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シャーデンフロイデ

生き写しではなかったから
心に人型の空間が出来ていた
裏切られたとでも思ったのだろうか
今君の背中を見送っているのは
ダサいなんて笑い流してほしい
駅の階段を下り離れていく
誰かの不幸を望んだ結果

喋り過ぎた晩夏の夕方
汗を拭きながら点けた冷房
戯れて噛み付くさながら犬猫
テレビで観たい事なんて今更

離れて造る未来はお互い速度が違う
価値も見た目も変わってしまう
アポリア、
二つ以上の整合性或る答え
アポリア、
選んだ僕と君の答えは

朝にだけ鳴く鳥の声を
唄みたいにまつり上げて
その実それは今日飢えない為の悲鳴や
生殖行為の一部なのに

喋り過ぎた後の空白で
あと何を言えば良かった
あと何を足せば良かった
むしろ話さなければ
誰かの不幸を笑った結果
今日愛されたい為の悲鳴が
ティッシュペーパーの様に消費された

言わなくても良い言葉は
発した後に決して消えない
不寛容な時代になりました
なんて川面に落ちた一滴の墨
瞬く間に
何処に在るのか見つけられなくなった

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