【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで⑰
おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。
ついに冬がやってきて毎年感動している河野です。空気の香りが変わりますよね。
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前回に引き続き自分の金管バンド歴をアウトプットしてみます。前回のものはこちらからご覧ください。
【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで⑰
ヨーロピアンでの優勝も束の間、大学院の卒業式も終わり、あっという間に季節は夏。
今回はオランダでの世界音楽コンテスト(The World Music Contest)への参戦です。前回は2009年開催、コーリーは前回覇者なので今回は防衛戦という形で参戦してきました。
World Music Contest(WMC)
RWCMD(王立ウェールズ音楽歌劇大学)の卒業式当日、式を無事に終え文字通りダッシュで帰宅。その後すぐさま迎えの車に乗り空港に向かうコーチがくる停留所へ急ぎました。
ロンドンの空港に着き、いつものように超過荷物にベース(チューバ)を積み込み、いざオランダのカークレイドへ。
ここからバスで30分ほど行くと会場であるカークレイド(Kerkrade)につきます。
ホテルについて荷物を下ろし、リハーサルへ
少しゆっくりしたり
そして、コンテストが始まります。コンテストの詳細はこちらで解説していますが、おおまかに書くと欧州選手権や欧州各国の全国大会で上位に入ったバンドが参加でき、自由曲を含む35~40分のコンサートを一つと、課題曲を1曲演奏するという内容です。
この年の課題曲は河野がこれまでの人生で演奏した中で最も難しいと感じる曲でした。
J.S バッハが書いたゴルトベルグ変奏曲をノルウェーの作曲家スヴェイン・ヘンリク・ギスケ(Svein Henrik Giske)が題材にし、金管バンド用に作曲したのが『Goldberg 2012』、この年の課題曲です。(吹奏楽版もでているようです。)
これまで取り組んだどの変奏曲よりも変奏も激しく、スタイルがものすごく変化します。さらに音符の羅列も高難易度。表紙も悪夢です。
リハの時点から絶望していましたが、最初にバンドで音を出した後にバンドの雰囲気を察したのか、フィルから「大丈夫!私がなんとかする!」という主旨のメールがきてとても励まされ、みんなで頑張りました。
記録を見てみると、作曲されてから13年ですがコンテストの課題曲として設定されたのはこれまでたったの2回
この大会と、ノルウェーの全国大会エリートクラス(最上級)のみです。自由曲としては11回。その難易度から自由曲として設定し、吹き切れば上位に食い込む可能性の高い難曲です。
今回我々は自由曲に2ヶ月前にヨーロピアンチャンピオンを獲った時と同じ、Perihelion -Closer to the Sun- Concerto for Brass Bandを設定し、他にエンタメ系の曲も入れ挑みました。
コンテストを終えて、みんなでパブへ
ここでこれまでの人生で最も美味しいと感じた素晴らしいビールに出逢います。
そして結果発表です。
0.5ポイント差の接戦を制し、1位に輝いたのはノルウェーのマンガー(Manger Musikklag)、我々コーリーは2位でした。自由曲では圧勝していたのですが、課題曲で負けてしまいました。(コーリーに合わなかったようです。)
3位に2024年現在世界ランキング一位のスイスのバンド、ブラスバンド・トレイズ・エトワール、そして順番にベルギー、アメリカ2団体と続きました。
ガラコンサートでは優勝したマンガーとジョイントコンサート。この音源はCDにもなりました。(コンテストでの演奏も入っていますので、ぜひお聞きください。)
その後も特に優勝したわけでもないのでテンションは上がらず、ビールが美味しすぎたのと河野がイギリス時間の腕時計のままホテルに待機していたためバスに乗り遅れたぐらいの事件しかなく、無事ウェールズに帰国しました。
最後に
この年を最後に『メリットが少ない』という理由でコーリーはWMCへの出場をとり止めました。それよりもコンサート活動に精を出したりCDの作成、海外ツアーなどやることは盛りだくさんです。
さて、WMCを終えた翌月8月に待っていたのは14日間12公演のオーストラリア横断ツアー。果たして河野のVISAは大丈夫だったのか、そして片道24時間のウェールズからオーストラリアへの旅は無事できたのか
本日もここまでお読みいただきありがとうございました。
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Kazz