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【ゲームから学ぼう】スマートシティの先に待つもの

どうも、地方公務員のばたやんです!
新シリーズも無事?2回目を迎えることができました。
今回は、公務員ならではの視点でゲームから学んでいこうと思います。

昨今、DXやスマートシティといったデジタル活用の動きがとても活発であることは皆さんも感じていることと思います、しかしながら個人的にDXやスマートシティの先に待ち受けるリスクについてはあまり論じられていないように感じてもいます。
そこで今回ご紹介する「ウォッチドッグス」からはスマートシティの先に待つものとして私が懸念されると思われることを書いていこうと思います。

🔷ウォッチドッグスとは

Ubisoft Montrealが開発したオープンワールド型アクションゲーム。
「ウォッチドッグス」を直訳すると番犬や監視役、情報処理の分野ではコンピュータシステムにおいて定期的に発動することで、システムが機能し続けていることを確認させるためのタイマーであるウォッチドッグタイマーから来ているのではないかと思います。

オープンワールドというのは、ゲーム内の仮想世界において、移動的制限の無い、 プレイヤーが自由に探索し、目的に到達できるように設計されたレベルデザインを指すコンピュータゲーム用語で、要はマップの切り替えがほぼなく、シームレスにゲームの世界を探索できるゲームデザインと思ってもらえればわかりやすいと思います。

本作品はCEROというゲームソフトの表現内容について対象年齢を表示する制度において、18才以上のみを対象とする表現が含まれていることを表示しており、18才未満者に対して販売・頒布しないことを前提とする区分が設定されています。
このnoteがめちゃくちゃ面白すぎてこのゲームをやりたくなっても、18才未満の方は購入しないようにしてください!w

🔷ゲームの概要

〇あらすじ

物語の舞台は、ブルーム社(Blume Corporation)が開発した「Central Operating System」(通称ctOS)により都市の全てのインフラを管理されている2013年のシカゴ。
凄腕ハッカーであるエイデン・ピアースは、自分が招いたある事件が引き金となり姪を殺され、己を責めていた。
しかし、昔共に仕事をしていた師に脅され再び一緒に仕事をするよう要求されたことを機に、己が持つ知識を総動員し、シカゴそのものを自らの武器として反撃に出る。
だが、事件の真相に切り込んでいくにつれ、シカゴのインフラシステム“ctOS”に隠された秘密と欺瞞が次第にその全貌をあらわにしていくのであった。

〇ゲームデザイン

本作品はオープンワールドとなっており、それぞれ特色のある6つの地区に分かれた広大な都市を舞台にゲームが進行する。また後述のオンライン対戦を前提とした造りとなっているため、隠れる、尾行するなど行為をより確実に行えるよう建物の構造や地形、街中のオブジェクト等の様子はかなり精密に構成されており、他のオープンワールドのゲームより密度の高い設計となっている。

主人公エイデン・ピアースは特殊なスマートフォンで、ctOSをバックドア(不正ハック)により街中を自由にハッキングすることが可能で

  • 通行人などの街中の人々の個人情報へのアクセス(氏名、職業、年収、生年月日、犯罪記録、医療記録、趣味嗜好、銀行口座などの閲覧)

  • 通話やメールなどの盗聴、携帯電話などの通信妨害、路上や室内の監視カメラの操作、ATMをハックして不正に金を引き出す

  • ゲートや車両などの開錠、信号機などをハックして故意的に事故を起こす、跳ね橋や車止めなどをハックして敵の追跡を逃れる、配電盤や変圧器、スチームパイプなどを過負荷により爆発させる、停電を起こす、列車(シカゴ・L)を停止させる

  • 店舗などの音楽、クレーン、リフト、自動販売機、おもちゃ(Raving RabbidsやBig Mouth Billy Bassなど)、電光掲示板(ハックして流行語などを表示)などをハッキングで作動させる

など、ctOSが導入されているデバイスをすべて操作することができ、まさに手のひらで都市を自由に操ることが可能となっている。

🔷本作品の面白いところ

私が本作品を面白いと感じたのは、なんといっても舞台設定ですね、ctOSという都市OSが街のインフラをほぼすべて管理しているいわゆるスマートシティを彷彿させる世界観が2014年に作られていたというところです。

本作品で描かれるシカゴの街とスマートシティは厳密には意味合いが違ってくるのですが、スマートシティが実現した街はどのような姿をしているのか、都市インフラがどのようにICT化されているのかを読み取ることができ、都市デザインを妄想するにあたってとても参考になりました。

さらに、私が公務員になってから面白いと思うようになったのが、ハッカーの主人公を操作してハッキングして街のインフラにいたずらできるというところ、水道管を破裂させたり、個人情報にアクセスしてその人の口座からお金を自分の口座に送金したりと、明らかにやっちゃいけないことをできてしまうことが公務員という立場的にゲームとはいえ複雑で面白いんですよ。
水道管破裂させておいて、あぁあれ補修にいくらかかるんだろうとか、街中の情報をどのように行政が管理・運営しているんだろうとか、ゲームなのに仕事モードで思考している自分に少し引いてみたり。

🔷スマートシティの先に待つもの

本作の場合、ゲーム性やドラマ性を持たせるために主人公が都市OSをハッキングするという表現がとられていますが、現実はそこまで脆弱なセキュリティにはならないと思います、というのも昨今セキュリティデザインが見直されてブロックチェーンなどの新しい概念が生まれてきているのが理由です。

内閣府が提唱する都市OSは年に存在する膨大なデータ(ビッグデータ)をこの都市OSに一元管理させるというようなものとなっており、例えばある道路の交通量であったり水道管送水量(どれくらい水が使われているのか)といったデータを都市OSに蓄積していくことを構想しています。ウォッチドッグスとは違い個人情報は含みません。

https://www8.cao.go.jp/cstp/stmain/a-whitepaper3_200331.pdf

しかしながら、あらゆるデータやシステムを一つのOS上で動かすことはOSに脆弱性があった時、ほぼすべてのデータ(都市のあらゆる情報)が抜き取られたり改ざんされたり、勝手に操作される危険性があるのです。
セキュリティの考え方には切り分けというものがあり、特定のデータを隔離されたシステムで扱うことで漏洩・改ざんを防止するというものです。

考えてみてください、もしウォッチドッグスの主人公のように都市OSをハッキングして水道管を破裂させたり信号機の色を勝手に切り替えられてしまったら、災害レベルで大混乱に陥ることは大いに予想されます、実際ゲーム内でそういった行動を取ると周辺にいる住民たちは大騒ぎします。

一つのシステム上であらゆるデータがやり取りができることで便利なのは間違いないのです、しかしそこには上記で述べたリスクもはらんでいることを理解してDXは進めるべきだと私は考えます。
スマートシティ構築に携わってらっしゃる方は理解していると思いますが。

私は、スマートシティや都市OSに関しては素人ですので、もし間違っていたり補足がある場合はコメントで教えてください!

今回は、珍しく公務員らしい話題で難しいことを書いてみました。
ゲームの世界が現実になるのはワクワクするのですが、同時にリスクの部分も知ることができるので、気づきを得るきっかけにもなります。
ウォッチドッグスは、現在PS4でプレイできます、大人向けのゲームですので少し難しいのですがこの世界を探索してみることでなにか新しい発見があるかもしれません。

この記事の内容が誰かの力や気づきになれれば幸いです。

それでは、地方公務員のばたやんでした。

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