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課題としてのゲーム企画の立て方のヒント
ゲームを企画するにあたり
どんな目的でゲームを作ろうと思っているかによって
作るゲームは変わってきます。
今回は課題としてゲームを企画する場合に
どんなゲームが向いているかを学生さん向けに記述してみました。
ちなみに、目的としては例えば
趣味の場合
なにも条件はありません!
自由気ままに企画を考えて楽しんで作りましょう。
習作の場合
勉強のためのゲームづくりという位置づけ。
これも特に条件はありませんが
自分の能力から一つ背伸びして作ってみるのが理想でしょう。
そして課題の場合
学校などで作品を作ることを想定し、出来上がった作品は
なんらかのカタチで評価がなされる。という条件が出てきます。
では、企画の戦略を考えていきましょう。
課題ポイント
・期間が決められている
・評価を得る必要がある
・スキルの制限がある
このような条件が考えられます。
期間がある課題ということでスキルとしても、学業として制作者がすごく高度なことや経験値が十分にあるわけではないということを考えると
基本的には「完成させること」を最優先に、シンプルで遊びやすいゲームを目指すのがセオリーだと思います。
そのうえで、どんなゲームを企画するのがよいでしょうか。
課題としてのゲームで評価を得るには?
ここでは評価を得るためにどんな企画を作ればよいか
こんな四象限を作ってみました。
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縦軸が「面白さ」
横軸が「学習コスト」
の四象限です。
ゲーム評価の指標ってたくさんの評価軸があるとおもうのですが
ここでは考慮すべきであろうこの二軸にとって説明します。
もちろん、ゲームなので面白いほうが良いわけですが
面白さを作るにはある程度、そのゲームをプレイするための事前知識やルールなどを学習するコストがかかるわけです。
Aの「学習をせずに面白い」ゲームであればすぐ遊べるしゲームのあり方としてはベストです。わかりやすいですね。
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しかしながら、すぐ遊べるというのはルールも作りもシンプルであるはずで、すなわちゲームに複雑さが不足するため、面白さを作りにくいというのも事実です。
話を戻すと
課題として評価されるためのゲームの企画は
なるべく、ゲームの事前知識や学習コストがかからないほうが有利になります。
なぜなら、課題で作られたゲームを評価として
多くの時間をかけて遊ぶことがしづらいというのと
そもそも深みを持ったゲーム作りの難易度自体が高く、高みを目指そうとし過ぎてDの象限に着地してしまうことになりやすい。
Dが一番評価されない象限なので企画時の目測が非常に大事になってくるということ。
よって、A、面白さは必要ですが理解しやすさを優先し、次にC。
課題としてのゲーム制作の目指すならA,C象限がオススメです。
具体的には、モバイルゲームでよくある、棒人間が出てきてルールの分かりやすい「ハイパーカジュアルゲーム」といったジャンルがイメージしやすいかも知れません。
よく、広告で流れてくるようなやつですね。
もちろん、ああいう型にハマったスタイルで作る必要はなく
課題では、ビジュアル面でも成果として必要になってきますし、チーム制作であれば各パートの力量をゲームに組み込んで成果を表現していくことも大事になってきます。
ですが、根底の考え方としては
・新規性、独自性があるかどうか(新しいものかどうか)
・ルールがシンプルですぐ理解し遊ぶことが出来るか(面白そうか)
・感情を動かすことができるか(面白いか)
あたりをブレずに実現出来ると良いと思います。
また、こういった作品は凝ったゲームでなくとも
就職の際にも評価されやすいです。(作品)
※あくまでも個人的な意見ですが、独自性のある発想がゲームとして表現できていれば採用評価は高くつけていました。
収益を得るためのゲームは象限B
課題などで作るゲームというのはいかに直感的に遊びを作れるかどうかが評価となる指標でしたが
ちなみに、企業(個人でも)が収益を得るために作るのは象限Bです。
上述しましたが、Aができれば最高なんですが、現実的に、誰でも直感的に遊べて面白いゲームというのは収益を上げるためには不向きで
ゲームに対して時間を投下してもらわなければ、そこにお金を払ってもらったり、広告を見てもらったりする価値を感じてもらいにくいからです。
このゲーム絶対当たりだから、最初から課金ぶっこむぞーとかって、さすがにしないでしょうし、ある程度、納得したり気に入ってから課金などするので、深みを持ったゲームになっていなければ、プレイヤーを長期間滞在することが出来ないからです。
図にすると、こんな感じになります。
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奥行きとはなんぞや!?と思うかもしれませんが、そこは重要ではないので、イメージだけ掴んでください。
RPGでいえば戦闘だけでは成り立たない、レベルアップはストーリー進行も遊びの奥行きですし
モバイルのカジュアルゲームも1つの遊びに対して、だんだんと成長していったり、強くなっていくことでゲームの厚みをもたせることをしています。
そういったゲーム構造を持っていないと面白さに深みがでないし
基本的には収益を得るための仕組みや長時間遊ばせるための耐久性も作れないため、象限Aだけでは「面白い」は作れたとしても、収益を作るところまではたどり着けません。
実態に即したゲームと作品としてのゲームが違う理由
少し本題と脱線していきますが
実務で開発されるゲームは象限Bで
課題などの作品として作られるゲームは象限Aと
目的によって、ゲームの企画が変わるということなんです。
必ずしもゲームが別物になる
ということではないですが、象限AとBでは、ゲーム企画の方向性や目指すゲームデザインが変わることを意識する必要があります。
ちまたで流行っているあんなゲームみたいなのを作りたい
といって、作り出すとそもそも方向性を間違えることがあるので気をつけないといけません。
先程の採用の話などで評価されるのは象限Bとしてのゲーム制作の即戦力として活躍できるかではなく
象限Aとしての、独創性やアイデアを形に出来る能力を評価しているんですよね。
(スキル一点突破などで凝ったものを作るみたいな採用としての作品づくりは別手段もありますが)
まとめ:評価されるゲームはすぐに遊べるもの
少し話が広がってしまいましたが
評価される必要のあるゲーム(売れなくてもいい)は
・「面白そう」と思わせるゲームであり
・すっとゲームに入っていけるような事前知識がなくても遊べるゲーム
ということを念頭において企画を立てるのが理想です。
簡略化して書きましたがゲーム企画自体の話はこちらの記事で書いているので気になる人はこちらどうぞ。
ということで、学生さん向け(?)の記事にはなりましたが
ゲームといっても目的によって目指すべきゲームデザインを考慮しないと良い結果が得られないよ、と。
今回は言いたかったこととしては
「ゲーム」という言葉の範囲が広いので、シンプルに2軸に分けた四象限を使って、評価軸を作ることで企画が立てやすくなるのではないかと思い
記事にしてみました。
以上です。