M_lk Chocolateに使われている「チュファ」って?
バリーカレボージャパン株式会社 研究開発部長 川上 真史
海外のチョコレート工場をパンクさせたM_lk Chocolateとは
M_lk?Milkでないの、と思ったかもしれません。これは動物由来でなくプラントベース(植物由来)のミルクと弊社内で使い分けています。
そして大切なことは、特にヨーロッパやオーストラリアの市場がのびているということです。売れすぎて、弊社の海外工場では、プラントベースのチョコレートのラインが製造キャパを越えたところも出てきました。
そういうわけで、プラントベースチョコレート。注目の市場です!
ミルク置き換えにこだわったらまさかの〇〇が答えだった
ミルクの置き換えで何が思い浮かびますか?豆乳、オーツミルク?バリーカレボーでは世の中に存在する20種類以上の素材をすべてスクリーニングしました。その結果見つけた究極のミルク置き換え素材。それが「チュファ」だったのです。
その評価はかなり大変。風味、製造適性はもちろん、アレルギー、法律、コスト、知名度など。その結果、究極のミルク置き換え素材としてのバリーカレボーからの答え。それが「チュファ」なのです。
ということで、今日は「チュファ」って何という素朴な疑問にお答えします!
「チュファ」って?
チュファは、カヤツリグサの根元に生える塊茎のような果実です。栗やアーモンドのような自然な甘さとクリーミーな口当たりが特徴です。別名、タイガーナッツ。スペインではミルクのような植物性飲料「ホルチャタ・デ・チュファ」の原料として親しまれています。
「チュファ」は身体にいいの?
チュファは美味しいだけでなく、栄養価も高く、スーパーフードとも考えられています。
食物繊維(プレバイオティクス繊維)とビタミンEが豊富で、マンガン、銅、亜鉛などのミネラルも含まれています。
「チュファ」って昔から食べていたの?
その質問をお待ちしていました。スペインでは「チュファ」と呼ばれていますが、世界的には「タイガーナッツ」と呼ばれています。でも、実は、実は、実は「ナッツ」ではありません!
アフリカを起源に200万年以上も前より存在している、地球最古の「野菜」です。何世紀にも渡って人々の健康維持に最適とされ、食されてきました。 古代エジプト人もチュファを愛用。栄養価と癒し効果が絶大であることから、貴重な財産として珍重され、埋葬の際も石棺に入れていたそうです。
チュファは数千年前エジプトを経て栽培穀物としてスペインに渡りました。
1200年代にタイガーナッツを絞った「オルチャータ」という飲み物が誕生したのです。 「ホルチャタ」という名前は、カタルニア地方からバレンシア地方を支配していたハイメ1世が、この飲み物を賞賛した言葉に由来します。 「ホルチャタ・デ・チュファ」は、タイガーナッツと水だけで作られます。栄養豊富で抗酸化成分がたっぷりの甘くて美味しい飲み物です。
「チュファ」は日本にあるの?
日本語では、カヤツリグサというそうです。
カヤツリグサの名前は「蚊帳吊り草」の意味で、昔、この植物の茎を引き裂いて蚊帳を吊ったような四角形を作る子供の遊びがあったことに基づいています。
残念ながら同じカヤツリグサでも日本に生えている種類からは「チュファ」はとれないようです。
究極のミルクの置き換え素材「チュファ」について説明しました。「チュファ」を使ったバリーカレボーの渾身のプラントベースチョコレート「M_lkチョコレート」をぜひご賞味ください。
あとがき
TED動画の「マルコム・グラッドウェル、パスタソースと幸せについて」がすごく良かったので紹介します。美味しさは1つの完璧な味を求めてはいけないこと、おいしさの多様性を受け入れることが幸せにつながること、人の美味しさはなかなか表面化しにくい(訊いてもなかなかでてこない)ことなど、分かりやすくユーモアたっぷりに話してくれます。
動画の内容とは異なりますが、彼の書いた「天才! 成功する人々の法則」という本もとてもお勧めです。
以上です。次回もお楽しみに!