楽園とは探偵の不在なり(34-50)
今週は2日続けてジムに行きました。帰宅すると何もしたくないほど身体がだるくなります。けれどお陰で眠りにつくのが早くて、今朝から読み始めた図書館の本もすでに2冊読み終えました。
今日はそのうちの1冊を紹介します。
二人以上殺した者は"天使"によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の新鋭による、孤島×館の本格ミステリ。(Amazon内容紹介より)
著者は私が初めて読む 斜線堂有紀という作家です。プロフィールによれば電撃小説メディアワークス文庫賞受賞してデビュー、以後小説だけでなく、漫画原作、ボイスドラマの脚本も手がけておられるようです。
孤島、館は、確かに名探偵たちが活躍してきたミステリーの舞台に多く登場するものであり、さらに天使、天国、地獄というワードは欧米ミステリーの雰囲気を醸し出すので期待しつつ読み進めました。
巻末の参考文献や著者の謝辞の中に根底としてのテーマを、テッド・チャン著「あなたの人生の物語」から
「地獄とは神に不在なり」
「美徳は必ずしも報われるわけではないというものだー悪い出来事は善人の身にも降りかかる」
の文章から強い影響を受けたと書かれています。
その影響下のストーリーとしてはうまくまとめられていると思います。が、社会問題に通じる人物設定をされた割に事件にあまりいかされていなかったように感じました。
「事件は解決するも終わりよければ全てよし」にならなかった物語の今回の事件に、少しだけ現代日本経済の裏側を憂う読者もあるかもしれないと思わせてくれました。そういう一面は良かった思います。
全般的に今の私には少し物足らない気がしました。学生の頃だったら違った感想があったかもしれない、そんな気がしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ミステリー小説の紹介って難しいですね。感想書いていても、ネタバレしてしまうのが怖いから。
今日の作品はぜひお若い方に読んでみていただきたいです。きっと私のような年齢とは違った感想が出てくる気がします。
今日も後半に入りました。もうひと頑張りですね。
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