ショスタコーヴィチの交響曲まとめ

ショスタコーヴィチといえば、交響曲が多い!!
15曲もあって、どれがどれだか、どれをどういう気持ちで聴けばいいのか(少なくとも私は)分からなくなってしまいがちです。
そこで、どれがどれだか『分かりやすく』まとめました。
あくまで自分用かつ、分かりやすさを重視しているため、文体の崩れ、因果関係の怪しいところ、実際には大切な弦楽四重奏曲、オペラ等の解説を意図的に割愛している点をご了承ください。

〜〜〜何者にも縛られないシーズン〜〜〜

◆交響曲第一番

・音楽学校卒業作品
・ちゃんと四楽章構成だけど、グラズノフに「和音ちょっと直そっかw」とか言われる程度の現代感
・尚、直さず不機嫌にさせる模様
・伝統的&斬新で大成功!!最高のデビューだぜ!!

◆交響曲第二番「十月革命に捧げる」

・出版社からの依頼「革命10周年讃えておくれやす」→レーニン最高!みたいな歌詞
・単一楽章、無調、27声部のウルトラ対位法、合唱つきとやりたい放題←ヨーロッパで流行ってたからね
・最初は好評だったけど、ヨーロッパ「社会主義最高!みたいな歌詞はちょっと……」

◆交響曲第三番

・第二番の姉妹作ってことで自分の意思で作成
・相変わらず合唱付き単一楽章だけど、お祭りモチーフだから現代感は薄め
・評価は大体第二番と一緒

【プラウダ批判(スターリン)】

・「社会主義の役に立たない作曲家は粛清。特にお前、ショスタコーヴィチ。」って新聞に書かれた事件。
・第二番とか第三番みたいな西洋で流行ってる現代曲やめろ
・社会主義最高!戦争の勝利万歳!!って曲書け

◆第四番

・合唱ないのに134人必要なバカでか曲
・演奏不可能なほど難しく、ポピュラー音楽・マーラーの影響がでかい『現代曲』
・上の批判にビビって初演中止。25年間演奏されなかった……

〜〜〜ソ連怖すぎシーズン〜〜〜

☆ここから2年に1曲のペースで発表

◆第五番

・ソ連が気に入らなかったら粛清されてもおかしくない状況での作曲
 ↑実際に友人殺されまくってた模様
・分かりやすく古典的で王道の四楽章構成で作曲。テーマはいまだに不明。
・大好評!ショスタコ一命を取り留める。ステージ上で泣きそうになりながら「答えた」

◆第六番

・名誉復活した中で作られた叙情的な交響曲
・「運命→田園」みたいな流れだね

〜〜〜戦争三部作(第七番〜第九番)〜〜〜

◆第七番「レニングラード」

・ナチスに囲まれた故郷レニングラードの中で作曲
・「戦争」「故郷への愛」「勝利」を描写
・ソ連当局だけでなく国外でも大好評!

◆第八番

・第七番と同じく戦争を描写!だが……
・めっちゃ暗い。戦争は悲惨……
・ソ連「暗い!戦争は良いもんだよな!?!?もう演奏すんな!次は明るい曲かけよ!」

◆第九番

・ショスタコ「明るい曲作りました!」
・ソ連「第九みたいな壮大なのだと思ってたんだけど」
・おしゃれで可愛くて皮肉っぽくふざけてる様な一曲。
・ソ連「スターリンのこと舐めてる?」
 →ここから8年間交響曲の作曲中止

【ジダーノフ批判(スターリン)】

・社会主義の役に立たない作曲家は粛清。当然お前もだ、ショスタコーヴィチ。
・スターリンのことを称えた歌詞のわかりやすい曲を作れ。
・器楽曲の多くが演奏禁止。→プロコフィエフは借金まみれ。
・ショスタコは交響曲の作曲を中止。オラトリオやカンタータ(声楽曲)を作ることに。

ーーこのまま、5年の歳月が経つーー

【スターリン病死→雪解け】

・絶対的支配者の死亡
・ソ連が終わったわけではないけど、解放感
・ソ連とアメリカの歩み寄りが始まり、少し落ち着いたご時世
・第四番が「初演」

〜〜〜スターリンから解放(?)シーズン〜〜〜

◆第十番

・スターリン死んだ!!俺の時代がきた!!!スターリンと俺と好きな子の曲作ったろ!!!
・ショスタコ「戦争三部作の真の完結編は、第9番ではなくこれから作る第10番だ」
・一楽章「これまでしんどかったな〜〜〜〜」
・二楽章「スターリン過激なやつだったな〜〜〜」
・三楽章「俺、君のこと好きなんだよね」
・四楽章「俺の時代だあああああ!!!!!」
・「スターリン死んだとはいえやりすぎじゃね?」派閥と「いいぞもっとやれ」派閥で大激論→全体としては好評

◆第十一番「1905年」

・第十番で調子乗りすぎて、政府に目付けられてるからソ連の曲書いとくか……
・ソ連発足の理由になった「血の日曜日事件」の曲でも書いとくか……
・交響曲ながら、テーマに従った交響詩
 →ソ連大満足

◆第十二番「1917年」

・第十番で(以下略)
・ソ連発足の理由になった「十月革命」(以下略)
・交響曲ながら(以下略)
 →ソ連大満足

◆第十三番

・ショスタコ「マーラー好きだし、ユダヤ人虐殺事件の曲書くぞ」
・ソ連「ソ連に人種問題は存在しないが?歌詞書き換えろ!!」
 →初演に対して嫌がらせ。党員の監視、奏者交代相次ぎ、警官隊出動。大騒動。
・客「ブラ・ボー・ショス・タ・コー・ヴィチ!」

【冷戦開始】

・アメリカvsソ連の溝は深くなり、国内の情勢悪化……
・ショスタコ「でも個人的には生活安定してるし、栄誉もいっぱいあるし、音楽しやす〜いw」
・寿命感じてきたし、好き勝手曲作るで……

〜〜〜死を意識、全てから解放シーズン〜〜〜

◆第十四番

・「人生は一度しかない。だから私たちは、人生において誠実に、胸を張り恥じることなく生きるべきなのです」
・弦楽器+打楽器+独唱だけの特殊編成
・無調、十二音技法、トーンクラスター、11楽章構成とやりたい放題

◆第十五番

・最後の交響曲。伝統的な四楽章、一般的な二管編成。
・室内楽、自他作曲家の引用、十二音技法など、これまでの曲、人生を振り返る。


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