【臀】詩。フォトタップシテクダサイ

画像1 懊悩は あつと云ふ間に膨れ上がる 痩せつぽちの大泉滉を 臀に敷いてゐる巨体の女房だ カサヴェテスの『ミニー&モスコウィッツ』を Bunkamuraの館で観たその晩も 彼女は他の男と寝たのだ 純愛映画に お前、それはないだらう 故・志村けんさんの往年の名ギャグを 悲しく哀しく思ひ 己は、隣の上映スペースだつたな パム・グリアーの若い頃の映画も観たかつたし 違ふ階での『サクリファイス』 タルコフスキー死す-も観たかつた 騙され貶められ 泣くならばその当時だつたのに 中年男の涙は透明でない- 赤だ。 ©都築郷士

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