都築郷士 ちよつとはみだ詩・❲六四❳ 附・詩人の為の(秋冬)ワードローブ集
「鷲の鳥」 大あこうの根ざしに なりあこうの本ばいに 一の枝ふみのぼり 七の枝ふみのぼり 一ぴらい巣ばかけ 七ぴらい巣ばかけ 一ぴらい卵産コガナし 七ぴらいこがなし.... 八重山諸島の古歌より
【チエ】
僕には学歴もない
ないないづくしの最後つ屁
どの閥に付くか -
どうせ何処でも疎まれて
晴れて十月 天高く(嘘)
どろどろの雲立ち込める
夜空。
東京には空がない
と、言ひ放つたのは
ナニ子だつたつけ
チエ子はわかるが
漢字の当てが分からない
僕にはチエ子がゐない。
何度でも ない、と歌つて
僕といふ存在を浮き立たせよ!
そんな實存主義。ちやんちやん。
©都築郷士
【短詩】
雨激しこの世なべてを皿洗ひ
※
やればいゝこと遠回し迂ウー邪魔だスマホ取り出しうるさいと云ふ
※
腹一杯真水飲んだれば己はダム
※
鍋底まで舐むマザーグース近しきグロ
※
貧である貧血である貧月である
【詩情】
引用文に
あーこれ俺知つてる、讀んだ(ドヤ顔)←古語
ポーズなんだよ
けたくそ悪い
政治屋の
「やつてる感」と同じ -
どうせ己の詩には勝てん
藝術に勝ち負けあるとせば
スプレー缶のアーティストが
ボードに片足乗せ
何やら噴射
凄いのは一筆描きだ
と言ふこと。もつとやれやれあんちやんよ
もつとやれやれあんちやんよ
己の夜の散歩を
飾つてくれ。
©都築郷士
【虚言箴言】
文學·詳しい、を装ふ為には?ニューウェーヴSF作家の名を幾つか並べてみれば。- ラ=ロシュフコオ (大嘘)
サンリオ系の話にはもう飽きた。だいたいにおいてルネサンス期の人物にNWSFの話が出來る筈がない。筆記者の悪ふざけ=特に樂しいものでもない。
【今夜の金ぼし】
花金を眞に受け夜を里祭
所謂「花金」なんて言葉に縁の全くない人もをらう。私はぶらぶらもんだからはつきり意識出來ないが、なんか騙されてゐる感じは、大方の人たちにはするだらう。その気持ちに乗つて詠んだ短詩。
(句、自註とも©都築郷士)
巻頭の「古歌」は、作家·大城立裕氏の採集による。
つー事で、一気にやつたら疲れたわい。アデュー。
キャラメルの歯に付く樂し懐かしき
(©都築郷士)
本物の「懐かしさ」とはかう云ふものである。&オマケ!