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「ベイトマンニュース」労わる気持ちで手入れする

我が家のテーブルを購入したのは、東京で暮らしていた頃だから2001年かな。かれこれ20数年お世話になっているお気に入りのダイニングテーブルです。
日本で購入して、海を渡ってイギリスで子育て期間を経てからスコットランドにやってきた、いわば我が家の歴史ですね。

無垢の一枚板。真ん中には漆塗りのアクセントがあり、シンプルで美しく、夫も私も一目惚れでした。
コーティングをしていない無垢の木なので、手入れをきちんとしないとどうしても傷つき、汚れが染み付いてしまうのに、若い頃は子育て、仕事、と心に余裕がなくて、テーブルを磨くとか、手入れするとか、全くしないままきてしまいました。
最近になって、申し訳ないことをしたなぁ、と汚れやキズが染み付いてしまったテーブルを見ては未熟だった自分を後悔していました。

いやいや、待てよ。今からでも遅くはないんじゃなかろうか。この、今の状態から手入れを始めてみよう。そう思い立ったのは今年に入ってからのこと。(えっ、遅っ。笑。)
週に一度、テーブルをきれいに吹き上げてから、油を摺り込んでいきます。漆の部分もコーティングする気持ちで丁寧に。丁寧に。
油は純粋ないい物やったら何でもいいやろう、とエキストラバージンオリーブオイルやスコットランド産のグレープシードオイルを少しずつ擦り込んでいます。

実は自分自身のことも同じです。若い頃には当たり前のようにあった若い容貌が、体型が、健康が、いつの間にか変化しています。若い頃に何もしてこなかったことを後悔しつつ、慌てて何とかしようと思うけど、その時にはもう時すでに遅し。もうどうしようもない、と諦めの境地に入ってしまいます。泣。
でも!実はどうにもならなくても!そこから始めるのと完全に放置するのとでは、やはり何かが違ってくると思うんです。(そう信じたいっ。)
「何か」というのは主に「気持ち」の部分であって、(悲しいことに)ほんまに若返るわけではないんやけど、労っているというか、大切にしていることで気持ちは満足します。そしてちょっと、ほんまにちょっとだけ、艶というかハリというか、外側の部分にも違いが出てくる(ような気がする)。そう信じてあがいています。笑。

いつも私たちの暮らしと共にいてくれた木のテーブル。お手入れを始めてからは、やっぱり艶とハリが出てきたように思います。傷も汚れもよく見ればやっぱりそこにあるんやけど、それも含めていい味になるというか、いい感じに年月を重ねた風合いが出てきているように思います。
いわば私自身のような我が家の古いテーブル。これからは「いつもありがとう」と労わる気持ちで大切にお手入れしていきたいと思っています。

これが我が家の歴史のダイニングテーブル。
これからも大事に労わっていきたい。


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