また1人難解な作家を知ることが出来ました(30-50)
昨日書いたように、「夜更かしの本棚」の選者の一人が芥川賞作家の円城塔氏でした。
円城塔氏の作品は伊藤計劃氏との共著「屍者の帝国」しか読んでいません。そしてその作品も好きでなかった印象が残っているだけです。
そこで今回はまず円城塔氏の原点でもある芥川賞受賞作を選びました。
無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。正体不明の作家を追って、言葉は世界中を飛びまわる。帽子をすりぬける蝶が飛行機の中を舞うとき、「言葉」の網が振りかざされる。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。第146回芥川賞受賞作。(「BOOK」データベスより)
やはり難解な作品というのが第一印象です。(Amazonでも難解との感想も多いので、少しホッとしました)
作家の武器である言葉と文章を巧みに操って、読者を著者の描く世界であるようですが、入っていると思っていると現実に引き戻されるような不思議な力が働きます。
この世界観が著者の独自で純文学な作品と言われるとそうかもしれませんが、なかなか納得出来ず、改めて何度も読み返しました。
決して難しい言葉は使われていません。私こそがこの作品の網に捕まって、まさに道化師に化かされているのかもしれません。
「あなたはわたしの話を完全に勘違いしている。わたしは着想の話をしている。その蝶は帽子をすり抜けましたよ。この世のものではないという明白な証拠だ。それと同時に、見えているのだから物質なのです。実在しているものなのです」
旅の間だけ読める本。本を読む間だけの旅。本を読む間の旅の間だけ読める本から再生される手芸。手芸からまた読み出される本。
旅、着想、捕獲、翻訳、手芸
これらの言葉が連なって、一つの物語となり本となったのです。
円城塔という作家、まだまだ奥深く、もっと知る必要がある作家の一人になりました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
朝から失態続きの雨の土曜日ですが、これから気分転換にアニメ版「鬼滅の刃」の録画を見ようと思います。できれば劇場版も見てみたいので。
今日という日があなたにとってかけがえのない1日となりますように。
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いつも読んでいただき、ありがとうございます。これからも励みますね。