以上に減り、殆どの地域では路線バス自体がなくなる予想。したがって自動運転バスも採算が合わず運行不能に。

「人手」がこの令和の時代になっても必要とする業種はこの先も必要なのかなと。

悪いことは昔は2ちゃんねる、今はSNSに書かれてしまいます。
「書いてはいけない」法律はないし、真実ならば周知することが妥当である。

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