どうしてそんなに急ぐんだい
社会の流れていく速度に追いつくことができない 自分だけ取り残されているのではないかと感じる 経済活動のスピードは凄まじく、世の中は新製品に溢れ、それに伴った宣伝広告活動が頻繁に行われている
生活や仕事が便利になりますよ、娯楽消費をより効率的にできますよといった文句が世に溢れている 宅配の荷物も翌日には玄関まで届けられ、ぷらっと立ち寄った本屋に並ぶ商品もいつのまにか入れ替わっている 自分が部屋で鬱々として寝ていたこの一日のうちに、外の世界は変化し続けている
気分転換しようと行きつけの喫茶店に駆け込んでも、再開発の手が忍び寄っているという噂を聞くばかりで、虚しさが込み上げてくる
目新しいものをとめどなく欲するという人間の欲求を最大限増幅させるための仕事をしている人々がいて、そのために必要以上の出費を迫られ、より稼ぎを必要とする人々がいる
必要以上に出費をするためにお金を稼いでいるのだろうか 一時の変化を求めて、前より良くなっていると錯覚させられながら生きていかねばならないのであろうか よく言われる話だが、生きるために仕事をするのか、仕事をするために生きているのか、東京を歩いていると分からなくなる
パッケージングされた「幸せ」がショーウィンドウに並ぶこの街で、自分に必要なものを見極めて生きていくことは難しい