バスケなめんなよ 12話
大事な大会
大会当日の朝
私「涼!2位以内に入らないと大変だぞ!」
涼「分かってるって!大丈夫だから!優勝だって!」
私「……あ、あれで優勝できるのか……」
涼「ちょっとオフェンスの動き教えて!」
と言う感じで自信満々な感じで会場へ向かいました。
会場の玄関前に集合と言う事でしたが、1年生数人が時間になっても来ていないようです。
私からも大会当日は絶対に遅刻しない事!
早く来る分には全く問題ないから、親にもそう伝えて絶対に遅れないように!と、話をしました。
もちろん、中川先生からも同じように言われていました。
中川先生の顔が曇ります……既に5分遅刻…
その後すぐに数名が親の車で到着しました。
私が衝撃的だったのは、遅れてきたのに親が謝りに来ない事でした…
一体どうなってんだ?
さらに、何事も無かったかのように近づいてくる1年生……これは本当にヤバいな…
流石に中川先生が怒りました。
中川先生「なんで遅れてきたのに歩いて来てるんだよ!なんですみませんが無いんだよ!君たち以外全員ちゃんと来てるんだぞ!いい加減にしなさい!」
遅刻野郎「……寝坊して遅れました…すみませんでした…」
私は遠くからその光景を見ていましたが、核心しました。
絶対に親が悪い!!
集合時間のプリントは親に渡っているし、メールでも同じものがPDFで送信されているし、間違えが無いように前日に保護者LINEでも周知しておりました。
だから絶対に親が悪いし、親がおかしい!!!
仕事等で送れなかったり、遅刻してしまう場合は同級生の保護者の車で来るルールも決めてありました。これは絶対に保護者がおかしい!
私は呆れると言うより、哀れな目で遅刻してきた保護者を見ていました。
次こう言う事があったら、保護者会長として厳しく叱責しようと決めましたw
そうこうしてるうちに、子供たちは会場へ入って行きました。
初戦は2試合目と言う事だったのですが、他のチームの試合を観るために私も会場に入る事にしました。
ここで市内の参加学校を紹介しておきます。
1.鳥川中学校 涼たちの学校 ※読み方 とりかわ
2.中央中学校 ※読み方 ちゅうおう
3.成立中学校 ※読み方 せいりつ
4.下水中学校 ※読み方 したみず
5.沢田中学校 ※読み方 さわだ
6.村池中学校 ※読み方 むらいけ
私は初戦の成立中学校×沢田中学校が観たかったのです。
沢田中学校には何も興味はありませんが、成立中学校のプレイをどうしても観ておかなくてはと思ったのです。
理由は
中川先生「成立のエースの登山君がリバウンドメチャクチャ取るんですよ!」
と、聞いていたので気になってました。
試合が始まり1分で意味が分かったと言うか、中川先生何言ってんの?って感じになりましたw
登山君はメチャクチャ上手いのですw
もうこの会場にいる同級生達では100%止める事は出来ません……
ワンプレー見れば分かりますw
あと、リバウンドをメッチャ取ると言う顧問の感想ですが、ランニングリバウンドがめちゃくちゃ早いのです。
つまり、登山君はきちんとバスケットの動きをやり続けているのです。
その他に2人上手い選手もいました…
この時点で鳥川(涼の学校)の優勝は無いと確信しましたww
因縁の下水中との試合…
そうこうしているうちに涼たちの初戦が始まりました。
初戦の相手は「下水中学校」です。
7-2-7
スタメン
涼 ガード
大翔 シューティングガード
三井 スモールフォワード
槙野 パワーフォワード
金剛 センター
下水中は、先日の練習試合で試合中にも関わらずコートに入ってきて、涼の事を怒鳴りつけた学校ですw
相手にとって不足なし、と言った状況でしょうかww
先制点を挙げた鳥川中でしたが、その後停滞しシーソーゲームを繰り広げています…
とにかく、槙野と金剛のトラベリングが多すぎます。
槙野は無理やりドライブで突っ込んで、DFに当たられてボールを掴まれ、3歩目を歩いてばかり…
金剛はポストでボールをもらうも、ドリブルの前にステップを踏んでトラベリング…
まだ中学2年の夏だからなのか、相手チームもトラベリングやダブルドリブルを多発してくれたおかげで、良い状態で進んでいます。
得点源は、涼のドライブからや金剛のゴール下、そして速攻です。
保護者会練習で「本気で走る!」を教えた効果が見えました。
相手の下水中は特にこれと言った特徴はありません……
1Qを18-10で終えました。
私はギャラリーから涼たちの鳥川中学校を応援していましたが、よその中学校に比べて保護者の数が圧倒的に少なく感じました。
弱小チームゆえの現象……流石に2年生の親は全員来てましたけど…
ベンチで涼たちが何か話をしていますが、ギャラリーの私には何も聞こえません。
ただ、槙野にローポストで勝負しよう!
みたいな事を言っているように感じました。
これはかなり良い案だと思いました。槙野は3Pやミドルが全く入りません。強引なドライブからのシュートが9割です。
しかし、先ほども言ったように相手DFに捕まりトラベリングや、ボールを奪われるシーンが目立ちます。そうなるとチームは波に乗り切れません。
やはりある程度の形を作り、シュートで終わらなければ良い流れを掴む事は出来ないのです。
槙野はそれなりに体が強いし、あまりドリブルをしないプレーの方が向いていますww
2Qが楽しみです。
メンバーに変更は無く最後の2Qが始まりました。
負けている下水中は積極的に責めますが、良い形でシュートが打てません。
これは決して鳥川中が良いDFをしてる訳ではありませんww
1Q特に動きが無かった大翔が動き出します。
積極的にドライブし、バスケットカウントをもらいますがフリースローを決めきれず…
それに触発されたのか、三井がDFで奮闘します。
積極的にプレスを掛け、相手のファンブルを誘います。
それを涼が奪い速攻で得点。かなり良い流れになってきました。
その後も涼のドライブからファールを誘い、フリースローを量産します。
難なくフリースローを決める涼の姿を見て、ちょっと凄いなと思いましたw
下水中は鳥川中の一方的な攻撃に我慢できずにタイムアウトを取りました。
しかし、何も効果は無くタイムアウト後も鳥川中の攻撃が続きます。
このタイムアウトで、鳥川中は槙野へのポストプレーを再度要求したみたいです。
早速、槙野はローポストでボールを受けゴール下シュートを決めました。
もっと早く槙野がこのプレイをやっておけば、かなり楽な展開になったと思います。
とは言え、鳥川中の勢いは止まりません。
涼の3P、大翔のドライブ、金剛のセンタープレイ、槙野のゴール下
そして………三井のギャラリーまで飛んでいく3P……一体どうやったらそんな所までボールが飛んでいくのか理解不能です…
三井は小学2年生位からミニバスをやっていたはずです…
ミニバスってやっててもあんまり関係無いのでしょうか?
その後も。涼のパスカットから速攻や金剛のゴール下などで試合を確実なものにしました。
鳥川中 下水中
36 14
20点差以上付けての勝利です。
まぁ下水中から何点取ろうがあまり価値が無いのは理解しているのですが、初めての大会で勝利できた事は、涼たちはかなり嬉しかったと思います。
次は絶対的エース「登山」を要する成立中学校です。
前に書いたように、登山を止められる選手は現段階では誰もいないでしょう…
あともう一つ最大の懸念事項があります。
それは、登山の相棒の「庄野」(しょうの)とのオールコートDFです。
登山と庄野がバックコートからDFを仕掛けてくるのです。
これはかなり分が悪い話です…
鳥川中はオールコートDF対策なんてやっていません……
果たして涼と大翔とでボールが運べるのか?私は下水中との試合を終えた涼に話しかけました。
私「まずは良かったな!次の成立中だけど、オールで当たってくるぞ…」
涼「そうなの?大翔と運ぶから大丈夫でしょ?」
私「いや…それがそうでもないんだよ…もし、大翔とボールが運べない状況だと判断したら、一人下がってきてもらってそいつにすぐパスを出したほうがいい」
涼「……そんなに凄いの?じゃあ槙野に下がってきてもらうわ!」
私「…そうだな、本当は金剛が下がってくるべきだけど、若干経験のある槙野の方が理解できるよな…ちゃんと話をしておけよ」
涼「わかってるって!絶対勝つから!」
私「……お、おう…がんばれよ」
涼は事の重大さに気づいていません…と言うことは、鳥川中は誰も成立中の強さに気づいていないのです…
そこに涼たちの顧問の中川先生が私に話しかけてきました。
中川先生「まずは1勝できて良かったですが…次ですよね…成立中ですが、どうでしたか?」
私「かなり厳しい試合になると思います…まず、まともにボールが運べない可能性があります」
中川先生「えっ!涼と大翔でも運べませんか?」
私「おそらく……なので、まずいと思ったらすぐに槙野に下がってきてボールをもらうよう指示したほうが良いかと思います。涼にもそう話しました」
中川先生「わ、わかりました…ありがとうございます」
やはり顧問は成立中学校のDF力の高さに気づいていませんでした…
とは言え、今更何かトリッキーな事はできません。
とにかく、涼と大翔が全力でボールを運ぶしかないのです…
鳥川中の保護者は下水中に勝った事で、テンションがMAXになっていました。
あまりバスケの事は分かっていないようです。
仕方ありません…中学からバスケを始めた部員のほうが多い訳ですからね。
私は成立中との試合後の保護者のテンションを容易に想像する事ができていました。
下水中との試合ないようですが…
オフェンス練習を殆どしていない割には良くできたと思います。
個人で抜きにかかる涼であったり、ゴール下で得点を重ねた金剛の2人は、鳥川中学校の攻撃スタイルの象徴であり、今後も重要な得点源になり続けなくてはいけないと感じました。
一方で、大翔にはもっと点を取ってもらわなくてはいけません…
自分が点を取るんだ!と言う強い気持ちを持たなくては、これからの中学バスケ生活は難しいのではないかと思います。
槙野は、0からバスケを勉強する必要があると思います。
0とは、大前提に人の指示や意見をきちんと聞く事。
そして、基礎練習を毎日やり続ける事。
まずはこれをやらなければ、鳥川中学校の弱点になってしまいます…
三井も槙野と同じです。
中学バスケ部は本当にひどい状況
逆に対戦相手の下水中学校ですが…
もはやどうにもならない印象でした…
やはり、コーチは重要です。
自分のやりたいバスケや、教科書に書いてある通りの練習では十人十色の部員達には通用しません…
もっと言えば、バスケIQが無い部員達に日本代表やNBAがやっているような練習を急にやらせても上手くなるわけないし、まず理解できるわけありません…何度も言いますが、そもそも部員たちのバスケIQが全く足りていないのです…
それにもかかわらず、自分本位な練習や言葉を発している教師やコーチは、今すぐ自分の技量を理解し退任した方が賢明です。
そうすれば、被害を受ける子供たちが少なく済みます。
色んな中学バスケ部で本当に迷惑な事になっています。
全て、教師やコーチあるいは協会に原因があります。
私の周りの子供達や保護者もの大勢がとんでもない迷惑を受けていますし、子供の未来が潰されています!
自分がコーチをやりたいからって、将来がある子供たちを巻き込まないでください!!
老害は即退場でお願いします!!!
次回は
成立中の強さは??
ぜひご覧ください!!!