都築郷士 夜のいくつか(b
【「言」論の自由】
言葉が言葉を呼ぶ
多言語世界
形容が形容なせる
偽古典世界
どちらも
今、私が立つ立場の説明と
なつてゐるが、
- 調べを輕視すれば
全てぶち壊しに
それもまた良いと
彼女は叫んだ
所謂「おヒス」である。
全てぶち壊しに
してなるものか、と
私は屹立しやうとするが
それ本來が魅力的なので
腰砕けになつてしまふ。
あゝ、言語を巡り
彼女と幾つの夜を無駄骨にしたか
(骨に無駄などない、本当は)
彼女と幾つの夜を無駄骨にしたか
考へ、考へ
この狭苦しい部屋に
まだ根づいたまゝで、
だらう?- と言ふ
流行語大賞だつてさ。
死、あるのみだわ。
私は産まれる前みたいに
泣き始めの一聲の
計画を練つてゐる。
©都築郷士
※
桃太郎の顰みに倣ひ柿太郎 くにを
Fin.
Dedicated to Mr. Lennon.