【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで⑨
おはようございます。音楽家、チューバ奏者、指揮者、金管バンドディレクターの河野一之です。
中学校吹奏楽部ってまだまだ小学生みたいでかわいいですよね、そのまま元気に育ってほしい河野です。
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前回に引き続き自分の金管バンド歴をアウトプットしてみます。前回のものはこちらからご覧ください。
【金管バンド】金管バンドとの出会いから今まで⑨
ドイツでの初めてのBb Bass in Coryを済ませ、次はナショナル(National Brass Band Championships of Great Britain=全英大会決勝)の準備です。
河野の全英大会経験は100回記念の際に観戦しに行き、101回記念の際は出場したということで1度しか全英大会の舞台では演奏できなかったのですが、実はCoryの演奏機会でRAH(Royal Albert Hall)自体では都合3~4回演奏することができ、とってもいい思い出になっています。今回はそんなナショナルとその近辺のお話を思い起こしてみます。
RAH
ロイヤル・アルバート・ホールは1871年に当時の女王であるヴィクトリア女王が夫であるアルバート公に捧げたホールで、9,000人入れる仕様になっているそうです。(現在の安全基準的には7,000人)
このとても歴史が長く、巨大なホールは英国人にとても愛されていて、このホールで演奏をさせてもらえることは一つの勲章のようなとても光栄なもののようです。自分自身も映画「Brassed Off(ブラス!)」でみたホールで実際に演奏させてもらった際には感動をしました。
また実はこのホールでは英国初の大相撲巡業がきたこともあり、ホール内の壁にその際の写真が展示されていて感動しました。
The London Welsh Festival of Male Choirs
歌の国ウェールズはたくさんの男性合唱団があり、このイベントもそんなウェールズやイングランドなど各地にあるウェールズ系の合唱団による大規模なコンサートです。そこにコーリーもゲストととして出演しました。
もう何人いたのだか全く見当もつきませんが、下の写真を見ていただければ分かる通り、おそらく1,000人以上の合唱団がおり、ピアノにパイプオルガン、そしてコーリーにとものすごい規模のコンサートでした。
DVDも売っているのでよかったら見てみてください。
Festival of Brass and Voices, in aid of Cancer Research UK
確かガン検査のためのチャリティ・イベントで我々コーリーとグライミィ(Grimethorpe Colliery Band)の合同バンドと混声合唱団でのコンサートだったと思います。
覚えているのは、ヘンデルのハレルヤを演奏するとなった時、我々Eb Bassの音がなぜか周りと合わず、相方サイモンと確認し合った結果「へ音の in Bb」の楽譜だったことが判明し、めちゃくちゃ頭を使って演奏をしました。ゲネプロがあって本当に良かったです。
本番前にバンドのライブラリアン(楽譜の司書さんみたいな感じ、元コーリーソプラノレジェンド)のグウィンと。
ゲネの合間に当時のソプラノ、スティーヴと
会場を上から見下ろしてみたり
せっかくだからとRAHの指揮台で遊んでみたり
RAHに行く機会が多かったので空き時間を見つけては資料写真をたくさん撮っていました。(=遊んでいました。)
(大きなイベントのため待ち時間が数時間ありました。英国での生活や英国金管バンド業界を体験すると長時間の移動や待機で本当に忍耐力がつきます。)
National Finals
初めてのナショナルということで、去年は観客として座席にいたのに今年はまさか世界一のバンドとともに優勝へ挑む立場になっているとは思わず、自分の人生に驚きはしましたが、テンパっている場合ではなくベストを尽くさなくてはなりません。
5月のヨーロピアンやオープンの時同様、フィルとのセクショナルもこなし、最後の週は毎晩バンドリハ、フィジカルもメンタルも極限状態になり、本番直前の控え室ではこの顔(歴戦の猛者のオーウェンはこの顔)
写真にも載っていますが、この時のベースはまだバンドの楽器であるYorkでした。歴戦のベース吹きが吹いてきたものなだけにとても吹きやすく素晴らしい楽器でした。(貸してもらった初期は音はいいのですが、めっちゃ汚かったので水通しなど掃除しました。)
この年の課題曲は『ダフニスとクロエより第二組曲』/ モーリス・ラヴェル、編曲は、難曲としても素晴らしい編曲技法でも有名なハワード・スネル(Howard Snell)です。(ミュートワークが神がかっています。ローマの松やキャンディード序曲なども有名ですね)
我々コーリーの演奏はこちらから(河野ももちろんレコーディングに参加しています。ナショナルのではなくCD版です。)(有料、英語)
この年は前年度第100回大会を制したブリッグハウス(Brighouse and Rastrick Band)が2位、そして我々コーリーはオープン同様3位。優勝はオープンも制したFoden's Band、12年ぶりのナショナル優勝にプラスしてダブル優勝ということで本当にフォーデンス・イヤーでした。せめて同じ日本人がいる(Bari.稲葉さん)フォーデンスが勝ったから良しとしましょう、と悔しい気持ちを封じ込めます。
ここでコーリーの世界ランキング一位の座に暗雲が立ち込めてきます。(河野の思う)金管バンドの3大コンテストであるヨーロピアン、オープン、ナショナルのどれも勝てなかったコーリーは世界ランキングのポイントがあまり上がらず、この内の2大会で優勝したフォーデンスはその得点を大きく伸ばし確か2位にまであがってきていました。
もしこの先11月にあるBrass in Concertを落とすとコーリーは世界ランキング一位から陥落します。河野が入団している最中にそれは絶対嫌でしたし、変な日本人が入ってからコーリーは調子を落とした?指揮者が変わってやはりダメだった?と思われるのも絶対に避けたいわけです。
というわけで次回は絶体絶命のコーリーバンド、そして河野の決死の戦いです。
こちらから続きがご覧になれます。(公開後)
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Kazz