またも○○ロス!?地獄のような脚本に阿鼻叫喚。メフィラス義村の無駄マッチョにも総ツッコミ。第21回「仏の眼差し」見どころ振り返り!【鎌倉殿の13人】
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第21回の感想です。
(※以下、ネタバレ注意)
「義経ロス」の哀しみも癒えぬうちに、なんだこれ地獄かよ、と思いましたね……
Twitterを覗くと、そりゃあもう『鎌倉殿』クラスタが阿鼻叫喚でしたよ。何って、まさかの義時(小栗旬)の妻、八重(新垣結衣)さんの死。
とは言え、前回の予告の段階でなんとなーく想像はできてた方もいたみたいですけど。そもそも、八重さんこと「八重姫」って、史実では入水自殺をされてるんですよね。
確かに大河でも、頼朝(大泉洋)が政子(小池栄子)と結婚して仲睦まじい様子を見て、八重がショックを受けている場面は描かれていましたよ。
しかしあれから時は経ち、小四郎こと北条義時と結ばれて子までもうけた八重。今回の第21回では、またあの空気の読めない頼朝が、あろうことか政子や義時が居る前で八重との思い出話に花を咲かせますが、八重は苦笑しながらも全スルーを決め込みました。
そして義時と共に家に帰り、自信喪失している夫に、「はっきり言います。(頼朝との過去のことは)どうかしていました。小四郎殿で良かった」だなんて言うのです。そして義時と抱き合いながら、「私と、金剛をお守りください。私も、あなたをお守りします」と……ああもう、今そのシーンを見返しただけで、先の展開を想いながらまた涙が溢れそうになりますが……ふえぇ。
ただ、その死の描かれ方がですよ。冒頭で義時の家にやってきた孤児の「鶴丸」。これが八重と頼朝との間にできた子「千鶴丸」と非常によく似た名前と言うか、「千」があるか無いかの違いというだけですが。この「鶴丸」が川の中に取り残されているのを八重が助けて、その身代わりに流されてしまう、という展開になっていました。
これをSNSでは、かつて助けられなかった我が子を、今度は自分が身代わりになって助けられたんだね、と感動的に捉えている方もいました。ただ、それよりも慌てて助けに入って、「鶴丸」だけ預かってヒョイヒョイっと岸に戻ってしまった三浦義村(山本耕史)よ。オメーの筋肉はなんのためにあるんだ!八重さんも一緒に助けろよ!なんて声もありましたけど。
やっぱり、繰り返しそのシーンを見ても、義村が油断してたようにしか見えないんですよねぇ。
まぁ、子供のことが第一なので、川から上げても、ひょっとしたら足を怪我してるかもしれないし、義村はそれを案じた可能性もあります。八重は大人だから上がってこれるだろうぐらいに考えたのでしょうか。
また、女性ということで八重は着物を着ていたわけです。それがたっぷり水を含んでしまって、自分の力では川の流れの勢いに勝てない状況にあったのを、義村には想像できなかったのかもしれない。
はたまた、「千鶴丸!」と思って勢いで川に飛び込んでしまった八重。子を抱えて途中まで引き返すことはできても、義村に助けてもらったことで安堵し、いわゆる「火事場の馬鹿力」状態が急に解除されて、そのまま川に倒れ込んでしまったということも考えられます。確かにハァハァしてたもんな。
いずれにしても、その場にいながら八重を助けられなかった義村。政子にこのことを報告して「申し訳ない」なんて頭を下げるわけですが、その直後には「助かる見込みは万に一つもないな。小四郎も、ほとほと運のないやつだ」なんて他人行儀なセリフを口にしていました。ひょっとしたら義村、『鎌倉殿』の中で一番サイコパスなキャラなのかもしれない。人の心がわからないのか。
まぁ、言うて現在公開中の大人気映画『シン・ウルトラマン』で「メフィラス星人」を務めた山本耕史さんですからね。この義村も実は、義村の皮をかぶった「メフィラス星人」の可能性もある。外星人なら仕方ないのか……。
冗談はさておき。そういう風に、何考えてるかわからない義村ではありますが、もっと「何考えてるかわからない」状態にあるのは政子と頼朝の娘、大姫(南沙良)。最愛の人・義高(市川染五郎)を失ってから確実に精神を病んでいっていましたが、今回では「オンタラクソワカ」なる真言を皆に広めるというスピリチュアルな行動に走って、作中人物たち並びに視聴者の皆さんを不安に陥れていました。
「オンタラクソワカ」自体は、本当にありがたい言葉であるのは間違いないようですが。
ただ一般的に、まじないの類というものは、間違って使うことで逆に不幸が舞い込むとも言われています。
八重の事故の一報を聞いて「ムダよ。助かるわけないわ」なんて言い放つ大姫。これは義高の死の直前を思い出してそう言ったとも取れますが、自分のやったスピリチュアル行動が逆の意味で功を奏してしまったことを悟ったから、と考えるのはいささか深読みが過ぎるでしょうか。
そう言えば、時政(坂東彌十郎)にも「赤ちゃんに生命を吸い取られている」なんて言っていましたね。あまりの不思議ちゃんワードに、僕も作中人物ともどもポカーンとしてしまいましたが。思い返せば、心を病んだ大姫が「北条家にも災いが起きるかもしれない、むしろ私が起こしてやれ」みたいなことを考えて言ったセリフだとしたら、そら恐ろしいものがあります。まさか、時政じゃなくて八重さんに不幸がふりかかるとは思っていなかったでしょうけど……。
ともかく、21回のラストでは何も知らない義時。次の回の予告で、嫡男・金剛(森優理斗)とふたり、ポツーンと座っている寂しげな様子も一瞬流れましたけど、どんな目で見ればいいのかわからないわ。
本当に怒涛のような展開になっている三谷幸喜さんの大河ドラマですけど。ここにつなげるための前半のコメディ回が続いていたのだとしたら、やっぱり天才というほかないです。視聴者の心を弄ぶのがうますぎるよねっ!次回も観てやるんだからっ!(ツンデレ
あと個人的には、義時の弟として新登場した北条時房(瀬戸康史)クンの今後の活躍が気になるよ。
「義時、弟とかおったんかワレ!」と思いましたが、実は初回から登場していた(※ただし赤子だった)とかウケるよね。他にも、すでに嫁いでいた妹たちもいましたし、冒頭の「北条家、大集合」シーンはなかなかの名場面でしたよ。
大河ドラマというものは、いなくなるキャラがいれば、新登場するキャラもどんどん増えてきますからね……なんとか心を強くして、次回に備えましょう。
まぁ……来週は、「後白河法皇ロス」か……。