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2020年のコーヒー業界予測

いよいよ令和2年、2020年がスタートしました。

自分の業界予測がどれほどの精度かを見極めるためにも、今年のコーヒー業界を予測しておきたいと思います。

1、ゲイシャが活況!
ゲイシャ種のコーヒーは徐々に広まりつつあり、多くの店で飲めるようになったのが、ここ2年ほどの話し。このゲイシャ種、もっともっと一般店で飲めるようになってくると予想します。
2004年にパナマの品評会で世の中に披露され、2010年頃からは他国での生産されるようになってきました。そして、バリスタやブリューワーズなどの競技会や、COEなどの品評会ではお目見えしていたものの、日常的に飲めるお店というのはほぼ存在していませんでした。
それが2019年、東京は日比谷に、ゲイシャ専門店 GESHARY COFFEE(ゲシャリーコーヒー)がOPENしました。最高級品種のゲイシャだけを扱い、他品種は一切扱わないという世界でも例のない専門店です。コスタリカにある自社農園のゲイシャ種や、パナマでも品評会で優勝や上位入賞を果たすレベルのゲイシャ種を扱い、自社製造のコーヒーマシンで1杯1杯抽出するという徹底したお店です。これ以外にもKitte丸の内のサザコーヒー では、ゲイシャ専門のイベントなどを実施、常にゲイシャが飲める仕組みが整っています。
2020年、これからゲイシャは、もっともっと広がっていくでしょう。

2、発酵コーヒーが少しずつ広まる
”ファーメンテーションコーヒー”
”カーボニックマセレーション”
”アナロビックファーメンテーション”
これらは全て、コーヒーを精製段階で発酵させたもののことです。
このファーメンテーションコーヒーとは、コーヒーの精製で意図して嫌気性状態に置いたり、酵母を混ぜて発酵を促したりすることで、独特のアロマやフレーバーを生み出す手法です。バリスタの競技大会であるJBCやJBrCでもここ数年、優勝者をはじめ、ファイナリストの多くが使用し、話題になっています。この発酵、生産地で実施するためには、専用のタンクに対する設備投資や、それ用の知識も必要になります。なのでなかなか作られることもなく、一部の生産者による専売特許のようになっていました。しかし、徐々に知識と必要な設備が広まり、このコーヒーも市場に出回るようになってきました。まだまだゲイシャほどの広がりはありませんが、この2020年からは、もう少し世の中のコーヒー屋さんでも飲めるようになってくるでしょう。
もしいち早く体験したい場合、「コーヒー 発酵」や「コーヒー アナロビック」などのキーワードで検索して、調べてみるといいでしょう。

3、新興産地のコーヒーが市場へ
新興国でのあるインドや、南米のペルーなどでは、急速に質の高いコーヒーが作られてきています。両国とも、多くの専門家からそのポテンシャルを高く評価されており、今後は素晴らしいコーヒーを生み出していくだろうと言われています。実は中国の雲南も積極的に生産に取り組んでおり、私もその動きに注目しています。
特にペルーはCOEなどの品評会を中心に、インドは価格の低いスペシャルティコーヒーを産出し、この業界の縮図を変え始めていくかもしれません。

4、コーヒー専門店のスクラップ&ビルド
ここでいうコーヒー専門店とは、カフェ、コーヒーショップ、豆売り店の中でも、特にスペシャルティコーヒーの販売や抽出を生業にしているお店のことです。ここ10年ほど、コーヒー店は「出せば売れる」という時期が続き、多くのコーヒーショップの出店ラッシュが続きました。特に中小のスペシャルティコーヒー店は、出店ラッシュが続いています。しかしこの12月も、次世代を担うと目されてきたコーヒーショップが破産し、報道こそされませんが、有名スペシャルティコーヒー店も、出店したものの赤字が続き、一定期間が経過しても黒字化の目処が立たない店も目立ち始めています。
日本は深刻な少子高齢化で、その影響からか「出せば売れる」の時期はすでに終わったと感じています。これからは少ないパイの奪い合いとなるので、品質を高めることは大前提に、それ以外に重要な軸が必要になってくると予想されます。
パンなのか、スイーツなのか何か売りな商品を作っていく方法。店自体に独自のコンセプトを設ける。「何が他と違うのか」という差別化を測ることができなければ、品質だけでお店をやっていくことは、徐々に難しくなっていくことでしょう。

5、異業種とコーヒーのコラボが加速
六本木ヒルズにある「GACHA GACHA COFFEE」は、デザイン会社nendoが手がけるコーヒー店で、丸山珈琲とコラボしています。子供のおもちゃなどがカプセルから出てくるあの「ガチャガチャ」をスタイリッシュなデザインで設置し、その中にはおもちゃではなく、コーヒーが入っています。ガチャガチャを回して出てきたコーヒーをグラインドし、抽出し飲むという仕組みになっています。コーヒーの品質は丸山珈琲が協力することでしっかりと保証されており、店舗デザインやコンセプトについてはnendoが担っているのです。これ以外にも、ベンツやBMWなどの外車ディーラーとコーヒーのコラボ。ブランドショップなどとのコラボレーションも数多く見かけるようになりました。そして百貨店や催事場では、コーヒーフェスティバルなどのイベントが集客力が高いビッグイベントとして招聘されています。
コーヒー独自の店舗展開については難易度が上がってくるものの、コーヒーは嗜好品としていまだ絶大な支持を得ており、近年は健康へのプラス効果が期待できるニュースが数多く見られます。このような流れから、「コーヒーと何かのコラボ」は今後もより加速していくものと予想されます。

6、日本のコーヒーショップに世界が注目
2020年は東京でオリンピックがスタートし、多くの外国人観光客が日本を訪れます。そこでは以前にも増して日本のサービスレベルの高さ、1杯1杯抽出する丁寧さや技術力の高さに注目が集まるでしょう。4のスクラップとは相反することのように感じるかもしれませんが、そうではありません。洗練された店つくりは、日本の少子化に耐え、多くの外国人観光客にも受け入れられる店作りになるはずです。

以上が2020年コーヒー業界予測です。

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